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第3話 5ヵ月、離乳食

だいたい4ヵ月程が過ぎた。もう既にものが見えるようになったり、首がすわったりと自分のことながら成長したものだとしみじみ思う。まだ赤子だが。


魔力の方も段々と扱いに慣れてきて、自分でも上達しているのがわかる。

更に、体が少しずつ成長してきたお陰か、魔力に自分の感覚を乗せることもできるようになった。

といっても、まだ魔力で覆っているものの感触がわかり、ほんのりと香りもわかるという程度であるが。


仮にこのまま5感の全てが乗せられるようになればものすごく便利であるため、もう少し修練を積んでいこうと思う。


あと、周りに浮かんでいるまりも等は目では見られないことがわかった。

魔力的感覚では確かにそこにいるはずなのに、何も映らないのだ。

今はまだ喋ることができないのでどうにもしようがないが、言葉を覚えて発声できるようになったら何か話しかけてみようと思う。

なんらかの反応があれば良いが。


それとこの頃、体を少しずつ動かせるようになってきたのか、寝返りがうてるようになった。

だからといって暴走するつもりはないのだが、親はただ寝かせておくこともできないと考えたようで、母親らしき人が自分に意識を向けることが多くなってきたように感じられる。

もしくは、今までも意識していたのをこちらが感付いていなかったという可能性もおおいにあるのだが、そんな事は気にしない。

近くに人がいるということは、上手いこと甘えてアピールすれば自分に色々喋りかけてくれるだろうと思い、少しずつ笑いかけていこう。

自分の子供が笑いながら見てくるのだ、決して放置などしないだろう。

あわよくば絵本の読み聞かせでもしてくれないだろうかと期待しつつ、魔力の扱いを練習しながら親に笑いかける自分がなんとなく滑稽にも思えたが、気にしないことにする。


そして、今まであまり意識していなかったのだが、この家の近くに工事中の家があるようだ。

木を打ち付けるような甲高い音が定期的に聞こえてくる。だが、工事の割にはそのリズムは不定期で、かつ音も大小様々なのが少し気になる。

まるで木をぶつけ合ってるかのように音と音の間隔が変わるのだ。

だが、流石に家の近くでそんな木の打ち合いなんてしないだろうとも思うので、きっと工事なのだと思い込むことにした。


それに今はまだ見ぬ工事か打ち合いよりも、自分の母親に色々言葉を聞き習う方が大事であろう。


___



どうやら母親は食事の時間らしい。料理と思わしき香りはするのだが、体はまだそれを受け入れられるほど成長していないらしく、美味しそうだとは思えなかった。

良い匂いであることは確かなので、成長した時に母親の手料理を楽しみにしておくことにしよう。

そんな事を考えていると、母親がこちらを見ていることに気が付いた。

目があってるようなあってないような感覚なのだが、よくよく見るとどうやら俺の口元を観察しているらしい。

よだれでも垂れていたのかと気になったが、どうやら無意識に口をもごもごさせていたようで、なにやらどろどろとしたものを食べさせてくれる。

これは、おそらく離乳食だろうか?ということは、これからは成長速度が加速するかなぁと期待しつつ、少しだけ食べさせてもらうことにした。

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