ラリスタの温泉ライブ4
今回は語彙力や知識がない事を思い知らされる話になってしまいました
次に必要な事といえまともな事が書けないのはちょっと悔しいですね。
再び照らされるステージ。
円形のステージにはこの世界には見られないドラムやギター、ベースを持つ演奏者、それを中心に四方に別れたラリスタのメンバーがここの色にあったスポットライトに照らされる。
「さぁ、盛り上がっていこうねぇ。」
「お前ら、テンション上げてかねぇと俺がはっ倒すからな。」
活発なラーファがファンへ向けて手を振りながら歓声を引き出す。
その後のラーダの喝を入れる言葉に、ファンとは盛り上がりにかけていた会場の者の声を引き出す。
一気に熱気が温泉を越える会場。
そして、演奏が始まる。
この世界では異質なロックなメロディーが演奏される。
ラーダの低音の声でのラップ調の歌から始まり、歌姫達の透き通る歌声が会場の温泉階層へと響き渡る。
吟遊詩人の冒険譚では得られない観客との一体感、リズムとテンポの良い楽曲が会場の者達を魅了する。
ステージ上で楽器を演奏する者達の練度も中々のものである。
難しい旋律を、使った事のない楽器で奏でる彼等の努力が伺える演奏だ。
ステージは色とりどりのスポットライトの魔法が彼女等を照らし、その存在感を更に引き立て会場の者達の視線も楽しませている。
会場で響き渡る歓声、雰囲気に着いていけなかった者達でさえ場の流れに引っ張られ手でリズムを取り始める。
「まだまだこれからだぜ、お前らしっかり楽しむんだぞ。」
1曲が終わり熱気に汗を滴らせるラリスタのメンバー。
ラーダの声に応える観客、そして最前列、ファンとして有名である古株達が一斉に立ち上がる。
ライブをするようになってお馴染みの1曲のメロディーが演奏される。
それに合わせ、立ち上がったピンクの法被を羽織った前列(メルディーも含まれていたりする)が、見事に息の合ったオタ芸を打ち出す。
誰の知識かは言うまでもなく、仕切りをしている異世界人であるあの男である。
「なあ、俺らの場違いが半端ないんだが。」
「そうか?初めて来たが楽しめるもんだろ。」
槍使いが周りの熱気に気圧されながら呆れ顔をするが、その横でライブを楽しむ大剣持ちは満喫しているようだ。
いつの間に何処から手に入れたのか、ピンクの法被を着こなしている。
「順応力が半端ないな、あれだけショックを受けてたのに、いつの間にか馴染んでるな。」
しっかり楽しんでいる彼を横目に、聞こえてくる歌に耳を傾けるのだった。
ライブが進むに連れて熱気も高まる。
ラリスタの声と踊り、ステージ効果と演奏、満足いく結果になった様で、掃討戦の後とは思えない盛り上がりを見せた。
「楽しんでもらえたかな?」
「おぉぉぉ。」
「皆ありがとうだよぉ。」
「楽しんでもらえて何よりだわぁ。」
「俺らも楽しかったぜ、次もしっかり見に来いよな。」
数曲の歌が終わった後、肩で息をするラリスタのメンバーの一言、ライブの終わりを告げる挨拶が終わる。
熱気冷めやらぬ中、ステージからラリスタが退場、ライブの高揚感を残したままステージは幕を閉じた。
「これにて、ラリスタ温泉ライブは終了となります。後は温泉で疲れを癒して下さいね。」
ルルセラの閉幕の声と共に太陽石の光が辺りを照らし出す。
鼓動が高鳴る中、各々に温泉に浸かり落ち着きを取り戻していく観客達。
新人冒険者のグループでは、新たに魅入られた者達がライプの話で盛り上がり、お馴染みのファン達は、次のライブに向けてどんなバフォーマンスで盛り上げるか等を話し合う。
「お疲れ様です。最高だった、やっぱりラリスタが世界最強ですよ。」
ライブを終えたラリスタにタオルを配りながら、ソーイが話しかける。
「あの魔法凄かったねぇ、色んな色で照らされてテンション上がっちゃったよ。」
「演奏も前とは一味違うかったな、上手くなってるし、かなりノリやすかったよ。」
「皆、頑張ってましたから、一般向けのイベントだし、力入ってましたから。」
元々ラリスタは東支部所属の冒険者であるが、今は本部所属となっている。
有名になり人気のでした彼女達、貴族方の娯楽としての価値を見出した銭ゲバの本部の上層部が、利権を手に入れる為に本部へ引っ張ったのである。
それによって、ラリスタの認知度は周辺諸国へも知れ渡る事となりメリットはあった。
ただ、本部開催のライブについては高額であり、一般市民がやすやすと参加するには2桁程額が高過ぎた。
命をかけて参加する猛者もいたには居たのだが、全ての者が出来るわけでもない。
そこで考えられたのが、ファンクラブ主催の今回の温泉ライブであった。
「上には文句言わせねぇ、俺達は歌いたいだけで金儲けしたい訳じゃないんだしな、どんどん呼んでくれよ。」
「ラーダさん、勿論です、ラリスタが万人に愛される存在にするのが僕の指名ですから。」
「ソーイちゃんはそればっかりなのですよぉ。」
「ソーイ君が応援してくれるならぁ、お姉さん頑張っちゃうわぁ。」
「まぁ、ソーイだけじゃなくて、私らを応援してくれるファンの為に出来ることしないとね。」
和気あいあいと温泉に浸かりながら、冒険者達とファン達はラリスタとの温泉を楽しむのだった。