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異界暗殺業  作者: 紅鈴
医者
9/153

1-8

その部屋に住人が入ってきた時、メイリンはベットの下にいた。


(こんな狭い場所、暗いし見つかりっこ無い!)


そう思うほどベットは壁際に設置されていたし、仮に明かりを点けられても壁際にピッタリ背をくっ付いているので、覗かない限りは見えづらかった。

さらに言えば、浮浪者が部屋を荒らしていたが、()()()()()()()()()()()、元の場所に戻していた。


(最悪見つかったらどうする!?窓は・・・私じゃ高くて飛び出せない!壁を蹴っ飛ばして扉に行って一気に裏口に行こう!だけど見つかりっこないこんなとこ!)


そう逃走経路と安堵材料を考えていたが、その部屋・・・診察室は()()だったのがいけなかった。

その住人は明かりを点けて部屋を見回し、少し動き回った後その部屋を退出しようとした時に、不意に住人が止まったのだ。まるで何かに気づいたかのように。


(何で!?何で!?そのまま出て行けよ!)


その行動で軽くパニックを起こしたメイリンはとにかく息をひそめた。だがその願いは聞き届けられなかった。

扉を開ける事無く戻ってきた住人は、ゆっくりとベットに寄ってきてその住人は、同じような速度でベットの下を覗いたのだ。


「見ぃ~つけた。」


そう言われた瞬間、メイリンは全力で壁を蹴って逃げた。

上手くベットから抜け出して、すぐ立ち上がり、入ってきた扉に向けて走ろうとした。

だが、立ち上がろうとした瞬間に上から形で組み伏せられた。


「離せ!?」

「いや、泥棒が何言ってんの!?」

「うるさい!離しやがれ!死にたくない!」

「医者が人を簡単に殺すかよ。」


そんな風に会話しながらも抜け出そうとしていたが、逃げれなかった。何回か捕まった事があるメイリンでも初めての捕まえ方だった。掴まれている場所を動かせば骨が痛み、滑り抜ける様な動きをしても関節の部分を踏まれて動かせない。肉を抓もうにもその肉が遠かった。


「それにしてもどうやって入った?表は鍵が掛かってたし、裏は無茶苦茶開錠がムズイんだけどな。・・・わざわざ2階の窓から入ったのか?」

「1階からだよ!表とか裏とかなんだ!?」

「嘘つくなよ。・・・まあ、それでも間抜けか。盗る物とって即、離脱が常の強盗で、荒らす前に隠れるとか・・・」

「荒らした!そしたらお前が来た!全部戻して隠れた!」

「あぁん?」


怪訝な声を住人があげた。その瞬間に拘束が緩んだので抜け出そうとしたが、


「【身体麻痺】」


そんな声が聞こえて、余計に体が動かせなくなった。その魔法は一度掛かった事がある魔法だった。


(確か何もできなくなる魔法!嫌だ嫌だ!死にたくない死にたくない!)


そんな思考のせいで走馬灯の様な物が見えそうになっていた。

そんな事を知らない住人は部屋を見回し、物の位置などを確認していた。

確認を終えた住人がメイリンに近寄ってきた。ついに殴られると思っていたが意外な事にしゃがみ込んで首根っこを掴んできた。


「確認の為に引きずっていくが許せよ。」

「なんでだよ!(何で声が出せるんだ?前は声も出せなかったのに?)」


自分の顔を見た住人が怪訝そうな顔をしていた。後から聞いたら怒鳴っているのに不思議そうな顔をしていたそうだ。


「ああ、身体麻痺の魔法の事か。大体の魔法はそうだが、効果は使用者が変える事ができる。多分お前が前くらった時は喋れなかったんだろ?俺は喋ってほしかったから声までは麻痺させてない。」


そう言って宣言通り引きずられて裏口まで連れて行かれた。


「開けたのはこの扉か?」


そう言って聞いてきた住人の声は何か考ている様だった。


「そうだよ。(ここまで引きずってきて殴るのか?)」


訳が分からず不貞腐れた声が出たメイリンはそう肯定した。


「逃げ出さずに隠れてやり過ごす判断に、物の位置を完璧に覚えている記憶力、逃走できそうな時に逃げ出そうとする行動力。高すぎるピッキング能力は余計だけど、うん、これは憲兵に突き出すのは嫌だな。」

「はぁ?」

「悪いがもう一度身体麻痺の魔法をかけるから。叫ばれると厄介だし、めんどいからね【身体麻痺】」


そう言ってもう一度魔法をくらったメイリンを住人が肩に担ぎ上げた。


(何する気だよ!?放せ~~~!?)

「どこに行くかは着いてからのお楽しみだ。ただ先に言っておくが今日から浮浪児は卒業な。【身体強化】」


そう言って、この先、同業者になるルイン=ギルファは屋根に飛び上がった。

切りがいいのでここで切ります。

見つけられたヒントは診察室という事とちょっと前に出てきた魔法と効果の違いの説明。


使用魔法説明

身体麻痺・・・補助系統で体を拘束する物。使用者の意思でどこまで拘束するか選べる。

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