第10話 お外、兄達
1日たって今日は堂々と魔法の特訓です。昨日で光の玉に関しては多分意識しなくても使えるんだろうなと思える程度には慣れられたので、他の魔法がどんなのか少し楽しみである。
後、地味に初めての外なので色々情報が得られないかなと期待している。
だが、まずは母親の監視のもと魔法について確認することになった。というのも、姉が何も解説せずに魔法を教えていたのがバレて、また母の説教が始まったからだ。
せっかく実践できるのを楽しみにしていたのに、説教で長々と時間を食われるのは勿体ないと思い、なんとか矛を収めてもらうために今から座学というわけだ。
「えっと、まほーはね、どんなことを起こすのかしっかりとイメージするのが大事なの。何も考えないと何も起こらないし、イメージが甘いと思ったようにできないんだって。例えば、いっぱい魔力を使っても火種しか起こせなかったり、少しの魔力で大きな火の玉ができたりね。だから人によってはイメージを固めるために呪文を唱えたり、まほーの絵を持っていたりするわ。」
「イメージさえできればなんでもできるの?」
「なんでもって訳にはいかないと思うけど、だいたいのことはできるわ。火や水を出したり、土を耕したり、傷をなおすこともできるらしいわよ?」
「そんなにイメージが大事なら、魔力はそんなにいらないの?」
「何かを起こすきっかけと、物によってはそれを保つのにも使うから必要な量はあるみたいよ。でも、人によって違うからなんともいえないんだって。すっごいたくさんの魔力があっても1度か2度位しかまほーを使えない人もいるみたいなの。」
「魔力がなくなったらどうなるの?」
「無くなることはないわ。1度に使いきろうとしても、自然と止めちゃうから自分で使いきることはできないわ。あるとしたら呪われたものとかかしらね?」
「わかったー!ねーね、ありがとう!」
ふむ、要は何をしたいか明確にすることが大切だと。
将来は魔法を使って色々見て回るのも楽しいかもしれないなと思いながら、そろそろ実践がしたいと外に意識を向ける。
「ねーね、ママ、そろそろまほーつかいたい!」
「んー、もう少しちゃんと説明させたいけど...まぁ、まだいいかしら。良いわよ、お外に行きましょう。」
「やったー!」
と、先ほどからカンカン音がなっている方によたよたと走っていく。まだあまりうまく走れないが、少しはできるようになったのだ。これからも練習していこう。
庭につくと兄二人が木の棒を打ち付けあっていた。どうやら木刀の代わりかな?
きっと本人達にしてみたら剣の稽古なのだろうが、俺の目にはチャンバラごっこしてるようにしか見えない。
「ねーね、ママ、おにぃ、何してるの?」
「剣の稽古ね。ヒーゼルにはまだ早いからもう少ししたら始めましょうね。」
どうやら母の頭の中では俺もチャンバラに参加することは決定事項になっているようだ。
なるべくやりたくないなと思いながら姉の方を見ると、どこかから持ってきていた木刀を側に置いてこちらを見ていた。
「私も後でやるけど、今はヒーゼルの練習をしましょう。二人に当てないようにこっちでやりましょうね。」
どうやら姉もチャンバラに参戦するらしい。
もしかしたらここら一帯の必須技能なのか?
曖昧な苦笑いが浮かびそうになるのをこらえて、なるべく兄二人を視界に入れないように姉の方に近寄っていく。
昨日と同じように後ろから抱き締められ、母にみられながら色々な魔法を、姉の後に続くように使っていく。
火を生み出したのを見たら同じように火を出し、水が出たら水を出しと色々やらせてくれるのは少し楽しい。
しばらく色々出して遊んでいたときに、ふと思いついて少し実験してみることにした。
水が出せて、風をふかせて、光を出してみる。
良い感じに水が散らばればきっと自然の力も相まって、と、できた。
「うわぁ、ヒーゼルすごい!キレイ!まんまるの虹だぁ!」
ぎゅっと抱き締められている腕に力が増した。実験が成功したのは喜ばしいが、少し苦しい。まぁ、喜んでもらえて何よりだと思っておこう。
ちなみに兄二人は気がつけば二人ともバテバテで、息をあらげながら倒れていた。勝敗は知らない。




