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異界暗殺業  作者: 紅鈴
医者
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1-2

「なぁ、馬鹿なの!馬鹿なのか!何回言ったら判るんだよ!もう年なんだから若い時みたいに考えるなよ!」


ある一室で、怒り声の者はそう言ってもう一方の怒り声の者を見下ろしながら言っていた。


「やかましいわ!若い者にやり方を教える手本の為に頑張ったらこうなったんじゃ!」

「それは判るよ!だけどさぁ、他に教えれる人がいるのに、その人押しのけてまで頑張るのはどうなの!?」

「それは・・・」


見下ろされた方・・・ベットに横たわる者の声が弱弱しく呻く。


「理由がそれで怪我してたら()()()()()()治療費が馬鹿にならんでしょ!」

「ううむ・・・」


呻きがさらに弱弱しさを増す中、


「あのぅ・・・先生。それで親父(おやじ)の怪我の具合はどうですか?」


そんな声が近くから聞こえた。


「ああ、ゴメン。怒鳴っている場合じゃなかったね。怪我の診断を始めるわ。・・・まあ、高所から滑って落ちたのは判っていて、足が動かないなら大体は捻挫か骨折だけど。」

「すみません。お願いいたします。」


そう言って『先生』と呼ばれた人はベットにいる人物に歩み寄り両手をかざしながら、


「【構造解析】」


と言って見下ろしている人物を『解析』していった。


「解析終了・・・うん、骨折だね。骨の位置戻して、骨の刺さった部分と折れてた部分直したら終了だ。」

「ありがとうございます!!!」

「別にいいよ。これが仕事だからね。」

「そうじゃぞ~。感謝することではないのう。」

「あんたは反省しろ!!!」


そう怒鳴った直後に『先生』は上着の内側から箱を取り出し、その中から小さな棒状の物を取り出した。


「また、そんな物吸って、・・・体に悪いぞぅ。」

「この説明何度目だ?・・・知り合いに作ってもらったリラックスする効果のある健康的な薬草煙草だよ。」

「まあまあ親父、先生の腕は確実だし、俺はこの煙草の匂い好きだよ。」

「腕のことは余計だね。【灯火(ともしび)】」


そう言って煙草に火をつけながら、手をかざし、


「じゃあ修復するよ。【修復】」


そう言うと、見る見るうちにベットにいた人の足が修復されていった。


「・・・うむ。治ったのぅ。毎度毎度ならがらすごい腕じゃ。」

「判っているなら治療費ね。今回は銀貨5枚だよ。」

「相変わらず安いのぅ。こんな少ない料金で大丈夫か?」

「『治療院』だったらこの十倍か百倍の値段で治ってるか判らないですからね。」

「俺からすればあいつ等は『医者』じゃないからな。普通に『ペテン師』の類だよ。」


そう言いながら、煙草を一腹する『先生』


「『ペテン師』のぅ、言いえて妙じゃ。此処の事を知っているなら『治療院』の連中はボンクラばかりじゃからな。」

「まあ、その『治療院』のおかげで助かる人がいるし、俺の行為はあいつ等から見れば『異端』なんだよ。」

「・・・まだ、『異端認定』解けて無いんですか?」

「解ける訳無いだろ。あいつらの『協議』から考えたら、俺のやってる事は『神の奇跡の再現』に近いんだから。」


そう言いながら、『先生』は手を、もう一人の方に手を突き出す。


「どうぞ。」「おう。」


そんな短いやり取りをして治療費を受け取った『先生』は、一腹吸い終わった煙草を灰皿に入れながら手の中の銀貨を確認しつつ


「それじゃあ、治療終了だ。御代もいただいたし、元気に帰ってくれ。ガンスさん、ビルドさん。」

「うむ。世話になった」「はい。ありがとうございます。」


そう言ってベットから起きたガンスと、付き添いのビルドが一室から退室しようとしていた。


「ではまた。ルイン先生。」

「腰痛に注意しろよ。お気をつけて。」


そう言って出て行った患者を見送った。

いったん切ります。


今回の使用魔法について

構造解析・・・系統外にあたるもので効果は対象の構造の解析(今回の場合は元の形の確認と、どう折れているかの確認)

灯火・・・補助にあたるもので指定の場所に小さな火を着ける

修復・・・回復にあたるもので指定対象の復元(ただし、復元するにはどう復元するかの情報が必要)

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