埋没費用効果・コンコルド効果
ちょっと油断をするととんでもない、恐ろしい地点に飛ばされる。
それがギャンブルの魅力でもあり、恐ろしさでもあります。例えるなれば木に登ったはいいけれど、自分で降りられなくなった猫のように哀れな存在です。いえ、そんな可愛げはないですね、まさしく悲壮の一言。羅列するなら……
・次のBETで降りてくれるかもしれないと、屑の手札で大金を積み上げていくポーカープレイヤー
・〝10万円突っ込んでしまった、取り戻さないと〟と20万を突っ込み〝20万円を……〟〝50万を……〟〝70万を……〟〝100万……もう普通の結果では引き返せない〟と積み積み投資を重ね、手を出してはいけないお金に走る株トレイダー
・リスクとリターンが釣り合わないことなど解りきっているが、これまでつぎ込んだ9万円が返ってくる奇跡を願い10万円目を交換機につぎ込むパチンカー、スロッター
……とまぁ要するに〝これだけ投資したのだから、今更引き返せない〟という心理です。これは〝埋没費用効果〟又は〝コンコルド効果〟という立派な心理学・経済学用語で、それまでの投資を惜しみ、更なる投資をやめられない状態をいいます。
株の世界には〝損切り〟という言葉が有ります。いくら手塩をかけていたものでも、これから損をすると解ったならば切り捨てるという至って簡単な行動なのですが、人間とはそれほど合理的に出来ていません。そして人間には未来予知能力が無いので、破滅を〝感じる〟ことは出来ても、〝確信〟することは出来ないのです。
更に厄介なことにギャンブルには魔物がおります。10に一度……いえ、100に一度、奇跡とは起こるもので、絶望的な状況から起死回生することが御座います。その死地から蘇る甘美とはこの世のものでは御座いません。これを味わってしまえば立派な〝依存症患者〟のできあがりです。
破滅へ向かうと頭では解っていながら、行動が止まらない。それは個人のギャンブラーから、企業的投資、国家単位のプロジェクトまで様々です。
人間、切り上げ時って大切ですね(←結論)