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#8 帰巣本能

 さて、国家レベルの情報網を特に苦もなく手に入れた僕。

 あらゆる人脈と人員を総動員し、某大国にメスをいれることにした。


 結果出て来る出て来る。近年は甘デジだってこんなに出てこない。

 にしても、やっぱアレだな。あのエリアは秘密の宝庫だわ。フィクションは嘘をつかないし、名作映画は見ておくものだ。『漢の鍛錬はご飯を食べて映画を見て寝るだけで十分』なんて俗説があるけれど、案外マジなんじゃないか?

 

 そして僕が面倒な手順を色々踏んで、諸々の証拠を集めたのは都市伝説系の事実確認の為では勿論無いし、告訴して悪事を白日の下に晒すためでも無い。端的に言えば某大国を恐喝したいが為の行動。


 僕はあちらに帰りたいんだ。僕自身と愛した女、付き従う仲間を僕の王国に連れて帰りたいだけなんだ。


 そして、その時は来た。


 異世界より僕に付き従う戦力に加え、現実世界の人間の中にも僕の傘下に加わりたいという奇特な人間を連れての電撃作戦である。

 ちなみに何故得体の知れない僕に下ったのかと聞いた所、僕に着いていきたいからだと返された。何だよ答えになってないじゃん。変なフェロモンとか出てんのかな?


 日本の大使として海を渡った僕達は暴力と情報を用いて速やかに目的である某エリアを制圧。

 そこで真実を知ることになった。


 実際目にするとなかなか異質な外見で結構ビビるな。

 現地の職員の話ではこの大仰な装置を使うことで異世界へ移動できる様になるらしいが、本当かな? 被検体を使って試しておくのが賢明だろう。


 そして謎ワームホールマシンの原理的で専門的な話に移行したいのだが、そういう仕組やロジック的なことはサッパリ理解出来なかった。波の進み方ってなんだよ、ワープの話か?


なのでこそりと猿でも理解る説明を博士系ワービーストに所望した所、


 ここにあるのは現在地AにあるこのSF機械と目的地Bにある子機を繋ぐと空間を跨いで移動出来る画期的な夢システム。

 現状に当てはめれば親機がココにあり、子機は僕が一番初めに転移した旧マイノリティ部族の集落近くにあるとのこと。


 彼女の大変わかりやすい解説をザックリ掻い摘むと大体こういう感じであるらしい。ワオ、わかりやすい。容易な理解を促す完璧な説明だぜ!


 そのレクチャーの過程でこの装置の雛形は過去に宇宙から齎されたものであることも聞いた。とは言え、流石に宇宙編に行くつもりは無いのでさくっとスピーディーに帰宅の為だけに用いることに決めた。


 何度かマウスで実験した後に設備護衛の為の数人の部下を残して、転移することにした。

 その中でマシンの設定も変えた。起動、使用など全てのアクティビティに僕のバイオメトリックスが必要になった。早い話がサイコミュ的なあれでマシンを管理することになった。


 さあ帰ろう。もう現実世界に来てから五年もの月日が経った。そろそろ理想的な異世界が恋しいよ。

 寂寞のノスタルジーと共に僕達は宇宙より飛来した光の渦に飛び込んだ。

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