エピソード2:始まった高校生活そして妹現る
ピピピピピピピッと目覚ましの音がする。
俺は意識がはっきりしないまま目覚ましを止めた。
「ふぁ〜よひ、今日はちゃんと起きられた。」
なんとなく、着替えをしていると、
階段を上ってくる音が聞こえる。
あー、多分…じゃなくて絶対流奈だな。
ガチャッとドアが開かれて入ってきたのは
案の定、流奈だった。
「れーんーくーん!早く起き…ってえぇー!今日はちゃんと起きてる、しかも着替えもしてる!」
「朝から騒がしいなー、俺だって毎日寝坊するわけじゃないんだぞ〜」「だって珍しいじゃん!蓮くんがちゃんと起きて着替えまでしてるなんて!流奈は嬉しいよ」「お前は俺の親か」と笑いながら言った
そんなやり取りをしながら流奈と学校へ向かった。
今日は入学してから2日目だ。
ガラガラァーッと教室の扉を開けた。
最初に声をかけてきたのは、雪歩だった。
「あ、蓮くん、流奈ちゃんおはよー!」
「おう、おはよー」「おはよ!雪歩ちゃん」
「昨日は楽しかったね〜!また行こうね」
まだ、この時期は授業じゃなくてHRが大半だ。
クラス委員を決めたり、学校を見て回ったり、
自己紹介をしたり、まだ楽な方だ。
すると、「蓮おっはよー」と達也が来た。
「おはよー!にしてもお前遅刻ギリギリじゃん」
達也は、苦笑いしながら
「いつもは母さんが起こしてくれるんだけど今日は朝から誰もいなくてよー」「自分で起きろよ」
「仕方ないだろ〜起きれないんだから」
「まったく、達也はダメだな」
そう言ってからかっていると、流奈が来た。
「蓮くんも私か奈々実ちゃんに起こしてもらってるじゃないのー」とニヤニヤしながら言った。
「お、お前何言ってるんだよ〜」ふと視線を感じた嫌な感じをしながら視線の方を見ると、案の定
達也だった。「達也も起こしてもらってるんだ〜〜人のこと言えないね〜笑」流奈め〜余計なこと
言いやがって「蓮くんいつになっても自分で起きれないんだよね〜なんでだろ」と笑いながら言っている。」そんなやり取りを見ていた雪歩が流奈に質問をした。「ねぇねぇ奈々実って誰??」
流奈はなぜか得意げに話し始めた。
「奈々実ちゃんはね、蓮くんの妹さんだよ〜」
「えっー!蓮くん妹いたの?どんな子?」
「よくできた妹だよ」「それだけー?もっと詳しく教えてよー」「めんどくさい」「ケチッ」雪歩のやつ割とマジで落ち込んでるどうしよう。
「じゃあ代わりに私が教えてあげよう!」
流奈だった。流奈は俺の目を見てウィンクをした。
あー、ウィンクの意図が分かってしまった。
今度、遊びに連れてってねって意味だろうな。
そんなこともつゆ知らず雪歩は「教えて!」と目をキラキラさせていた。なんでこの子は俺の妹にそんなに興味を持っているんだろうか。
「奈々実ちゃんはね蓮くんの可愛い妹さんで今は、中学2年生なんだよ。成績も良いし可愛いし学校で人気者なの〜。でも蓮くんにすごく甘えてていわゆるブラコンってやつなのです!」どうだ!と言わんばかりに胸を張っている。さすが幼馴染だな。よく分かってらっしゃる。それを聞いた達也と雪歩は、
少し間を空けてから「蓮ってばそんなできの良い妹いたのか!」「蓮くん羨ましい〜」「そうか?」と言うと達也は「俺男兄弟だから妹とか欲しいんだよね」「私はお姉ちゃんはいるけど下の子ってなんだかいいよね〜」と他愛もないことを話してた。
「まぁ、今度紹介してあげるよ」「ほんと!?約束だよ!絶対会わせてね」と目を輝かせている。
そんなに期待されると俺も照れるな。
そんなこともあって今日の学校は終わった。
4人で話しながら校門に向かっていると門の前に
中学生くらいの女の子が立っていた。
「あの子誰だろー?なんか可愛いね」と達也が
変質者みたいなことを言い出した。それに便乗して雪歩も「ほんとだー!なんか可愛い子がいる!」と言っていた。あー、あれは完全に俺の妹ですね。
はい、なにをやっているんでしょう。
「あっ!おにーちゃん待ってたよ!」と眩しいほどの笑顔で俺に駆け寄ってきた。「どーした?奈々実学校まで来るなんて珍しいな。」「今日はね学校が早く終わったからお兄ちゃんと帰りたくてきたの」「なるほどなー」とやり取りしているとある2人が話に入ってきた。「蓮くん?その子誰??」「俺もめっちゃ気になってた」とグイグイと聞いてくる。
お、おい近すぎだ。そんな時流奈が「奈々実ちゃんヤッホー♪」「あ、流奈お姉ちゃんだ!ヤッホー」と
笑顔で挨拶をした。「あ、あの…その子は一体…」「あ、この子はさっき言ってた蓮くんの妹だよ」
「えっこの子が蓮くん(蓮)の妹さん⁉︎」
なんで、そんなに驚いてるの?そんな会話を聞いていた奈々実が自己紹介をした。
「ども、蓮お兄ちゃんの妹の奈々実です!大事な兄がお世話になってまーす」「お、おい何でわざわざ腕を組むんだよ汗」「いいじゃーんお兄ちゃん成分が足りてないんだよ」とニコニコとさらに絡ませてくる。「相変わらず、仲のいい兄妹だね」
「でしょー?」と奈々実と笑っている。
「あ、私は蓮くんの友達の五十嵐雪歩です。奈々実ちゃんよろしくね」「よろしくです!雪歩さん」
「俺は、木村達也っていいまーす!よろしく」
いちいちカッコつけなくていいから。
「はい、よろしくです木村さん」
「えっ?何で俺だけ名字なの?名前で呼んでいいんだよ?」「いえいえ、大丈夫ですよ♪」と笑顔で
断った。すごいな俺の妹、流石だ。
「じゃあ、今日はこの辺で!また明日ね〜」
と2人と別れた後、流奈と奈々実と3人で家に帰った。家に帰るとすぐ奈々実が「おにーちゃん!」と抱きついてきた!「い、いきなりすぎだ!」と引き剥がそうとするが、奈々実のやつ意外と力がある。
「奈々実!また今度な!今日は疲れたからもう寝るから、ごめんな!」奈々実はムゥ…と頬を膨らませていた。そんな感じで俺の高校生活2日目は終わった。