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異界暗殺業  作者: 紅鈴
仕立屋
36/185

2-10

オーバンは染色依頼をした次の日に、事前連絡を入れたシグムンド伯爵家に赴いた。

赴いた理由は、納入日の決定とトルソー作成の採寸の為だった。


(依頼を受けた日に採寸をすれば良かったのですが、確実に出来るタイミングで採寸した方が、気合が入りますからね。)


そうして赴いたシグムンド家に入ると、ミリスがリルを伴って玄関まで迎えに来ていた。


「ミリス様?お加減は大丈夫なのですか?」

「はい!今日は調子が良くて、少し家の中を歩いていたのです。」

「それは良かったです。すみませんがラジアル様とミリス様に御用がございますので、ご一緒にラジアル様の所に行きませんか?」

「構いませんよ。ただ私は・・・」

「歩く速度を合わせますので、ゆっくり行きましょう。リル様、もし危なくなればお力添えを。」

「大丈夫ですよ。お嬢様の為ですから。」


そうしてラジアルの所に向かった3人は、他愛無い話をしながら向かっていたが、オーバンは如何しても気になった事があったのでリルに聞いてみた。


「リル様、もしかしてですが、何か焦っていますか?」

「はい?なぜその様な事を聞くのですか?」

「いえ、ずっと忙しなく目線が動いていたので何か焦る事があったのかと・・・」

「あ~、今日のお菓子が何かなと思ったんですよ。共に出すお茶をお菓子に合わせようとしたのですが、お菓子担当のシェフが教えてくれなくて。」

「成る程、確かにそれは焦りますね。お菓子に全然合わないお茶は苦痛ですからね。」


そう言っているとラジアルの執務室に着いた。リルがノックすると中から歓迎の言葉があったので3人で入った。


「数日ぶりです、ラジアル様。今日は衣装の納入日とお値段、衣装制作の為にお嬢様の採寸を行いたいのですが宜しいでしょうか?」

「構いませんよ。まずは納入日の方からお聞きしてもよろしいですか。」

「納入日ですが今から2週間後となりまして、お値段ですが金貨1枚となります。」

「結構しますね。どの様にしてその様な事になったのかお聞きしても?」

「はい。ご依頼後、すぐに布屋に赴きましたがご所望の品が丁度売り切れていました。ですので緊急で探索者に依頼を出しました。そこで銀貨25枚さらに布の購入で6枚と染色に1枚使います。」

「染色でもですか?意外と掛かりますね。」

「通常の染色でしたら使用量的に銅貨50枚もあればいいのですが、何分魔物素材は少々掛かりますので今回の物だと適当かと思います。そして、縫いに魔法付与と残りの材料費を足して利益を着けるとこの値段となります。」

「成る程、納得しました。」

「ありがとうございます。一部のお客様は値切りをする事がありますが、今回は無くて助かります。」

「納得の品をそのようにするのは、職人に失礼でしょう。」

「では、お嬢様の採寸をしても?」

「よろしくお願いします。」


そうして採寸を始める。魔力過剰蓄積症の場合、構造把握の魔法を使うのは体調悪化につながる為、昔ながらの巻き尺採寸を行っていた。


「ミリス様、変に力を入れなくても良いですよ?逆に力を入れると呼吸がし辛くなる衣装になりますので。」

「分かりました。よろしくお願いします。」


ササッと採寸を終わらせ、トルソー作成の為にラジアル家を出ていくオーバンだったが、やはりリルの事が気になった。


(おかしいですね?気が有る訳では無いのに何故か気になります。嫌な予感の前触れでしょうか?)


そうしてトルソーを作り、染色した布を貰い、衣装を9割作った時にその連絡が来た。

ミリスが変死したのだった。

切りが良いのでここで切ります。


そんな早くできるの?問題

29本も糸操って両手も使えばできますよね。そういう事です。

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