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マグノリア=フェリッシュは表情には見せず内心はウキウキとした気分で、子供達の居る区画に向かっていた。
(色んなタイプの人がいますが、子供はやっぱり素直なのが可愛いんですよね。)
子供の素直さには手を焼いたりする部分は在る物の、そこは個性として許容できていた。
(我々大人は、大なり小なり心を覆い隠して、素直になれませんから。)
大人になると言うのは、上手く嘘で塗り固める事だと思っているマグノリアは、その部分が嫌いだった。
(大人である私が言えた義理はありませんが、嘘で固めた物なんて、いつか真実を知れば醜く崩れ落ちますからね。)
そんな事を考えながら子供達の居る区画に入ると、大きめに息を吸った。
「みなさ~ん。マグノリアお姉ちゃんが来ましたよ~。」
そう叫ぶとわらわらと小さな子供達がマグノリアに寄って来た。
「おね~ちゃん。ミクが・・・」「違うカイトと・・・」「お姉ちゃん、一緒に・・・。」
「はいはい、一斉に話しかけないでね~。一斉に話しかけられても聞き取れないからね~。」
そうやって対応をしていると
「おりゃ!」
「きゃあ!」
掛け声と共に、トゥニカの下部分がまくれ上がるのをマグノリアは感じた。
「ちぇ~、見れなかった。」
「その声はダニーですね。そこに座りなさい!」
「やだ~!」
マグノリアの後ろから駆け足で逃げる音がした。
振り返ったマグノリアはダニーと呼んだ少年を見つけると、右手を突き出した。
「【捕縛鎖】」
「のわぁ!」
空中に現れた半透明な鎖に両足を捕らわれたダニーは、そのまま前に倒れこんだ。
「いって~。」
「その痛みを持って罰とします。今度からやらないようにね。」
「でも、一回見て観たいんだ、お姉ちゃんのパンツ。」
「やめなさい!そんな事すると女の子に嫌われますよ。ほら、周りを見なさい。」
諭されたダニーは周りを見ると、女の子達から冷ややかな目線を頂戴していた。
「ご・・・御免なさい・・・。」
「解ればよろしい。」
「でも正直、皆も見たいよな?」
その質問に、その場にいた子供達がうんうんと傅いた。
「何でなんですか!!!」
「だって・・・ねぇ。」「正直そのおっぱいどれ位あるんだろうって思って・・・。」「おしりも大きいし・・・。」「なのに括れてる~。」「どんなの着てるのか気になる~。」
そう言われたマグノリアの体つきは、パイン程では無いが胸と尻が大きく、腰は括れており、トゥニカと言う体つきが分かりにくい服を着ていても、浮き出るほどだった。
「その・・・体つきの評価は嬉しいのですが・・・やめてください・・・。」
「何で~?」
「昔から体つきの事でトラブルだらけなんです。皆も、嫌いな事は余り話したくないでしょ。」
「「「解った~。」」」
「はい、これでおしまい!皆、何して遊ぶ?それとも魔法の授業が良い?」
「「「魔法が良い~!」」」
「解りました。じゃあ、教室に入ろうか。」
「「「は~い。」」」
そうして子供達を引き連れて教室の方に向かおうとしたマグノリアだが、ダニーが声を出した。
「お姉ちゃん、魔法解いて。立てない。」
「御免なさい!」
慌てて魔法を解除して、ダニーが起き上がるのを見て安心した。
「ごめんね~。昔っからそそっかしくって。」
「良いよ、別に。今に始まった事じゃ無いし。」
「ううっ・・・。」
「それよりあの魔法って何?」
「捕縛鎖って言って、見えにくい鎖を特定の場所に巻き付ける魔法よ。身体麻痺よりは魔力の消費が低くて持続性もあるから、結構便利よ。」
「ふ~ん。」
「これも教えるから、一緒に行こうか。」
「解った!」
ウキウキと付いて来るダニーを見て、マグノリアは笑顔になった。
切りが良いのでここで切ります。
マグノリアの胸は現在の主要人物の中では2番目に大きいです。(ランキングはパイン>マグノリア>メリッサの順)
使用魔法解説
捕縛鎖・・・補助系統で魔力で作った半透明の鎖を出し、体の拘束をする。使い方次第だが首も絞めれて、絞殺に使える。(絞殺の場合はかなりの魔力を使う)身体麻痺より使用魔力が少ないのが利点。