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クラン【冒走族】の活動報告書

 突然だが、冒険者ギルド創設には7人のへんじ、いや偉人が関わっている。


 冒険者がまだ荒くれ者、精神破綻者、社会不適合者等と呼ばれていた大昔、1人の破壊者がこの世界に現れた。


 彼は転移者であったとされ、絶大な力を持っていたと記録が残されている。


 その頃、世界の覇権を握っていた6つの国々に我こそ最強であると叫ぶ冒険者が、それぞれの国に1人存在した。


 力を誇示するだけの事はあり一人一人強大な力を所持し、国にとっても各々の勢力バランスを保つ為に必要不可欠な者達だった。


 転移者である青年が破壊者と呼ばれるようになった理由。


 それは、彼が国々の保たれた均衡を崩壊させる出来事を起こしたからである。


 自由都市国家フリージアの設立、大陸中央部を不可侵のとしていた魔窟領域、そのど真ん中にあろう事か彼は国を作り始めてしまった。


 そんな事をそれぞれの国が黙っている筈もなく、破壊者として世界の敵と祭り上げられた彼。


 国軍の進行を阻む魔窟のモンスター、武力を持たない者が刃向かうこと等想像も出来ず、初のゲリラ戦よる混乱と幾つか理由が重なり、大国6つと戦いながらも、幸運にもその国力を増大した。


 それがいけなかった、国々は各々の国の最高戦力冒険者に依頼を出す事になってしまった。


 彼等は自分こそが最強であると自負しており、顔を合わせれば、その辺に大きな被害を出す事から他国への出入りを禁忌とされていた。


 そんな彼らが中心地となる、魔窟での行動制限まで取り払われる事になるという事が、どのような結果をもたらすかは、誰の目にも明らかであった。


 フリージアの者達を押さえ込み、前線を押し上げていけば自ずと顔を合わせる彼ら、突発的に起こる最強決定戦、これには魔窟と言われた場所も更に地獄と化す。


 収集のつかなくなったこの戦いはある時、ぴたりと止む、6人の覇者の争いが止まった事によって。


 その後、各国へフリージアからの使者が訪れ、6強と手を組んだとの書状、その書状には以下の要望と打開案が提示されていた。


 国々へ


 冒険者への権利を放棄する事


 冒険者の自由を認め、これを侵害しない事


 フリージアを中立都市と認め独立不可侵地域とする事


 冒険者を国の戦力として使用しない事


 以上を求める


 要求を容認するならばこちらは以下の事を承諾する


 フリージアの建国を撤廃


 冒険者の規律を管理するギルドの結成


 フリージア盟主タツミ、破壊の魔女マーテル、殺戮の獣人ラオガル、龍王アムステル、影の殺戮者ネールナ、破砕の暴君ドヘリデル、剣の支配者ザムド


 以上の者の権力への不介入、力の行使の制限を受ける


 なお、盟約魔術により約束を違えた場合、それ相応の天災が降り注ぐものとする


 これらに同意出来ぬ場合、自由都市国家フリージアは世界と全面戦争も辞さない


 どこからどう見ても脅迫である。


 だが、国にとって冒険者とは、ただの問題を起こすだけの毒であり、デメリットは使い勝手の良い戦力が使えなくなる程度。


 メリットの絶大さに対してデメリットが、彼らに取って取るに足らないものとなれば、返答は肯定するの一択、全ての国が調印を許可した。


 今では盟約等無効になっているらしいのだが、馬鹿な皇子が破った事により国への災いが降り注ぎ、盟約は今も守られているらしい。


 と、まぁ、こんな話を思い出したので現実逃避がてらギルド創設物語をパラパラと読んでしまったのだ。


 因みに、国のお偉い方にとっては使い捨ての道具でしか無かった冒険者も、市民にとっては何でも屋みたいなもので。一時期国から冒険者が居なくなった事で暴動が起きた記録もあるらしい。


 「支部長、そろそろ私は業務に戻りますよ。」


 「分かったよ。ちゃんと読むから...」


 いつもの如く積み重ねられる報告書、ナーネルは水と胃薬を用意し、現実逃避している俺が戻ってくるまで律儀に待って退室していく。


 「いつも通りならまだマシだったのに...」


 先週の件もあり、今週は特に気力もなく精神的に沈みがちの時に限って、1番見たくない報告書が見える。


 【冒走族、新人教育訓練報告書】


 冒走族、新人育成を()()に率先して行う迷惑な団体、先の逃避先も、このクランの母体だった団体がギルド創設時に深く関わっていおり、徐に取った本がギルド創設物語であったのだ。


 不穏な気配しかしない、このタイトルを見ると大体問題児が増える。


 そして、自ずと俺の仕事も増える、良い事が全くない。


 何より、これはギルドの報告書であってクランの報告書ではないのだ、勘弁して欲しい。


 「仕方ない、読まないと眠れるドラゴンが起きちゃうからなぁ。」


 読まないという選択肢は俺にはないのだ、それが出来るのなら、胃に穴が空いたりはしない。


  心の中で泣きながら、胃薬を水で流し込み、分厚い紙束を読み始めるのだった。

ちょっと無駄に面白さ等を考えて書いたら滅茶苦茶になり、没ったので書き直しに時間がかかってしまいました。


ちょっと迷走していますが中身の方で持ち治せるように努力します。

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