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異界暗殺業  作者: 紅鈴
咎落ち
63/185

4-3

ルインからヒントを貰って数日、ジタンは警邏隊の訓練施設にいた。

あれから暇が在れば探っているのだが、そう簡単に見つかる事は無かった。


(まあ、仕方ないな。事件からもう1月以上も経っている、俺が犯人ならその間に逃亡する。)


部下の訓練を見ながら考えるのは、再調査し始めた変死事件の事だった。

この変死事件は自分が関わっている案件の中でも、歴史が非常に長い事件だった。


(まさか、他部隊の先輩達や前隊長も形は違えど関わっていたとは・・・)


変死体の特徴が違うだけで、様々な形で警邏隊全体で関わりがあるのは驚いた。

もしやと思い、前隊長の家に突撃して聞いてみた所、前隊長も何度か関わっていたようだった。

その御かげで収穫もあった。前隊長のおかげで、少なくとも50年前からこの事件は在ったのが確定した。


(デカい犯罪組織なのは間違いない。問題は変死体になる被害者全員が、何らかの形で人から恨まれている事だ。)


他部隊の先輩も前隊長も捜査してみた所、変死体は全員恨まれる理由があるのだった。


(一種の復讐代行か?そんな事して何になる?誰かに褒められた物じゃ無いだろ。)


殺人は殺人、犯罪には変わりがない。それなのに復讐代行に存在している組織なのが解せなかった。


(これだけおかしな力が有る組織なのに、態々死体という証拠になる物だけを残してる。)


復讐の代行であるなら、死体をさらけ出す必要性が分からなかった。依頼者に情報を明かす目的だけなら死体にしてさらけ出す必要性が無いのだ。それこそ、依頼者に直接会って『終わりました』と報告すればいいのに、態々衆目の目にさらしてるのが感覚として気持ち悪かった。


(まあ、一度もそういう目に会った事の無い者の意見だからな。実際にそういう時にならないと判らんな。)


そう締めくくる考えをした所、目の前で新人の一人が捕縛術を上手く相手に掛けたのだった。


「上手いな、ロック!その感覚は必要だぞ!」

「有難う御座います!自分でもよくできたと思えます!」

「そこは実力と言ってほしかったな。・・・よし!一度見学の為に休憩・・・ラッセン!ナイフを持って少し付き合え。」


そう言って一番体力が残っていそうなラッセンを呼ぶと、彼と対峙した。


「いいか!いつも言っている事だが俺達は警邏隊だ!色々と事件に関わる関係上、現行犯と対峙する機会が多い!その時に『現行犯を殺しました』は基本は通じない!可能なら生け捕りにしろ!その為に格闘術と捕縛術の訓練は必須だ!可能なら魔法も覚えて欲しいが、業務中に覚えるのは大変だ!だから、こういう訓練も真面目にやれ!」


ラッセンが準備を終えたタイミングで、訓練に入った。


「いいか!相手が順手でナイフを突き出してきた時は、正面から受けるのではなく左右何方かに身構えれば避けれる時が在る!勿論、その時左右に飛ぶのも避けれる一手だ!左右どちらかで避けれたのなら、そのまま相手の腕をひねり上げる様に固めて捕縛しろ!ラッセン、やれ!」


そう言った途端、ラッセンがナイフ形の木剣を突き出してきた。講義の通りに右に躱し、そのまま伸びた腕を取り、腕を捻りながら自分の脇で固定するような体制になった。


「この体制を意識しろ!この体制なら大抵の攻撃に対応できる!可能なら地面に叩きつけろ!そうすれば自分の手で犯人が捕縛できるからな!」


そうして、ラッセンを放すと、他の隊員に向き直った。


「俺達は警邏隊だ!何時如何なる時でも民の安全の為に居る!その心がけを持って業務に当たってくれ!・・・もうしばらく休憩!5分後に再開だ!」


そうして近くに置いて在った砂時計を引っくり返したジタンは、休憩に入った。

切りが良いのでここで切ります。


ホントに50年?問題

怪死事件自体はもっと前からあります。

ただ前隊長等が覚えていたのが50年前なだけです。

怪死事件が多くなったのはここ数十年です。

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