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第5話 兄姉、絵本

母親からの声に同じように返していたら、どうやら言葉を覚え始めたと認識してくれたらしい。

正直喋ってる俺は何て言ってるのかわかっていないのだが、向こうはそんな事はお構い無しなのできっと日本の赤ちゃんもこんな感じなのだろう。

特に一部の言葉はこちらが喋ると大きく喜ぶことから、パパとかママとかそんな意味になるのだろうと予想ができた。


そして、個人的には衝撃の事実発覚。

なんと兄姉がいたようだ。近所の子供でないならば、見える限りだと兄二人姉一人かな?

兄は二人とも見た目小学生程度なので、10歳にならない程度だろう。姉は5歳前後だと思われる。

今まで見当たらなかった理由がよくわからないが、きっと文化的何かで生まれた子供は親にしか会わせないとかそんな感じなのだろう。

もしくは単純に俺に配慮していたとか?まぁ、兄姉がいるのならもしこの先学校等があるのならその内容を見て習うことができるだろうと好意的に受け止めることにする。



ところで、適当に喋りはじめたことで家族たちは本格的に言葉を教えはじめようとしてくれているようだ。

絵本を持ってきてくれて、姉が読み聞かせをしてくれた。

勿論内容なんてひとつもわからないのだが、何度も繰り返し読んでくれたら流石に覚えることができるだろう。

そこから文字や書かれてる絵を指差して適当に言えば、あってたら誉めてくれるだろうし、間違ってたらゆっくり喋って教えてくれるだろう。

こうすれば徐々に文字や言葉を覚えられ、語彙を増やしていけば話せるようになるはずだ。


どうやらこの姉は本が好きなのか、はたまた生まれたばかりの俺が可愛いのか、何度も読み聞かせを続けてくれている。

こちらに意識が向けられたら大げさに喜んで嬉しかったとアピールしたら、きっと仲も良好になるだろうし、また読んでくれるだろうしと良いことの連鎖が起こるので読み聞かせを精一杯楽しむことにしようと思う。



ちなみに、家族の名前はまだ誰一人として聞き取ることは出来ていないのだが、それぞれが自分に指差して何か言っていることがあったのでそう呼んで欲しいという事だろうとはわかった。

きっと日本語で言うところの「にーに」とか「ねーね」みたいな幼児語だろうと想像できたのだが、兄二人よ、同じ呼び名を呼ばせようとしないでくれ。


あと、絵本の内容はわからないが、書かれている絵から察するに、どうやら異世界版シンデレラストーリーのようだ。

少しみすぼらしい少女の絵が、おそらく魔法を使って病気を癒し、最後には教会のようなところで白い服を身に纏い笑っている。

おそらく聖女にでもなったのだろう。それが良いことなのか悪いことなのかわからないが、この絵本から考えるに癒し系の魔法はもし使えるとしても隠さないと面倒になりそうだ。


正直、魔力の扱いには大分慣れたと思う。だが、魔法となると使い方がわからない。

まさか家の中で魔法の実験なんてできるわけもないから、そもそも使えるのかすら判断できないのだ。

まぁ、魔力の扱いから察するに、きっと使えるとは信じているが。

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