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異界暗殺業  作者: 紅鈴
医者
17/185

1-16

胸糞注意

マリン=ストラグは偶にある行動日に町を出歩いていた。

本当は、夫であるケイと一緒に回りたかったが、家族の為に頑張るケイの負担にならない様に、マリンが諭したのだ。


(これから大変だもの。入用の物は沢山あるし、家族が増える負担は、私も判るから)


治療院の近くを少しだけ回る予定なのだが、時間は日暮れの頃だったので少し怖かった。


(こう言う時に、変質者が来るのよね。)


そう思っていたら、本当に変質者に遭遇した。


「やあ、マリンさん。」


そう言って正面の路地からライルが出てきた。


「・・・何をしに来たのかしら。」

「もちろん、告白の返事を聞きにだよ!」


そう言って、劇団員みたいな応業な仕草で迫ってきた。


「近づかないでください。私には夫がいますので、あなたに靡く事は無いと、何度も言っていますが。」


そう言って身構えるマリンは治療院への道を確認していた。


「そんな事言わないでよ。僕と君は運命の糸でつながっているんだよ。だからさ、あんな男の事を忘れて僕と結婚してよ。」

「気持ち悪い糸ですね。仮に在ったとしても、もうすでに、別の方に絡め捕られてる状態ですよ。その結果もありますし。」


お腹の子を心配しながら少しずつ治療院に向けて後ずさるマリンは、近くに人が居ないのもあってライルに余計な恐怖を感じた。


「その子供も一緒で良いよ!だからさ、あんな男と別れて一緒になろうよ!大体、あんな冴えない男なんかじゃ君は幸せにならないよ。」

「夫を選んだのは容姿のカッコ良さなんかじゃ無いですよ?私は私の大切を一緒に分かち合える人と一緒にいたいのです。あなたは、自分しか見えていません。そんな人とは私は一緒にいたいと思いません!」


幾ら言っても引き下がらないライルに痺れを切らしたマリンは最後の方は叫んでいたが、それでも人が居ない事が不思議でたまらなかった。


(幾ら何でもおかしい!夕暮れ時とはいえこんなに叫んで人が寄って来ないなんて!)


その状況のおかしさを目の前のライルが説明し始めた。


「もしかして誰か来ることを期待してる?だとしたら残念だよ。告白に成功したら連れて行こうと思って、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()。まあ、使い捨てな上に少しの間しか効果は無いから嫌なんだけど。」


予想以上に気持ち悪い答えが目の前の男から出てきた。


「ふざけないで!どこの世界に!出産まじかの妊婦を攫う男がいるのよ!」

「ここにいるさ!そうしたい位!君が好きなんだ!さあ、僕の愛を受け取ってくれ!」

「触るな!この男ですらないヘンタイが!」


想像の上過ぎる答えに嫌悪感の限界が来たマリンは遂に手が出てしまった。

その手がライルの頬を打ち据えた後、ライルの顔が憤怒に染まった。


「何をするんだ!この阿婆擦れが!【氷矢】」


そして氷の矢の魔法が発動し、その矢が高速でマリンに迫った。


(この距離なら避けれる!)


そう確信したマリンだったが、無情にもその思いは無残に砕けた。妊娠しているせいでの重心の変化がほんの少し反応を鈍らせた。

そして無情にもその矢は胸を貫いた。


「ごほっ。」


胸を貫かれたマリンは血を吐きながら地面に倒れた。


「あ・・・違う、そんな事・・・したかった訳じゃ・・・ああああぁぁぁぁ!!!!」


自分のした事の結果でマリンを傷つけたライルは、治療院とは逆方向へ逃げ出した。自分がどんな魔道具を持っているかを忘れて。


(嘘・・・でしょ・・・あいつ・・・()()()・・・()()・・・()()()()。)


そう、使い捨ての認識疎外の魔道具の解除を忘れたのだ。そのせいで、発動終了まで認識疎外が続く状態になったせいで徐々に血が無くなっていくマリンは絶望した。


(まだ・・・子供・・・幸せ・・・)


徐々に自分が何も考えれなくなっていく感覚は余計に絶望していく。だが、どうにもならなかった。誰も助けに来ないのだから。


(ケイ・・・ごめん・・・なさい。)


その思考を最後にマリン=ストラグとお腹の子は死亡した。

切りがいいのでここら辺で


使い捨ての魔道具

使い捨てなので一回だけですが強力な効果が出ます。

今回は認識疎外でそこに道があったのが確認できなくなっています。

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