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113 森へ(4)

 森へ向かう前に、町で買い物をする事になった。


 ユキナリに、ハニトラ、マル、イリスと、4人でお出掛けだ。


 まず、武器屋に武器の手入れを依頼する。

 それからは、冒険者向けの店で、キャンプ用品やサバイバル用品を手に入れていく。


「薬に寝袋、着火剤、松明……。なんだかんだ、色々いるよなぁ」

 メンバーが5人になった分、荷物も5倍……とまではいかないまでも、かなりの量になった。

 馬車があるので色々運べるようになったとはいえ、イリスの重さを考えると、それほど荷物を載せるわけにもいかないんじゃないだろうか。


 サバイバル用品の店で、店員が、

「命を救うものですよ!?」

 と浮き輪まで見せてくれる。

 一瞬悩んだが、海に行くわけじゃ無いからな……。


 悩みながら買うものを見繕っていく。

 ハニトラと俺の靴も新調する。

 なんだかんだであると便利なものは多かった。

 気付けば肩から下げている鞄はパンパンに。


 鞄壊れないだろうな……なんて思いながら歩くユキナリに、マルが、

「肉ですわ!」

 と意気揚々と言い放つ。


「お前らの荷物までなんで俺が持つんだよ」

「一番お強いのがあなただからですわ」


 そうなのだ。

 強いかどうかはともかく、でかい鞄を持っているのは俺だけ。

 まあ確かに、ハニトラは気合いだけはいいが、思ったより体力はない。

 マルは犬だし、イリスは服まで石製なので、どうやって鞄を持てばいいのかわからない。


 まあ、馬車まで運ぶだけだから、と、仕方なく俺が持つわけだが。


「アレとアレとアレですわ!」

「あ、ユキナリ、あれも!」

 と買っていく食料は、かなりの量になる。


「お前らも荷物持てよ」

 と言えば、ハニトラは、

「私、代わるよ?」

 と鞄を取り上げる。

 かと思えば、戦闘時のあのジャンプやら刃の切れ味やらはなんだったんだというくらいに体力は無くて、真っ赤になった手と顔で、プルプルとした笑顔を見せながら後ろをついてくるので、いっそやめて欲しくなる。


 マルにリュックの様に鞄を背負わせると、こちらの方は力はあるのだけれど、いかんせん、人間ほどは大きくないせいで、その細い身体に背負える量などたかが知れていて。

 ゴトン。

 マルチーズのような外見の背中から、鞄が落ちる。

「ぷっ」

 ユキナリはつい吹き出してしまった。

「なんですの、失礼ですわよ」

 マルが首を円を描くように振ると、ブイン、と鞄が宙を舞う。

「うおっ、あぶね……!」


 イリスが最終的に、

「イリスが持ちましょうか」

 と言ってくれるが、

「あら……?」

 石で出来た身体に鞄を背負わせようとすると、やはり特注の鞄が必要なようだった。


 ハニトラ以外は俺より力がありそうではあるが、あまり役には立ちそうにない。

 結局、ひーこら言いながら俺がでかい鞄に加え、でかい食料の箱まで馬車まで運ぶ。


 いよいよ出発……!

 といったところで……。

ハプニングの予感をさせながら次回へ続きます。

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