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異界暗殺業  作者: 紅鈴
仕立屋
30/186

2-4

屋敷にたどり着いたオーバンはその屋敷・・・シグムンド伯爵家の主人に出迎えられていた。


「お待ちしておりまし、オーバン様。シグムンド家当主、ラジアル=フィル・シグムンドと申します。」

「これはご丁寧に、ファルド服飾店店主、オーバン=ファルドと申します。」


互いに礼を返し自己紹介を終えた2人はさっそく仕事の話に入った。


「早速ですがラジアル様、私がお会いしなければいけないお方は、今どちらに?」

「ご案内いたします。道すがら説明を。」

「承知しました。」


そうしてオーバンは屋敷に入りながら説明を受けた。

「名前はミリス=フィル・シグムンド。私の娘で11歳です。手紙でお伝えした通り魔力過剰蓄積症の為、自力では一度も家を出たことがありません。」

「自力では?手紙では自室から出た事が無いと書かれていましたが?」

「申し訳ありません。嘘をついてしまう形ですが、娘の治療の為に治療院は行き来していました。ただ、馬車での移動な上に、できるだけ外を見せない様にしていたので。」

「子供に酷な事を。・・・なぜ外の景色をあまり見せなかったのです?」

「酷い事だと思いますが仕方なかったのです。幼く動けない体で、動ける者を見るのが、どれだけつらいかはオーバン様は想像できますか?」

「申し訳ありません。私の考えが至らなかったです。」

「謝罪を受け入れます。もう直ぐでミリスのいる部屋に着きます。」


そうしてラジアルがある一室の前で立ち止まり、来客を告げるノックをした。


「ミリス、起きているかい?入ってもいいかい?」

「お父様?起きています。どうぞ、お入りください。」

「ありがとう、失礼するよ。」


そうして、ラジアルと共に入ったオーバンはベットの上に居た少女を見た。


「お父様、そちらの方は?」

「初めましてミリス様、(わたくし)はファルド服飾店の店主をしておりますオーバン=ファルドと申します。」

「ご丁寧にありがとうございます。ミリス=フィル・シグムンドと・・・ゴホッ。」

「大丈夫ですか?」

「いつもの事なので、・・・申し訳ありません。」

「謝る必要はございません。お体の方が大事なのですから。」


そうした自己紹介の後にミリスを観察を始めるオーバン。


(なるほど、これほどの逸材でしたか。)


日に当たるのは最小限だった為かきめ細やかな白い肌。顔の血色も病気の割には良く、化粧乗りも良さそうだった。最小限の運動をしていたのか腕は筋肉質では無く、かと言って骨が浮いていると言う印象は無かった。


(これは、最初からどのような衣装を着せるかを考えるより、彼女の好きな色や物からの連想で攻めた方がよさそうですね。)


そう考えたが、さすがに用件の話を無しに周辺の観察をする訳にはいかなかった。


「ミリス様。本日はファルド服飾店をご利用いただき、ありがとうございます。本日はお父様で在らせられるラジアル様より、あなたのデビュタントの衣装の製作をご依頼され、伺いました。」

「デビュタント・・・ですか・・・。」

「不安ですか?」

「正直に言いますとそうです。私は生まれてからこの屋敷以外は外に出た事は有りませんから、いきなり社交界に出るというのは少し怖いです。」

「解ります。新しい事を始めるというのは恐怖の連続です。最近だと、私も自分の店を始める時はこれでいいのかと悩みました。」

「王都一の服飾士の方でもですか?」

「そうですね。少なくとも服飾士として大成しようとした時、その為に師匠に弟子入りした時、師匠に独立を進められ店を始めた時、この3回は恐怖との戦いでした。」


そう言いながらベットのミリスに近づいたオーバンは彼女の腕を取った。


「ですので、あなたの恐怖を和らげる衣装を、私に作らせてください。」


そして、自分できる最大限真摯な顔で彼女の顔を見つめた。その彼女は、可笑しさで笑った。


「なんか、告白みたいですね。」

「そう見えるのなら大丈夫ですね。では、あなたに相応しい衣装のお話をいたしましょう。」

切りがいいのでここで切ります


どうやって治療院行ったんだよ問題

寝られるほどの大きな馬車で向かいました。

家の前に馬車を止めてそこをお手伝いさんに介助されながら乗せられて行きます。

着いたら治療院のスタッフが運びます。

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