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少女A


『なにこれ……ヤンキーみたいだね。まぁ──カッコイイからいいけどさ〜』


 地上に降りたぼくは、白いシャツ、白い長ラン、白いボンタンという中々に攻めまくった服装をしていた。

 胸には神具化した第二ボタンが付いている──


 自分の新しい顔も早くおがみたいな……。


『でも、なんで白なのー? 汚れ目立たなーい?』


 さっきから女神とずーっと頭の中で会話してる──テレパシー? みたいな奴らしいよ!


『それは──やはり女神の白──! わたしの純潔が投影されてマッスル──! もちろん……下はブリーフよ♡』


 ……あっ──! ちなみにぼくは今──どこともわからない森の中を散策してるよ──!


『しかもなんとこの制服……! わたくし、女神の恩恵で、ど〜んなに汚れたり破損したりしても、ひとときもあれば──はいっ! もとどおり〜! な仕様ですぅ〜パチパチぃ〜!』

 

 なるほど……じゃあ〜服装には当分──困らなさそうだね──。これ……通販には向かないね……。なんと今なら──さらにさらにもう一枚──! って……できないでしょ……?


『あっ! あと〜言い忘れてましたけど〜ボタンちゃんは神具なので誰にも破壊できませんから、その点は心配いりませんよ〜あなたの意識とリンクしていますから〜無くすこともありませ〜ん』


 へぇ〜そうなんだ……すごいな……あっ──! っていうか……それよりもまず──聞いとかなきゃいけないことがあったよね──


『ところで女神さん! ぼくのボタンの能力ってなんなんですか〜?』


 そうしてぼくは──駄女神さんから能力についてのひと通りの説明を受けましたっ!

 ちゃんちゃん──♪


『ねぇねぇ駄女神さん……? これからもずっと──ぼくはあなたに力を借りたり、こうやって会話したりできるの……?』


 まぁ──ひとり旅も悪くはないけど……話し相手はいたほうが楽しいだろ──?


『いいえ──! 女神が地上世界に干渉することは基本的に禁止されています──あくまでも今回は、地上へあなたを降ろすために、しかたなくわたしの力を使っただけです……』


『え〜っ!? そうなの!? じゃあ、ぼくら──もうこれでお別れじゃーん……。寂しい──しゅん……』


『禁止されているとは言いましたが……基本的には──です。本来ならばこうして話すこともできないのですが……』


 えっ──!? なになに……?  


『実は今──この世界は多数の種族、国家が乱立し各地で個人間の小さな物から国家間の大きな物まで大小様々な衝突が起きています……』


 なるほど……ふむふむ……って──あぶないじゃん!


『そして──今回のあなたの転生に関してはこちらのミスで奪ってしまった人生のやり直し──というのがそもそもの目的なので──あなたに早く死なれてはこちらとしても後味が悪く、本末転倒になってしまいます……』


 ぼくだって──またすぐに死にたくはないよ……。

 トホホ……ホヨヨ〜


『とはいえ──女神の力を地上に行使することはやはりできません……。なので──基本的に会話はできませんが、あなたに危険が近づいた時にのみ、あなたに警告をするため、こちらから話しかけることにします……』


 駄女神の説明──長くない? ぼくもそろそろべしゃりたい──!


『なるほど──! それはいいね──助かるよ──! で……ぼくはこれからどうすればいいの──?』


 へヘヘッ……ちょっとしゃべれた──


『そんなの知りませんよ──! これはあなたの人生なんですから──あなたの自由に生きればいいのです。右に進みたいと思えば右に、左に進みたいと思えば左に、右から来たなにかを左に受け流したいと思えば、あなたはそれを左に受け流せば良いのです──。もし、コウジに危険が近づけば──その時はわたしが、それを回避するように指示しますから──』


 なるほど……じゃあ右だな……毎晩おちんちん触るほうなんだ──


『右には──なにがあるの──?』


 たまには左もね……。

 なんつって……てへっ……!


『迷わず行けよ……行けば分かるさ……。それは教えられません……。危険があれば教えますから──心〜配〜ないさ〜!』


 そっか……。じゃあ行ってみよ……。

 ありがと──♡ 駄・目・神──♡


『どういたしまして──♡ それでは良い異世界ライフを──コウジ──♡ ちゅっ──♡』


 げっ……今までの心の声も全部……聞こえてたのね……。

 なにが──ちゅっ──♡ だよ……。駄女神め……。


 ぼくはただひたすらに森の中を右へ──右へ──とまっすぐに進みつづける──

 

 おやっ……? 細くて薄暗い街道にでたぞ……!?


 なにやら街道の行く先が騒がしい──


 ──んっ!? あれはなんだ……? 

 人が──! 襲われてるじゃないか!! 

 あっ──! お──女の子だ──!


 ぼくは森の中に隠れてのぞき見る──

 街道のすこし先に数体の人……? の死体と、武器を持った男が四人……そいつらに襲われ──今にも殺されそうなうずくまる、ひとりの美しい少女がいる。


『おい──! 駄女神──! おい──! 返事しろよ──! 駄女神ぃ〜! 話が違うじゃないか──! 危険はないって……。なんで!? なんで何も返事しないんだよ──!』



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