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異界暗殺業  作者: 紅鈴
薬屋
49/185

3-7

何で薬を置いてる事が『フリ』なのかの解答回

ダンのパーティーと一緒に探索した翌日、自身の店に見知った客が来た。


「メリッサ、居るか?」

「おや、ルインじゃないか?どうした?」

「いつも通り、薬の購入だよ。」


そう言って紙を出してきたルインは店を見回した。


「しかし、いつ観ても壮観だな。」

「そうかい?あたいにとってはいつもの光景だから、結構慣れちゃったよ。」

「俺から見ればこんだけの薬は結構な物だよ。」

「一応あんたの所って、国の登録は薬屋じゃあなかったっけ?」

「教会のせいで治療院の名前が出せないから、仕方無く薬屋で登録してるだけだ。国王も其処等辺知ってて許可出してるし。」

「本当にあの国王は・・・。」


表向き、協会所属の治療院以外での治療は許可されておらず、それ以外では違法なのだが、ルインの病院は国の登録上は薬屋だが、国王公認で治療の許可が出されているのが現状なのであった。


「教会自体はお取り潰しがしたい様だが、やった瞬間国が大手を振って戦争の目的にするから、教会も黙って見てるしか無いしな。」

「本来なら国王がそれだけ感謝してる証拠なのでしょうね。」

「向こうとしては、異端審問までした異端者がやってる場所を壊せなくて、歯噛みしてるんだろうがな。」


そうして必要な薬を包んでいたメリッサだったが、ふと疑問が浮かんだ。


「そう言えばあんた、結構ちぐはぐだね。」

「何でだ?」

「あれだけ怪我や病気の知識が有るのに、薬の生清はできないのかい?薬学の知識自体は有るのにそこが変なんだよね。」

「薬草の知識は内臓の動きとかの関係で納めただけだ。そこからの薬の生成は領域外だね。」

「そんなもんかい?」

「あのなぁ・・・どう言う薬がどう言う効果が出れば病気に効くかは判っても、その為の薬の生成は専門知識が要るだろ、それと同じだよ。」

「あ~、何となく分かったかも。」

「解ってくれ、頼むから。」

「あんただったらその内、出来そうになりそうでね。・・・ほい、出来たよ。御代はどうする?」

「このまま払うから代金を言ってくれ。」

「今回は合計で銀貨10枚だね。」

「あいよ・・・これとは別に何時もの煙草も頼めるか?」

「一緒に頼みな!何時も何時も、別々に頼むんじゃないよ!」

「経費と個人費で分けてるんだよ!一緒にすると国の経費監査で落とされるだろうが!」

「まあ、個人店やってればそれも判るね。・・・はいよ、銀1枚。」

「悪いな。」


そんなやり取りを終えたタイミングで店の扉が開いた。


「メリッサ居るか?」

「ニンバスかい?何の用だい。」

「少しだけ薬を融通してほしくてな。」

「どんなのかな?」

「傷修復用のポーションだな。1本で良い。」

「銅貨3枚ね、すぐ出すけどなんで怪我したの?」

「少しだけ脱出するのに手間取ってな、そのせいで怪我した。」


高笑いしだしたニンバスにメリッサは呆れたが、そばにいたルインは怪訝な顔をしていた。


「あんた、もしかして苗字はギルフォードか?」

「おお、そうだが!」

「親父さんに伝言を頼む。『偶にでいいから店に顔を出せ』ってルイン=ギルファが言っていた、と。」

「もしかして、親父の病気治した人か?」

「そうだが?」

「頼む!メリッサの火傷傷を治してくれ!」

「できるが・・・それは本人に一度言ったが拒否された。」


そうして頭を掻き始めたルインが説明した。


「一応出来るんだよ。『皮膚移植』って言って、他の所から多少の皮膚を切り取ってそれを別の場所に張り付ける方法なんだが、当人の許可無しにそんな事が出来るか。」

「おい、メリッサ!!!」

「別に良いじゃないか。あたいはこの顔自身は戒めだと思ってる。まあ、奇麗な顔自体に興味は尽きないけど、この火傷痕を見る度に少しの失敗で大怪我するって事を思い出させてくれるからこのままでいい。」

「だが、その・・・」

「それとも何?あたいの奇麗な顔が目当てなの?そんなの表にいる連中とそんなに変わらないじゃないさ。」

「そんな事は無い、学院で培った友情はそのような事では決して無い!」

「じゃあ、話は終わりね。あんたが実験の失敗に負い目があるのは知ってるけど、あたいはこの怪我の御かげで慎重になったから、ある程度は感謝してるんだよ。」

「むぅ~ん、仕方ない!これで嫌われたくないからな!」

「あんたを嫌うなんて無いよ。数少ない学院の良い思い御出なんだから。」

「そうか!なら一安心だ!」


そんな会話の後に貰ったポーションを傷に振り掛けたニンバスは颯爽と店舗から消えたが、ルインはさらに怪訝な顔でメリッサに問い詰めた。


「お前・・・鈍感なのか?」

「好意には気づいてるよ。ただ、自由な方が良いから、今の関係が丁度いい。」

「まあ、『オークション』の事もあるからな。・・・気を付けろよ、流石に王家が介入しだしたら、俺らじゃあ防ぎきれない。」

「解ってるさ。あんなクソ仕事はあいつには内緒の方が良い。」


そう言ったメリッサの顔は、酷く歪んでいた。

切りが良いのでここで切ります。

ニンバスの性格がああなので判りにくいですが結構プラトニックなんです。

後、王家の名前はギルフォードじゃないよ。

偽名で使うのがギルフォードってだけ。


ニンバスはメリッサにホの字?

本気で惚れてます。

自分が守らなきゃと思っていた奴が守ってくれて、それでいて気にしてないので興味を持ったら、そのままずぶずぶとって感じです。

(だから自分と結婚して欲しいし、馬鹿にする奴はぶちのめそうとする。)

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