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11 冒険者ギルド(2)

 用紙に書き込むと、ダニエルがキラリとした笑顔を見せた。

「全くの初心者、という事ですね」

「そうです……」

 少し気圧されて素直に答える。


「冒険者とは、ダンジョンに入る権利の事です。冒険者登録していただければ、全国各地のダンジョンに入る事が出来ます。ここまではいいですね」

「はい」

「逆に、冒険者登録していない方はダンジョンに入る事は出来ません。これは、冒険者の方と一緒に居ても、です」

 そこで、ダニエルは真剣な顔を見せる。

「なぜだか、わかりますか?」

「え、と……。身元のわからない人がダンジョンに入ると困るから?」

「半分正解です。つまり、ダンジョン内で亡くなった時、できる限り身元がわかるようにしておくためです」


 死んだ……時……。


 そう、だよな。

 得体の知らない魔物と戦うんなら、そういう事もあり得るんだよな……。


 一瞬躊躇するけれど、このまま魔女と会わずに、女性に嫌われながら生活するのは、かなり無理があるだろう。

 村での生活を思い出す。

 いつか生活が破綻してしまうのは、目に見えていた。


 なら、強くならなければ。


 そんな風に、ダニエルは、俺をさんざん怖がらせてから、冒険者の説明を始めた。


 ダンジョンは、国が管轄する魔物が巣食う場所で、もちろん洞窟なんかが多いんだけれど、魔物が住み着いてしまった廃屋なんかもダンジョン認定されればダンジョンになるらしい。

 それは、屋外の場合もあり、畑やなんかの事もあるそうだ。


 冒険者は、そんなダンジョンに入る権利を持つ者の事をいう。

 とはいえ、冒険者ギルドに登録してしまえば、誰でもおっけーだ。


 目的は、もちろん、魔物退治そのものの場合もある。

 他には、主に採取。そして、お宝探しや研究。

 なので、武闘派な冒険者だけでなく、地質学者や魔物学者の冒険者も多くいるらしい。


 持ち込みはなんでも可。

 パーティーを組むのももちろんOKで、パーティー募集もギルドでできるらしい。


 この辺りは、服の材料が取れるダンジョンが近くにあり、そこに通って材料採取を生業にしている人が多いらしい。

 そのおかげで、仕立て屋も多いのだとか。


 そして、その中級ダンジョンの他に、最近初心者ダンジョンが発見されたということだ。


 俺がオススメされているのは、そっち。


 まだ未踏のダンジョンには、外からの調査の結果、スライムやゾンビ、アナグマ等の初心者レベルの魔物のみが生息する可能性が高いらしい。


 ……それはつまり、この世界には、スライムやらゾンビやらが居るって事だ……。

 それって、アナグマレベルなのか?

 アナグマって知ってるアナグマだよな?

 でかい熊をアナグマって言ってるわけじゃないよな……?


 まあ、よく考えたら?

 ゾンビは、なんとか普通の人間がホームセンターで対応できるレベルなわけだし?

 初心者レベルといえば初心者レベル、なのか……?


 多少の不安を抱えつつ、それでも俺は、現実と戦わなくてはいけなかった。

じわじわとプロローグに近づいてきましたね!

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