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異界暗殺業  作者: 紅鈴
医者
10/185

1-9

ルインはメイリンを肩に担ぎながら西区に向かっていた。

深夜帯で通りには誰も居なかったが、面倒な事はなるべく起こしたくなかったので、屋根の上を跳ねながらの移動をしていた。

その間のメイリンは【身体麻痺】のせいで動けないので、これからどうなるかを考えていた。


(浮浪児が終わるってなんだ?やっぱり死ぬのか?それとももっと酷い事になるのか?)


そんな事の堂々巡りであった為、その光景に気付くのが遅れた、

その場所は深夜なのにまだ煌々と明かりがついていた。そして通りにいる人は奇麗な服を着ていた。


(ここ何処の地区だ?何でこんな夜に明るい?)

「・・・と、さすがにそろそろ、あそこの警戒杭域だから、ここからは地上だな。・・・おい、もう直ぐで目的地だ。起きてるか?」


そう言って、地面に着地したルインはメイリンの目を見ながら背中を抓った。


(痛い!何しやがる!)

「起きてるみたいだな。今から言う事を覚えとけ。まだ魔法は解かないがこれからお前にある人を紹介する。お前の紹介の為に俺が色々説明するが、()()()()()()()()()()()。」

(どういう事だよ!説明になってないよ!)

「悪いが結構なアドリブなのは承知の上だ。俺も移動しながらシナリオを考えたが相当キツイ。だから、魔法を解除して俺が居なくなるまでは大人しくしてくれ。」


そんな風に聞いていたら、これまでのメイリンの人生の中で、王城以外に初めて見る大きい建物が見えてきた。


(でかい家だな。ここが目的地なのか?)


その建物の扉を開けようとしていたルインは、少し気合を入れるために息を吐いた。そして意を決して扉を開けた。

その扉の先を見たメイリンは驚いていた。今の自分の恰好よりきれいな服なのに、裸に近い服を着た女性がいっぱいいたのだ。


(なんだ、ココ!何でこんな変な服の奴ばっかなんだよ!)


中に入った2人はすぐ近くにいた人物に話しかけられた。


「いらっしゃいませ、お客様。どのような嬢がお好みですか?」

「客じゃ無い。悪いが、娼館長に繋ぎをとってくれ。内容は『ルイン=ギルファが面白いのを連れて来た』と。」

「・・・畏まりました。お待ちください。」


そう言った人は奥に消えていった。

消えたのを確認したルインはメイリンを担いだまま近くの椅子に座った。


「あれ?ルイン先生、どうしたの?溜まってるから発散しに来たの?」


その時、一人の女性がルインに気付いた。そのまま近づいてきてその隣に、しなだれながら座る。


「マリーザさん、肩のコレ見てそれを言っているなら、目の治療に行け。ちょっと面白い事があってな、コレを娼館長に合わせに来た。」

「やぁん、イケず。偶には買っていきなさいよ。」

「悪いな。職業柄、男女問わずに裸を見すぎて、そう言うのは困って無いんだ。」

「・・・枯れてるの?」

「そこまでじゃ無いが、そういう気分になりにくいんだ。職業病だな。」

「へえぇ・・・。これ、どうぞ。」

「ありがと。」


そう言って、渡された水差しをルインはメイリンの方に持ってきた。


「【流体操作】【魔力腕】・・・口、開けてやったからこれを飲め。」


そう言ってメイリンの口に水の塊が迫ってきたので言われた通りに何とか飲み込んだ。


「おお、良い飲みっぷり。」

「・・・私は先生に渡したんだけど。でもいい飲みっぷりね。娼館長に気に入られたら着けてもらおうかしら?」

「・・・酒は飲ますなよ?どうあがいても未成年だ。」

「そんな事しないわよ。・・・多分。」

「多分じゃないよ。あんたの酒飲みにつきあわせたら、コレが酒で死んで、この娼館が営業停止になるよ。」

「それは嫌だわぁ・・・それにしても先生、今日は格好が決まてるわね。」

「そうか?」

「だって、普段は家でも白いジャケットを脱がないし髪はツンツンに立ってるのに、今は黒いジャケットに髪を後ろに纏めてるじゃない。絵の中のカッコイイ男が出てきたみたい。」

「・・・緊急でちょっと格式のある場所に治療に行ったんだよ。ジャケットは偶には変えるかって思ってな。その帰りにちょっと騒動があってなぁ、コレはその騒動の時の戦利品。」

「誘拐じゃない。親は・・・居なさそうね。」

「騒動の内容はちょっと言えないけど、その時に光る物があってね。娼館長次第だけど何とかここで置いて貰えないかなと思ってな。」


そんな風に応対している内に、先程消えた人が戻ってきた。


「お会いになるそうです。こちらへ。」

「判った。・・・マリーザさん、酒は程々にね。酔いにくいからって飲みすぎは毒だよ。」

「私を買ったら考えるわ。じゃあね。」


手を挙げて別れたルインは案内人に連れられて、奥に進んだ。

グルグルと色んな所を回っていると豪華な扉が見えてきた。


「少々お待ちを・・・娼館長、お連れいたしました・・・どうぞお進みください。」

「ありがとう。さて本番だ、さっき言った通りな。」


案内をしてきた人に諭され、開けられた扉をルイン達は潜った。

切りがいいのでここら辺で切ります。

マリーザはかなりの酒飲みで、ポリバケツです。


使用魔法について

流体操作・・・系統外系統の魔法で魔法で生成されていない水分を操る

魔力腕・・・系統外系統の魔法で魔力で作った腕を作ってそれを操る。

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