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異界暗殺業  作者: 紅鈴
医者
16/146

1-15

ライルを治療して何日かがたったある日、ルインとケイが一緒に街中を歩いていた。

また、偶然から昼食を一緒にすることになった2人は、どこに行こうかを相談しながら南区の飲食街を散策していた。


「今日はどこにしましょう?」

「これと言って、はっきり決めずに来たからなぁ。どうしようか?」


そんな風に歩いていたケイと話していたルインは前方から来た人物に気付いた。


「お、ライルさんじゃん。今から昼ですか?」

「どうもルイン先生。それと・・・ケイさんでしたっけ?」


ライルがそう言って近づいてきた。


「あれ?ケイさん、知り合い?」

「いえ、初めて・・・では無いですね。前、妻の病室に来ていましたね。その時にすれ違いました。」

「ふ~ん。」


そうして近付いて来たライルが開口一発、とんでもない事を言ってきた。


「ケイさん。あなたはマリンさんと釣り合いません。別れてください。」

「「はぁ!?」」


そう言ったライルに驚愕する2人。そしてライルは捲し立て始めた。


「だって、あなたは容姿は普通じゃないですか、彼女の容姿と釣り合いが取れません。僕の方が容姿が上で、つり合いが取れます。それに、彼女に会いに行くのも偶にじゃないですか。僕なら、毎日の様に会いに行きますよ。それで、彼女の幸せを考えれますか?」


いきなりそんな事を言われたケイだが、脳の処理が追い付いたのか反論を始めた。


「いやいや、何言ってるんですか!?容姿は確かに普通かもしれませんし、最近は忙しくて会いに行けませんでしたが、それでも時間ができれば会いに行ってますよ!それに妻の容姿だけが気に入った訳じゃありません!妻と話し合って、次第に相思相愛になったんですよ!それをいきなり別れろだなんて、あなた何言ってるんだ!?」


恋愛に関しては疎い方のルインでも納得がいく反論だったのだが、ライルには火に油の様だった。


「何を言っているんですか!僕だって彼女の事を思っていますよ!それこそ風呂の際も食事の際も彼女を思っています!」

「そのぐらいは私も同じです!自分が相当な事、言っている自覚ありますか!?」


そうしてやいのやいの言い始めた二人に冷静になったルインは状況を眺めていた。


(あ~、ケイさんとマリンさんは相思相愛で、そこに横やりでライルさんが恋したと。しかも、この恋はライルさんの一方通行だな。どうあがいても自分の負けなのに認められないのか。)


もしかして初恋なのか?と思いつつも周りを気にせずヒートアップしていく二人に危険性を感じていた。


(マズイ、二人とも怒りで周りが見えてない。ケイさんの性格上、手は出ないが口が回るせいでライルさんが暴発寸前だ。どうあがいても喧嘩に発展する・・・仕方ないな。)


そう覚悟を決めめしばらくすると想定した事が起きた。ライルが魔法の準備に入ったのだ。


「【氷柱撃】」


その瞬間、二人の間に氷の柱が瞬時に出現した。


「おい、二人共」


そうして発動した魔力のもとを見た二人はルインの怒り顔を見た。


「口論までは良い。いや、内容としては良くないがな。だが治療者の前で怪我こさえる様な事をするんじゃねえ!いい年した大人が、子供みたいな口論の末なのが余計に質が悪いわ!」


そうやって言ったおかげなのか、少し冷静になった二人は、周りを見渡してばつが悪そうにしていた。そして早々にライルが逃げに入った。


「とにかく、彼女と別れてください、良いですね。僕の方が愛してるんですから」


そして返事も聞く事無く立ち去った。


「あ、おい!ちょっと待て!」

「放置しておきましょうルインさん。あれは何を言っても駄目でしょう。」

「まあ、俺もそう思うよ、だが、嫌な予感はするんだよな。それにこの状況では別の事が心配でな。」

「別の事?」


アレ、と後ろを指差した方角から憲兵が来ていた。


「あ~。お説教ですか?」

「状況的に俺の魔法が原因だから証言してくれる?」

「僕のせいですみません。・・・お昼結構ヤバくなりますね。」

「午後の治療に間に合うかな~?」


憲兵からのお説教は周りのおかげで短い時間で済んだ。

切りがいいのでこの位で


使用魔法

氷柱撃・・・攻撃系統の魔法で氷の柱を立てる。形は自由にできるので今回は二人が止まる様に棘が向いています。

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