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異界暗殺業  作者: 紅鈴
仕立屋
29/185

2-3

オーバンは店を開けた後、簡単な指示を始めた。


「ザインさんとジーンさんは今日は店番をお願いします。緊急で昨日1日、量産品の縫子をお願いしましたので休憩だと思ってください。」

「「はい」」

「サマンサさんとグインさんは二人のフォローを。疲労での計算ミスを少なくするのが商売を上手くするコツの1つです。」

「「解りました」」

「残りの方は予定通りにお願いいたします。私はこれから少々、用事を済ませてきます。」


そうして簡単な従業員指示が終わると、オーバンは一度自室に戻り鞄を持って店先に来た。


「では、用事を済ませてきます。帰りは遅いと夕方頃になりますので、その時は施錠をお願いします。」

「鍵はどの位置に置いておきましょう?」

「いつもの通りに。」

「分かりました。」


そうして、街に繰り出したオーバンは貴族街に向かいながら街中の人の服装を見て自分ならこうすると思い描いたりしながら、懐から手紙を出した。


(この手紙を持ってきた家令さんには感謝ですね。)


数日前に『オーダーメイドの品を作るために一度面会に来てくれ』との連絡があったのだ。


(初めてのお客様ですが、ここまで詳細を書かれた手紙を渡されれば仕方ありませんね。)


権力者にも『NO』を言う事があるオーバンは、実はこう言う形での面会があまり好きではない。できれば店に直接来ていただいて、その人を見ながらデザインを考えたいのだ。だが事情が事情の場合は別だ。

生まれてこの方、真面に動けなかった少女のデビュタント・・・社交界の初お披露目の衣装の相談はさすがに面会が必要だ。


(目が肥えていない事でどんなのが好みか分からない。さすがにこんなのは一般の服飾士では難しいですね。)


なぜ、そんな事になったのかは病気の為だ。生まれた瞬間に膨大な魔力のせいで体に負荷がかかりすぎて、寝たっきりと成ってしまった。

幸いにも命に別状はなかったが以降、体の成長が追い付くまで自室がその子の世界だったのだ。


(魔力過剰蓄積症・・・26年生きていて初めてのお客様ですね。)


そうこうしていると貴族街に続く門の一つに来ていた。その近くに依頼人の馬車が有り、その近くに家令が経っていた。


「お待ちしておりました、オーバン様。手紙を確認しても?」

「お迎えいただきありがとうございます。どうぞ、ご確認ください。」

「ありがとうございます。・・・確認いたしました、主がお待ちです。このまま馬車にお乗りくださいませ。」

「承知いたしました。失礼いたします。」


そうして、オーバンは馬車に乗り込み、家令が馬車の業者席に乗り馬に指示を出した。


(さて、空き時間もできましたしデザインを認めますか。)


オーバンは鞄からスケッチブックとペンを取り出し、街中で思いついたデザインを描き認め始めた。

切りがいいのでここで切ります。


魔力過剰蓄積症

名前の通りに過剰に魔力を蓄積したせいで発症する病気

生まれたての子供がなりやすい病気で場合によっては死に至る

(要はコップの水が過剰に入ってる状態)(あふれてるだけなら大丈夫だが壊れたら駄目)

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