表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/7

エルフの花嫁

 解除──


「んっ……わたし……今……!? えっ……!? これは──!?」


 少女の腕と両足の怪我はぼくの第二ボタンの能力で再生した、この力のお陰で彼女の体力も完全回復した──


「あ……あなたが……治してくれたの……? ありがとう! それに助けてくれて……えっと……あなたは……誰──?」


 いや……途中から気付いてたんだけど……この子……エルフだよね……耳ツンツンしてるもん……ピーンって!


「ぼくの名前はコウジ・イバナ! 君が襲われている所、たまたま通りかかっただけですよ……」


 やっば……なにあれ……パイがデケェー……スイカップだよ──!


「コウジ・イバナ……ありがとうございます……コウジ殿──! その……できれば何か……まずお礼を!」


 えっ? お礼? ん〜……ではまず……ぱふぱふ……いやっ……流石にそれはまずいな……そうだ……!


「では……その……少し……ほ〜んのちょっとだけ……。君の耳を触ってみてもいいかな……?」


 エルフの少女は一瞬──驚いた表情をした後、胸に手を当てて俯き、目を閉じる──そして何か悩ましい表情をして顔を上げ、ぼくの顔をまじまじ見つめる──


 えっ……なに!? なにその反応……!? な……なんで? なんでそんなに目が潤んでんの……? えっと……ぼくそんな酷いお願いした……? 泣くほど……!? 顔は赤くなるよねっ……! そりゃ……でも引かれるでもなく……なんでそんな……


「わかりました! 命を救って頂いた身です……! わたしも──覚悟を決めました!!」


 えっ……覚悟──!? えっ……そんなにいやだったの……?


「コウジ殿……お願いします……」


 ……いや〜あんな顔をされた後だと……ねぇ……めっちゃ興奮するやんけっ!!


「じゃあ……お言葉に甘えて……」


 エルフの少女は耳を差し出してきた!

 白髪のロングはシルクみたいにスベスベだ……。


「つん……つん……つんつくつ……お耳……つーん……つーん……つんつくつ……つっ……!」


「あっ……ンッ……ふぁっ……ダメ……もう……イッ! クゥふぁっ……」


 その瞬間、僕の身体は宙を舞った──


 鼻血ブーでふっ飛んだ──


 下手したら僕も頭領の男みたいになってたかもしれない──


 ぱふぱふ……されたら……死んでたな……。


 童○ソー・ヤング──


 凄惨な血の雨が降った──


「大丈夫──!? コウジ──!」


 うしろ向きに倒れた僕のもとへ駆けつけ、少女は僕の頭を抱きしめる。

 

「い○ぱいおっぱい☆チェリーパイ! いっぱいお○ぱい☆チェリーパイ!」

 

「君の美しい顔が……見えない……」


「ねぇ……コウジ……。不束者ではありますが、これからよろしくお願いします……。ねっ……! コージィ……ちゅっ──!」


 んっ!? ん? うん? う〜ん? んっ!?


「トキワの森のエルフ王サーカ・キリーダ。その娘であるエルフの国、第二皇女エルダ・キリーダ……。コウジ・イバナ……私は今より、貴方にこの身も心も全て捧げることを誓います!」


 だーいぶ後になって知る話なんだけどね……。この世界のエルフの間では男性が女性に耳を触らせておくれ〜とお願いするのは求婚をすることと同意なんだってさ……。

 

「えーっと……? つまり、どういうこと……?」


 僕はエルダの膝枕から……顔に胸が当たらないように避けながら起き上がり、質問した……。


「だーかーらー! 良いわよ──! お嫁さんになってあげる──!」


 僕はまったく意味がわからなかった。


 しかし……据え膳食わぬは男の恥っ──!

 おとーさーん!


「うん──! いいね──! お婿さんになってあげる──!」


 異世界に来ていきなり、僕はエルフの王女様と結婚した──


「ってゆーかー! コージィー、ワタシ怖かったよー、死んじゃうと思ったー、もう駄目だーって……。そしたらーコージが現れてぇ、一瞬でみーんな、バカーん! ボカーん! って、やっつけちゃうんだもん!」


 元気になった彼女は思ったよりギャルでした……。


 死にかけの時はあんなに大人しかったのに……。


「本当! 最初コージが現れた時は、あ〜遂に死神が現れたか〜私も終わりか〜って、でもコージのおかげで手も元に戻って、足もこんなに歩けるようになった! コージは私の白馬の王子様だったのね!」


 それにしても……。

 この状況は一体どういうことなんだ……?


「エルダ、僕は遠くから来たばかりで、この辺の事情が何も分からないんだけど、この状況は一体……? これは何が起こったんだ?」


 それに、いつまでもこんな場所にいるのもまずい気がする……。


「コージ、ずっとここにいるのも危ないし、私の国に来て! お父さんに貴方の事を紹介しなきゃ! 今、あったことも早く伝えなきゃいけないの……。詳しい事は道すがら説明するわ! このまま道なりに少し行った所に街があるわ! そこで馬車を用意しましょう!」


 あれっ!? そういえば僕──この世界の人と普通に喋れてるぞ──? ムムムムムムッ……。おっ──!? 念じたら頭の中にこの世界の文字が浮かんできた──! そうか……! 新しい身体はこの世界の人間の身体だから……。


『ねぇねぇ駄女神様〜。もしかして僕〜言葉とか〜』


 ──って! そういえば、こちらからの問いかけには答えないんだっけ……。


『結婚おめでとう! コウジ! そんな事はどうでも良いから! コウジ! その少女に付いていくのは危険です! やめておきなさい! 少女とはここで別れて、今すぐここから左に曲がって、ひたすらにまっすぐ進みなさい……。それから街が見えてきたら、宿屋に泊まって、次の日に其処を出て、左に曲がって三軒目のギルドでまず冒険者登録をして、まずは薬草採集のクエストから始めて、それに徐々に慣れてきたら、モンスター退治のクエスト、神具の力も使えば数年も頑張れば、街の外れにそれなりの家が建つでしょう! その町には若い女性も多く、エッチなお店もありますよ! むふふふっ……! うへっ……! そこで死ぬまで幸せに生きるのでーす!』


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ