表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
静かにしろよ、ハニー・トラップ!  作者: 大天使ミコエル


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

51/230

51 3人パーティー(1)

「これくらいか?」

「そうですわね。わたくしの顔の、ちょうど横を通るくらいで」


 特注のナイフの形の聞き取りをする。

 紙やペンなんかがないから、なかなかに困難を極めた。

 まあ、ペンがあっても、この肉球じゃあ、苦労は同じだったかもしれないが。


 そのナイフを武器屋に注文しながら、一行は冒険者ギルドへ向かった。


 マールの港の冒険者ギルドは、港の近くにある。

 そのせいもあって、港側は屈強な海の男達の人混みを抜けると、屈強な冒険者達の人混みに紛れる事になる。

 ここでは筋肉が必須なのか、どこも上半身ががっしりとした男が多い様だ。


 それは、冒険者ギルドの中においても、例外ではなかった。


「かんぱい!」

 の声と共に、ガッシャン!と木製のジョッキを打ち鳴らす音がそこここに聞こえる。

 カウンターよりも、その食堂にいる人間の数の方が、多いみたいだった。


「マル、冒険者登録は?」

「……マルチネスですわ。ちゃんと登録してありますわ」

「経験者か。頼りにするよ」

 そう言うと、マルは少しツンとした顔でそっぽをむいた。


「…………ちなみに、服とか防具とか、何か欲しいものはあるか?」


「そうですわね……。ナイフ以外にはそれほど必要なものはありませんわね。防具など付けてしまえば瞬発力が落ちますし」


 ……一応、それとなく服について聞いてみたつもりだったが、やはりいらない、のか。

 まあ、毛皮で覆われてるから、いらないよな。


 言いながら、ユキナリ一行もテーブルにつく。

 ハニトラが向かいに座ると、マルはお座り状態で椅子に腰かけた。

 …………そうなるのか。


「わたくし、この肉の盛り合わせがいいですわね」

「あ、それ私も!」

 ……なるほど、そういう感じか。


 マルは、ハニトラに隠れつつも、ギルド員とも会話しているし、まあ、この世界ではこういう種族、がいる事が普通なんだろうな。おそらく。


 食事が来る前に、カウンターへ向かう。

 この冒険者ギルドはやはり屈強な男が多い様で、出てきたのも、俺よりも1.5倍は背が高いんじゃないかというような眼帯をつけた大男だ。

 その大男は、

「じゃあ行くか」

 なんて言うと、当たり前の様に、俺達のテーブルまで来て、酒を注文した。

 ん?ここでは、そういうシステムか……?


 大男は、ドカッと椅子に腰掛けた。

 届けられたジョッキを手に持つ。

 ……ここで飲むのか。


 仕方なく、男の正面に座る。

 と、後ろのテーブルから、ボソボソと、

「魔物連れかよ。リード繋いどけよなぁ」

 なんていう声が聞こえて、マルの目が一瞬黒く光った。

『魔物連れ』……。そういう認識か、ここでは。

 けれどそこで、ギルド員の大男が、ジョッキをガン!とテーブルに叩きつけたので、嫌な空気が霧散する。

 ……まあ、悪いヤツではないのか。


「で、なんだ?何が聞きたい」

 ……でも、めちゃくちゃ態度がでかいな。

「この港に、初級ダンジョンが出来るって聞いたんだけど」

「ああ、そうだ」

 男は、そう言いながら、改めてメンバーを見渡す。

 まだパーティーを組んだばかりだというのが、わかるのだろうか。

「……港から見える小島に、魔物が住み着いたようなんだ。それが、スケルトンなんじゃないかって噂だ。ヤツら、自分の骨を振り回してきやがる。調査は終わってるから、書類が出来次第、島がダンジョン認定される。まあ、2、3日後ってところだな」

ハニトラちゃんもマルも、好物は肉です。二人とも、生のままペロリタイプ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ