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最後の連鎖

作者: 少林かごめ

 仕事から開放された私は、家へ向かっている。神社を通りかかっていた時、黒ずくめの女性が何やら険しい表情で白い物体を捨てていくのが見えた。彼女が離れていくのを見送った後、白い物体に近づいてみた。パソコンなようだ。機種は7年弱くらい前って感じがする。他人が捨てたものに特に抵抗を感じなかったため私はそれを持ち帰ってみることにした。最近会社の中でウェブ小説投稿サイトが話題になっている。社員との話を合わせるためウェブ小説投稿サイトに投稿したいと考えていた。執筆の時間を重ねるうちに、いつしか社員との話を合わせるために始めたウェブ小説投稿の存在は私にとって仕事で疲れた心身を癒やしてくれる存在になっていた。朝の7時から電車で通勤して夜の9時に家に帰ってきた後の1時間は執筆の時間と決まったルーティンになっていた。自分が時間をかけて投稿した小説を色々な人に読んでもらえるということがとても嬉しかった。

 しかし、最近執筆に使っているパソコンがおかしいのだ。

夜の9時半くらいから急にパソコンの画面が切り替わり私の住んでいる家の近所が映りだすのだ。その時私はそんなこと私は全然気にしていなかった。ほぼ毎日同じ現象が起きるので少し奇妙だと感じていた。

 その後、私は仕事の残業のせいで9時には家に帰れなかった。スマホの時間を見ると9時29分。

家まで歩いていると突然起こった。9時30分になった途端私のスマホが私の背中を映している。背筋が凍り怖くなった私は一目散に走った。泣きながら走った。未知なるものに恐れていた。家に着いて安心したが、やっぱり怖かったので布団に包まってスマホを見ようとしていた。スマホを開くと...そこには、布団に包まっている私の後ろ姿があったのだ...

 その翌日私は生命の危機を感じたので、パソコンが元々置いてあった神社にお祓いをしてからパソコンを捨てることにした。そして、お祓いに行った。これでもう私に降りかかる奇妙なことは終わったのだ。

 今考えてみれば神社にパソコンを捨てた黒ずくめの女性は私と同じ様な目にあっていたかもしれない。この連鎖は私で最後になって欲しいと心から願う。

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