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クラン【冒走族】の新人教育1

 「おい、ちゃんと飯食ってるか、コラァ。」


 少年、少女が数人、こじんまりした食堂で朝食を取る、今日の献立はハムエッグにフレンチトースト、ホットミルクと彼らの年齢なら喜びそうな物ばかりである。


 そんな食堂には雰囲気に似合わない人物が1人、花柄エプロンを引っさげ手にはやかんを持ち彼等に声を掛ける。


 数人が体を小刻みに声を震わせ笑いを堪えながら何とか口へ食事を運ぶ。


 黒い短ラン、黒いボンタンに身を包むヤンキールック、頭はピッシリ固められたリーゼント、そんな強面顔の男が花柄のエプロンをしているのだ、笑わせるか怖がらせるかどちらかにして欲しい。


 口調も拍車をかける、裏声を使っているような高い声で出でくるセリフは心配、後付けでプラスされる言葉には微塵も怒気を感じられない。


 場所は新人教育様に用意された木造建築の建物、廃業した宿屋を、買取使用しているようだ。


  そこへカートを押し連れて入ってくる巨漢の男、こちらもヤンキールックは変わらないが、サイズがピチピチ過ぎる。


 顔だけ見れば、オールバックに整えられたおっさん顔が、体を縮こませる威圧を放っている。


 しかしピチピチの学ランにハートマシマシのピンクのエプロン、威厳があるのかないのか疑問でしかない。


 「総長、おはようございますっ!」


  「馬鹿やろ、ガキ達がびっくりするだろうが、規律と挨拶は大事だが、時と場所を考えろ、つってんだろうが。」


 細身のとんがり口のヤーさんが拳を落とされながらドヤされ、少年、少年は口には出さずに(総長の方が五月蝿いから)と目線で意思疎通し、クスクスと啜り笑う。


 「さて、体力作りと勉強前には甘いものと相場が決まってる。今日の朝デザートは冒走族伝統のアイ・スクリーンだ。」


 白く半円状に器に盛られた冷気を発するデザートが、少年少女達の前に配られる、果物とクッキーが添えられたそれは紛うことなきアイスクリーム。


 ここに来て4日。彼らの楽しみとなっている、1日の食事のどれかにはついてくるデザート、初代総長の友人が伝え、冒走族総長に代々伝えられる秘伝のレシピである。


 名称は時を重ね変わってしまったようだった。


 「あまぁい。」


「これがあれば僕今日も頑張れる。」


 アイ・スクリーンに夢中になる少年少女、しかしその中に1人だけ不機嫌な少年が存在する。


 「どうしたカルト、冒険者は楽しむ時は楽しむものだ、食事中に陰気臭い顔をするもんじゃねぇぞ。」


 アイ・スクリーンを彼の前に置いた総長、彼は少年に声をかければ背中をひと叩きしながら告げる。


 「何時までトレーニングと机に向かわなきゃ行けないんだよ、冒険者は依頼をこなしてなんぼだろ!」


 背中を叩かれ顔を歪める少年、しかし、痩せ我慢しながらも強気な姿勢を崩さずに食ってかかる。


 「尾は前は気概だけは一人前だな。しかし、冒険者には豊富な知識も何より大切だ、今はまだ知識と精神、肉体の基礎を作るんだな。」


 納得行かないという顔のまま、それ以上何を言っても無駄な事を理解している彼は黙って、アイ・スクリーンに口をつけるのだった。


 少年少女の朝の教育は肯定での朝礼から始まる。


 「では、冒険者の心得五ヶ条」


 「ひとーつ、依頼者の命が1番」


  「ひとーつ、何が何でも命を諦めるな」


 「ひとーつ、どんな時でも冷静に」


 「ひとーつ、些細な情報も宝だと思え」


 「ひとーつ、仲間の為なら命をかけろ」


 空気を震わす総長の大声に続き、少年少女が復唱する、初日は戸惑い半分気恥しさ半分で、復唱していた彼等も今では慣れたものである。


 朝礼を終えた後は総長による体力向上訓練、宿屋の横にあるクラン所有のトレーニングスペースで、駆け足、基礎筋トレ、防衛術の訓練を午前をかけて行う。


  昼食には総長特製バスケットを皆で囲い親睦を深め。


 午後からはグルグルメガネをかけたヤーさんによる座学、東支部伝統の報告書執筆方法を親切丁寧にコラァ、コラァ言いながら教えられる。


 「よぉし、お前ら、最初の課題は、ギルド報告書の書き方についてだ、コラァ。」


 新人教育に参加した者の報告書は、他とは完成度が違うと評判になるほどであり、この授業の教師がかける意気込みを感じさせる。


 「そら、ここはもっと区切りの良い所で次のページに行くんだよ、コラァ。」


  1人1人の書いてきた午前の訓練報告書に問題点をしっかりと教え、反復し、素晴らしい物語へと化けさせる、そして、必ず読み切らせる、巣立つ頃には一人前の作者を量産させてしまう。


 その後も挨拶、規律の重要性、冒険者の基礎知識を叩き込まれ、授業が終われば晩餐、一日の疲れを珍しい大浴場で癒し眠りにつく。


  彼らが此処へ連れてこられてからの日々は、冒険者に最も必要な基礎を育んでいた。


ファンタジーのネタ枠は思い浮かぶなら


筋肉おかま


パンク野郎


ゲイトリオ


こんな感じかな、皆さんはどう浮かびます?


安易なネーミングセンスでの冒走族、ヤンキーと分かりやすくするなら逆にこれで正解だった気がしますね


作者個人としてはですけどね

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