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志願制ヒーローたち  作者: 海月里ほとり


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ミイヤへ


 元気か? 俺は何とか生きてる。訓練がようやく始まった。お前よく、こんな訓練に耐えられたな。俺はもう限界が来そうだよ……なんてな。ミイヤが超えられた訓練なんだから、俺なら楽勝だ、と言い聞かせながら一日一日を過ごしてるよ。ほんと、お前よく耐えられたな。

 ミイヤの教官は誰だった? 俺の教官はオニルという「優しい」教官だ。毎日毎日丁寧なご指導をしていただいているよ。まったく。

 俺は班長なんて、面倒な役目を押し付けられちまった。お前の時も誰かいたか? 立派な名前が付けられているけれども、どう考えても体のいい雑用役だ。そうでなくても忙しいのに色々雑務がつめこまれて休む暇もない。これじゃあヒーローになる前にくたばっちまいそうだよ。

 でも、本当のヒーローになったらもっと忙しいんだよ。

 なんてことを今言おうとしたんじゃないか? そのくらいお見通しだよ。

 なんにせよ、くたばっちまったらヒーローにもなれないので、くたばらない程度にがんばります。なんかいい感じにやり過ごすコツとかあったらこっそり教えてくれ、先輩。

 そっちの本訓練はどんなことをするんだ? 今の訓練準備でだいぶしんどいから、本訓練になったらどうなることやら。今のうちから恐ろしくなってしまうぜ。

 そういえば、コチテと一緒の班になった。今コチテが通りかかって覗き込んできたんで、ミイヤに手紙を書いてると言ったら、「ありがとうって書いといて」と言われた。書いておく。「ありがとう」だそうだ。なんかしたのか?

 コチテはまあまあ上手くやってる。運動も座学も得意なのは知ってたけど、意外と真面目にやっててびっくりしてる。ただ、ヒーローの歴史はさすがにあんまり詳しくないみたいなんで、名鑑を貸してやった。ヒーローなんてあんまり興味なさそうだったけど、思いのほか真剣に読んでる。恋の力は偉大ってことかね。

 フーカは元気か? なんか前にミイヤと話したときは悩んでるみたいな話をしてたけど、その悩みは解決したのか? ちょっとだけ気になってる。オニルの奴がことあるごとに「ヒーローになる理由」をねちねち聞いてくるから、俺もなんかドツボにはまるんじゃないかと不安だ。その時は相談に乗ってくれ、先輩。

 なんか俺、心配ばかりしてるな。ミイヤみたいだ。まあ、なるつもりもなかったヒーローになろうとしてるんだから無理もないな。

 今度の休暇、うまく合わせられたら、また娑婆で会おうぜ。


お前の後輩のリュウト

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