表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
静かにしろよ、ハニー・トラップ!  作者: 大天使ミコエル


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

94/230

94 四つ足動物捕まえろ(2)

「全てを守る精霊モスよ。俺に力を貸してくれ……!」


 精霊に願うと、ユキナリは、盾を前に構え、ハネツキオオトカゲを見据えた。

「じゃあ、ハニトラは左から回ってくれ」

「うん……!」


 小さな個体を前に、捕まえようとする。


 二人でそーっと近づき、いよいよというところで、二人でえいやっと飛び掛かる。

 岩の上でのんびり動かずにいるトカゲを捕まえるなんてわけない、そう思ったのは早計だった。

 トカゲは思った以上に素早く動き、目の前にハニトラの頭が迫る。


「うわっ」


 ゴチン。


 鈍い音を立てて、二人がぶつかる。

 トカゲは涼しい顔をして、また隣の岩の上にじっと止まった。




「いやですわ」

 と前に出て来たのはマルだ。

「こういうときは、モノで釣るのがセオリーですわ」

 と、ドヤ顔で紐にくくりつけた生肉を置いた。

 生肉を結んだ紐の端を持ち、岩陰に隠れる。

 こういうの、少しドキドキするな……。


 数分後、トカゲが一匹寄って来た。肉の端に食らいつき引っ張る。


「よっしゃ!今ですわ!」

 マルが紐を引く。

 上手くいくんじゃないかと思えたその瞬間、輪に結んだもう片側から肉を引っ張るトカゲが現れ、紐を結んだあたりで肉は真っ二つ。

 残念ながら、マルの持つ紐の端には、生肉のカスがこびりついた縄の輪っかだけが残った。


「ぐ、偶然ですわ……」


 なんてマルが言うものだから、それを2回繰り返し、結局そこそこの量の肉が失われた。




「イリスの番ですね」

 一人ずつ芸を見せているような気になって来た時、前に出たのはイリスだ。

「こういうのは、手なづけるのが一番に決まってます」

 なんて言いながら、かなり堂々と歩いて行く。


 一匹のトカゲの前にしゃがみ込み、両手を差し出した。


「ほぉら、こっちだよー」

 おお。

 保育士さんのようだ。デフォルトでローブを着てるだけある。なかなか聖母感の強いお姉さんなのだ。


 けれど、案の定、トカゲは無視だった。


 めげずに二匹目、三匹目、とかわいいお姉さんの声を出し続けたが、全てが無視。




 結果、岩場の陰で輪になってため息を吐く4人となったのだった。


 ハニトラが困った様に眉を寄せた。

「他の動物にしてみる?」

 その声に、俺はハネツキオオトカゲの群れに目をやった。

 トカゲ達はじっと日向ぼっこをしている。

 小さな羽が、時々ピコピコと揺れる。

「いや、他の動物にしても、捕まえる苦労はどうしてもあるものだしな」


 ため息を吐きながら、短剣を取り出した。


「全てを包む精霊ウンダよ。俺に力を貸してくれ」


 ぽうっと短剣が青く光るのを確認する。

 力を込めると、剣先から、水がとぽとぽと流れ出た。


 まず自分でぐびぐびと飲む。

 あまりとぽとぽやっていると力は抜けてくるのだが、この水がなかなかに美味いのだ。


 ハニトラの方に短剣を向けると、水の中に飛び込む様に顔ごと水を飲む。

 マルの飲み方はすっかり犬で、口をワウワウしながら飲む。


「イリスは、水は飲めるのか?」

「イリスは、水は飲みません」


「そうか。じゃあ……、」

 と短剣の水を止めようとした時だった。

 視界の下の方で、何かが水を飲む気配がした。

「え……」

なかなかバランスの取れたパーティーなんじゃないかと思います!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
体は剣でできている美少女(16歳) 体は毛皮でおおわれる美少女(19歳) 体は石でできている美少女(85歳) のハーレムものが本格始動しましたね! 第四のヒロインはハネツキオオトカゲか……!
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ