#3 理由
我が身可愛さに弱小部族を救うべく立ち上がることになった僕。
経緯なんかはよく分からないが程々に頑張ろう。大丈夫だ、不条理には慣れている。
確かに状況は依然謎だし、イマイチ気が乗らない話だが命には代えられないしやるしかない。
悲しい決意を固める僕の耳に飛び込んで来たのは族長の一言だった。
なんと功績次第では族長の娘の超美人のハーフエルフを嫁にくれるというボーナスが付くらしい。娘の方も何だかまんざらでは無い表情をしている。うわっ、超頑張ろう!
にしても、流石にちょろいわー。ちょろすぎて罠を疑うレベル。でも罠じゃなく正当な真実だった。嘘だろおい、そんなんだから窮地に陥るんだよ。
その後、敵対部族との抗争を現代日本の小学生レベルの知識で撃退した不審者かつ異世界人の僕の地位は著しく向上する。え~嘘だろおいといった感じだが、事実だ。
彼等の名誉の為に詳しくは割愛するが、ダイジェスト的に酷く大雑把に言えばマグネシウムは白色すげえし、ランボーやセガールは役に立つし、台風 is Godって感じだ。
そんでさ、僕と言えばさ。
マイノリティ弱小部族を救った稀代の名軍師、救国の英雄として名前と名声が何故か急速に不可思議に、誰かの宣伝や喧伝でもあったんじゃないかと疑うレベルで世界中の至る所にすごい轟く。
殆どが未開人なのにどうやって?