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異界暗殺業  作者: 紅鈴
聖女
100/126

5-17

「申し訳ないけど半分しか依頼は受け取れないわ。」

「そこを何とかお願いしたいんですけど・・・。」

「私達の密偵って戦闘はからっきしなの。できる人でも1人、2人を相手取るだけで精一杯なの。」

「駄目ですか?」

「駄目じゃない。その後に何とか『依頼』にこぎつける様にするわ。」

「それじゃ駄目なんですよ!なんとかして助けてください!」

「無理な物は無理、貴方はそれを解ってるわよね?・・・ねぇ、()()()()()()()()()?」

「・・・解りました、半分だけお願いします。」

「御免なさいね、その代わり必ず依頼に繋げるわ。」

()()()()()()()()()()()()?」

「それはね・・・。」


「駄目でした。」

「何だよそれ!!?」


マグノリアが何処かに出かけた日の夕方、報告を聞いたシオン達は各々の反応をした。

シオンは絶叫し、アンナは苦笑い、フリージアは呆れた顔をした。


「その探索者は件の日に遠方の仕事があるようです。ですので依頼を断られました。」

「仕事なら仕方ない、切り替えてこ。」

「警邏隊に報告もしたけど~、忙し過ぎてダメだって~。」

「・・・どんどん状況が悪くなる。」

「シオン、諦めてはいけません。何処かに抜け道がある筈です。」

「その最後の抜け道も駄目だったんだろうが!?」

「すみませ~ん!!」


シオンにとっての最後の希望だった探索者も駄目と言われて真剣に頭を抱えた彼女は、もはや我慢の限界だった。


「この院を出たら追跡できないよな?」

「できないでしょうね。ただ、此処から出て生きていけますか?」

「・・・今は無理かも。」


1月もあれば浮浪児として生きていた感覚が鈍るのは自覚が在った。

恐らくあの頃よりは危機感知能力が低下しているのは自分でも判っていた。


「そうだ!シオン姉ちゃんが礼装持ってるなら二人の礼装を借りれば・・・。」

「御免なさい!!」

「すまんね、私等は持って無いんだよ。」

「何で!?」

「私にしろマグノリアにしろ魔法が上手くてね、大体の事は防護礼装無しに片づけれるんだよ。」

「いや、マグノリア姉ちゃんは判るよ。フリージア姉ちゃんはそうは見えない・・・。」


そう言ったシオンの目の前でフリージアは腕を振ると、袖の中からメリケンサックが出て来て、それを手で持て余し始めた。


「マグノリアの魔法の腕は知ってるね。私もそれなりには魔法が使えてね、中でも身体強化は現役の教会騎士団の団長に勝てる位なの。ただ、武器術の才能がからっきしでね、その代りとして徒手術はそれなりだったの。」

「それとメリケンサックが何の関係が在るんだよ?」

「簡単さ。手早く嵌めて、魔法唱えて殴り倒す、それだけ。魔物相手でもこれで対処。先手必勝、一撃昏倒。」

「・・・そっち方面行けばよかったじゃん。」

「身体性能に難があってね。魔法で幾ら強化しても肉体には限界があって、流石に部隊長クラスには勝てなかったから、居ても意味無いと思って辞めたの。」


身体強化の魔法の明確な弱点は使用者の肉体を強化はできてもそれには限界があり、その限界値以上に魔力を注いでも一切強化されないのであった。


「実際、入団取りやめてからこの街に来て、自分がどれほど無謀だったか思い知ったからね。」

「何が有ったの~?」

「西区の娼館街に『スノームーン』って店が在るんだが、其処の娼館長が化け物だった。」

「ああ、あの人ですか。確かにそうですね。」

「マグノリア、体の事じゃ無いからな?その現場にいた私はその時『絶対にこの人には喧嘩は売らない』と固く誓った。」

「だから何が有ったんだよ!?」

()()()2()()()()()()()()()()()()()()()。」


その言葉にアンナは驚き、シオンは愕然としたがマグノリアは平然としていた。


(あの人ならやりますね。しかも、その時は恐らく・・・。)

「あんなのできる訳無いと思ってね。だから、此処に居るのはある意味運が良かったと思ってるの。世界の広さと自分の無知さを同時に味合わせてくれた。」

「・・・例の日に何かあったら西区に逃げよう。」

「賛成~。」

「その方が良いでしょうね。下手に娼館街に手を出すと、裏で殺されるそうですから。」

「何でその噂を知ってるかは聞かないけどそういう事だから、何としてでも娼館街に逃げるようにね。他にも逃走手段は色々あるから、その方法を今から教えようじゃないか。」

「・・・フリージア~、何でそんなの知ってるの~?」

「色々あったんだよ。悪ガキの悪戯に頭来たのが最初かな。」


苦々しい顔をしたフリージアは自身が知っている逃走経路について話し始めた。

切りが良いのでここで切ります。

戦国時代から帰還しました。


身体強化魔法の弱点について。

書きました通り強化には個人差があり、ある一定以上の強化はできません。

増やす事自体は可能ですがかなり鍛えないといけません。(この場合は魔法効率と自前の身体性能強化)

なお、作中人物での強化効率トップはパインです。

パイン>(越えられない壁)>ルイン>フリージア≧マグノリア=ジタン>オーバン>メイリン>メリッサ

現状この順です。

(フリージアのは全身の場合、一点集中ならマグノリアの方が上)

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