ナーネルの墓参り4
激しく書くのに苦労する回になってしまいました。
満足出来る出来になったとは思いますが。ダイジェスト戦闘、楽しんで貰えたら良いのですが。
問題なく1階層をクリアした一同。
2階層から5階層は王の名を持つモンスターとの戦闘。
ギルドではSランク指定、現れれば国が滅ぶとされるモンスターである。
2階層、ツインロードファングウルフ。
2頭の頭を持つ狼、巨大な体躯に似合わぬ俊敏な動き、鋭い爪と牙の必殺の刃は標的を確実に仕留めると言われるモンスター。
ラオテールとローゼンが相手取る。
一気に間を詰めるツインロードファングウルフ、ラオテールに振り上げた右の爪を振り下ろす。
片手でそれを受け止めるラオテール、その一瞬の制しがツインロードファングウルフの命を刈り取った。
動きが止まった両首の前を残像を残し駆け抜けるローゼン、彼の通った後には血の吹き出しもなく、敵でさえ切られた事に気づけぬ一瞬の刃の一閃。
2つの頭は地面へ落ちる。崩れた体が倒れた後にやっと切られた事を思い出す様に血しぶきをあげる。
3階層、シーサーペント・エンペラードラゴン。
海を滑るドラゴンと言われる海の覇者、水のある場所では無敵を誇り、その巨大な体躯で水を操り海を渡る者の命を奪う。
巨大な湖のフィールド、ドーテの唱えた氷結魔法が姿を現した相手を瞬時に湖全てと共に凍結。
凍った湖を悠々相手へ近づくラドルチェ。
相手に触れれば、錬成陣を浮かべる。
錬成時の失敗を技と引き起こし、膨大な破壊の力に変える。
凍ったシーサーペント・エンペラードラゴンはその達を崩し粉々に粉砕される。
4階層、ロイヤルクイーンアント。
6つの煌めく透ける羽根を持つ女王蟻、無数に召喚される配下と、強力な破壊の力を辺へ撒き散らす光線が脅威。
軍勢を操り敵を足止め、その間に仲間諸共破壊光線で吹き飛ばしに来る無慈悲な女王。
迫り来る軍勢、その前に立つドレッセン。
彼女にとっては気合いを入れる為の咆哮、しかし、それは竜の血脈を持つ竜人にとっての咆哮。
衝撃を伴う咆哮が軍勢を一掃。
腰を落とし、捻りを加えながら打ち出される正拳突き、空気を震わす一撃が衝撃波となり、破壊の光を集めていたロイヤルクイーンアントの胴体部を四肢から切り離し、背後の壁にその痕跡の血痕を残したまま消滅させる。
5階層、キングオブジャイアントサイクロプス
10メートルを超える巨大な肉体、歩く災害と言われるモンスター。
巨大な肉体から繰り出される攻撃は一撃で辺り一体を巨大なクレーターへと変える。
広大な草原フィールド、大事するメルディーとキングオブジャイアントサイクロプス。
大きく振りかぶる巨大な拳を振り下ろそうとする相手、しかし、メルディーの剣が横一閃の1文字を描いた瞬間、空間がズレる。
空間のズレと共に胴を真っ二つに分けられた相手は何が起こったのか分からず、そのまま巨大な体を地響きをたてて地に伏す。
外の世界では現れただけで、国が滅亡を余儀なくされるであろうモンスター達、そんな相手を瞬殺しては彼等は階層を進んでいく。
6階層から8階層では、神話に存在するモンスターがその行く手を阻む。
6階層ではフェンリル。
高速で移動しながらの牙と爪を行使した攻撃、絶対零度の氷属性の範囲攻撃、伝説に違わぬ強さを誇る最強の獣。
相手をするのはラオテール、ドレッセン、ラドルチェの3人。
翻弄するフェンリルの動きに、カウンターで対応しながらダメージを与えるラオテールとドレッセン、目で追うのもやっとのスピードに難なく対処しながら、ヒットアンドアウェイの相手の攻撃に一撃を入れる。
フェンリルも決定的なダメージを避けながらも、隙を伺い攻撃を繰り返す。
蓄積されたダメージにフェンリルが2人から距離をとり、冷気を辺へ立ち込めさせ、辺りが氷の世界へと変貌していく。
それを待っていたかの様に、ラドルチェが広域に錬成を行う。
薄い氷の壁を乱雑に辺へ散りばめ、そこに不完全なミラーハウスを作りあげた。
ラオテールとドレッセンは、気配と映る壁を意識しながらフェンリルの死角を得るために走り回る。
フェンリルは鏡とただ薄いだけの氷に翻弄され、破壊を繰り返すが2人を捉えられない。
目の前に姿を現すドレッセン、其方に気を取られたフェンリルにラオテールが背後から肉薄するが、フェンリルは跳躍しそれを躱す。
だが、待っていたかのように先に上空へ飛んでいたドレッセンの拳、地面へ叩き付けられたフェンリルに、追い討ちのラオテールの爪が襲い掛かる。
そこからは一方的な暴力の蹂躙、1度の隙が2人の猛攻を許し、フェンリルは朽ち果てる。
7階層は炎の鳥フェニックス。
空を自由に飛び回り、炎を纏うその肉体で物理的な突進、上級魔法フレアでの熱炎での爆撃攻撃、不死鳥と呼ばれる程の再生能力が厄介な伝説の鳥。
対するはドーテ、メルディー、ローゼン。
空高く飛ぶフェニックスへのメルディーの無差別次元斬、空間を切り裂き羽羽根吹き飛ばし、胴を切り飛ばし、首を切り落とす。
その都度再生するフェニックスの高度は徐々に降下、為す術なく魔術を発動する間もないフェニックス。
フェニックスが突撃に選択を取るのは必然だが、そこへ巨大な土のドームを、魔法を唱え終えていたドーテが形成。
彼等も上空から好き放題魔法を打たれてはどうしようもない為、それをさせない為の策。
ドームの中に残るのは、フェニックスとローゼン、そして次の瞬間には、神速の動きとドームを使った多角的な起動を得たローゼンの刀が、ドームと共にフェニックスを小間切れに切り裂きその肉体諸共、相手の存在をチリへと化した。
8階層では、エンシェントブラックドラゴン待ち受ける。
巨大な深淵を思わせる漆黒の鱗に身を包む、ドラゴンの頂点と言われる2頭のうちの一体。
絶対的な防御力、破壊の権化と言われる攻撃力、大陸を消滅させた逸話を持つ重力ブレス、他にも闇、重力、消滅魔法等凶悪な魔法をも使いこなす化け物。
別名、破壊の暴君と言われるだけの事はある。
対峙するのはメルディー、ラオテール、ドレッセン。
脳筋パーティーと言える3人。
物理的な攻撃はラオテールがタンク役を引き受け対処、ブレスはメルディーが空間事切り伏せる事で消滅させ、魔法に関してはドレッセン拳からの衝撃波で乱し発動を阻止。
防戦一辺倒での展開が続く。
ドレッセンのモンスターを貫く衝撃波を受けて、よろめく程度しかしない相手だ、ラオテールの爪が通るはずも無い。
頼みの綱のメルディーの次元斬も対処を間違えば、その場を消滅させる強力な重力ブレスで一瞬でお陀仏。
高次元の戦闘になればなる程一撃の勝負になる。
ラオテールが受け止めるドラゴンの前足による踏みつけ、時折開く口から放たれるブレスをメルディーが切り付け、同じ空間属性の力が対消滅、並行思考で展開される魔法陣が浮かべば、ヘイトを取らないように大人しくしているドレッセンからの横やり。
流石のエンシェントブラックドラゴンも痺れを切らしてくる。
尻尾を使った全体へ及ぼす横凪の振り抜き、体を半回転させて繰り出す尻尾の挟撃。
待っていたと言わんばかりにメルディーは後方へ、ドレッセンは空中へ逃げる。
残るラオテールはと言うと、その迫る尻尾を衝撃を真っ向から受け止める。
後ろへ押し流されながらも受けきった彼は、相手の巨大な体を尻尾を抱え持ち上げそのままメルディーの方へ。
剣を上段に構え、ありったけの魔力を込めて構えるメルディー、そこへ向かって迫るエンシェントブラックドラゴン。
一瞬、瞬きをするほんの一瞬でメルディーの剣は風を切り、相手と大地を切り裂く。
地面に出来る巨大な裂け目、2つに分かたれた相手は、その深さの見えない裂け目へと落ちて消えていく。
エンシェントブラックドラゴンの重力ブレス
重力属性に思えますが、重力の圧縮で空間を消滅させる破壊の力を生み出すブレスとして考え空間属性に該当させております。