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異界暗殺業  作者: 紅鈴
鍛冶屋
139/179

7-3

途中で妻からのお使いを済ませ、自宅に帰って来たタイレル達は玄関で佇んでいた。


「大丈夫だって。トマトが売り切れてたのは仕方ないじゃん。」


ただ、トマトは売り切れていた為、予算内で別の物を買ってきていた。


「・・・悲しむ。」

「無かった位で悲しむ訳ないって。」

「・・・だが・・・ええっと・・・。」


踏ん切りがつかないタイレルに呆れたミルドはドアを開け、中に入った。


「ただいま~。母ちゃん、今日の夜は何?」

「お帰り。まずは手だけでも洗いなさい。」

「は~い。」


中から妻の声が聞こえた為、タイレルも意を決して中に入った。


「・・・帰った。」

「お帰りなさい。お疲れさまでした。」

「・・・すまん。無かった。」

「トマト、売り切れてたんですか?」

「・・・そう。代わり、在る。」

「何かしら?」


タイレルは持っていた袋を漁り、バジルを取り出した。

「・・・ソース、これで。」

「サラダの付け合わせだったんだけど、これでもいけるわね。」

「・・・有難う。」

「どういたしまして。ミルドにも言ったけど手を洗ってね。」

「・・・助かる。」


忠告通りに手を洗い、食卓に着くと教会の教え通りに食べる前に祈りをささげた。


(教えに不誠実な俺が祈っても仕方ないかもしれんが、生きている事にだけは感謝を。)


祈りを終え、食事に手を付け始めた時にミルドが話してきた。


「親父、祈りなんか捧げても意味無いんじゃない?教えなんて真っ向から違反してるのに・・・。」

「・・・擬態。咄嗟、慌てる。」


裏家業の関係で教会の教えに真っ向から違反しているのにそれでも祈りをささげるのは、そうやって習慣づけておかないと咄嗟の時にぼろが出て怪しまれる可能性が在るからである。


「そんな物なの?」

「意外とそうなのよ。私も焦った時は普段の行動がよく出るから、こう言うのは必要よ。」

「ふ~ん。」


ミルドはそう言いながらサラダを食べ始めた。

今日のアザキエル家の夕食にはサラダの他にオニオンスープとパンとコテージパイが並んでいた。


「このパイ、味が濃すぎない?サラダで味のリセットが出来ないんだけど。」

「元がトマトサラダだから、それ様に濃いめに味付けたの。我慢してね。」

「・・・美味い。」


ミルドの言う通り味は濃いめだが、疲れた体に濃いめの味は体に活力が入る。

そのおかげかほんの少しだけ眠気が襲ってきた。


(疲労か?いい年だし、体のガタが来てるのかもな。)


それでも家族の為に疲れているのなら本望であった。


(だが、それも健康であればこそだな。)

「・・・休み、病院。」

「何処か悪いんですか?」

「・・・違う、整体。」

「あれですか。私はいまいち実感が湧かないんですよねぇ。」

「いや、母ちゃん。親父とほぼ同じ年なのに、俺とほぼ同じ位若ければそう思うよ。」

「それ、今日も言われたわぁ。『ミュリアさんはお若いですね』って。」

「・・・絶対、別の意味も入ってる。」


ミルドの言う通りミュリアの顔は若く見える。

外見はかなり小さく、見方によっては幼女と言えるような外見をしていた。

だが出る所は出ており、其処だけが不釣り合いになっていた。

所謂童顔ロリ巨乳とまで呼ばれる外見だった。


「人が気にしてる事をこの子は!」

「痛い痛い!頭ぐりぐりしないで!」


そしてそれはミュリアのコンプレックスでもあった。


「・・・妻、止める。俺、好き。」

「外見が?」

「・・・違う、心根。」

「だから、大好き!」


ミルドは『また始まった。』と思いながらも、両親が抱き合っている姿を見ていた。

このまま自分も抜けようと思ったが食卓を見た時、その考えが変わった。


「2人共、いちゃつくのは良いけど、全部食べてからにして。」

「・・・すまん。」

「御免ね。嬉しくてつい・・・。」


流石に6割も食べ残しがあるのは許せなかった。

切りが良いのでここで切ります。

作中の眠気は軽い血糖値スパイクです。


ミュリアの設定

作中でも書きましたがロリ巨乳童顔です。



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