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ヒーロー?

思いついて書いたので、続くかどうかも分かりません


ただ読もうとしてくれてありがとうございます

「(不幸だ……。)」


路地裏には数人の不良、その不良達に囲まれてビクビクしている女性、そして何かを察知して駆けつけた学生服の俺。その駆けつけた俺に対して助けを求める瞳で見つめてくる女性、何だコイツ、ヒーロー気取りか? とガンを飛ばしてくる不良、不良達を睨み返す俺。状況だけ見れば、不良から女性を助けようとする俺カッコイイ! なんだけど、その毅然とした態度とは裏腹に俺はそんなことを思っていた。


「なんだ兄ちゃん? 俺たちは今からこの人といいことして遊ぶんだよ、邪魔すんじゃねぇ」

「(うわっ……もうなんだよコレ、怖ェー! 睨まないでくれよ! あぁもう、逃げ出してー!) 平日の朝っぱらからこんなことしやがって、豚どもがキモイんだよ 人間様相手するには、顔もオツムも足りてねぇんじゃないのか?」

「んだとコルァ!? っメェ舐めてっとぶっ殺すぞ!」

「(ひぃぃぃぃ!? ごめんなさい許してくださいお願いしますぅうう!) 今のうちに逃げるんだ!」


俺の言葉を聞いて、あくまで囲まれていただけの女性は、俺の挑発で意識が逸れた不良達から一心不乱に逃げ出した。ハッとして女性を追いかけようとした不良達だが、俺が学生鞄を投げ当てて動きを止める。本当はこんなことしたくないのに、勝手に身体が動いてしまうのだ。

ブチ切れた顔で俺を睨んでくる不良。あ、俺死んだな。


「おいお前……ただで済むと思うなよ?」

「(親父、お袋、ゴメンナサイ 俺、先に逝くよ) 御託はいい、こいよ」


怒り狂った不良達が、一斉に襲い掛かってくる。俺の身体は迎え撃とうと身を乗り出す。先頭にいた奴に殴られて、俺は意識が途絶えた。

どれだけの時間が経ったか、痛みによって少しだけ意識が戻った俺は、物音がしないことからもう周りに誰もいないと察した。だけども間違いなくボコボコにされたから身体が起き上がらない。何とかズボンのポケットからスマホを取り出して時間を確認する。完全に遅刻していた。いや、挑発したのにスマホも壊されず、尻の感触から察するに財布も盗られてないのは、運がいい方だろう。

まぁそんなことは置いといて、俺はボソッとため息交じりに呟いた。


「もうこんな体質なんて(ヒーロー体質)懲り懲りだ……」



痛む身体でなんとか学校にたどり着き、教室の扉の前に着く。階段を上る辛さはまさに地獄だった。てかもう二時限目中間の時間じゃないか、鬱になりそう……。怒られるやん。そう思ってるのに身体は痛みを忘れたかのようにシャキっとして扉を開ける。


「すいません、遅れました!」

「遅刻だぞ坂井────ど、どうしたその顔は!? 痣だらけじゃないか!」


遅れてきた俺に対して文句を言いそうなほど不機嫌そうな顔をした教師が、俺を見て叫ぶ。総じてクラスメイトも一斉に俺の事を見て驚く。そんなに酷く殴られていたのか。「坂井君の顔が……」と誰かが言っているような気がするが、とりあえず教師に事実を話す。


「いえ、不良に囲まれていた女性がいたので、ちょっと助けていたんですけど」


普通なら、こんなの下っ手糞な言い訳だと思われるんだろうけど、なぜか俺が言うと教師やクラスメイトはすぐ信じる。それは嬉しいんだが、釈然としない感じがする。


「流石坂井だ そうやって身体を張って人を助けるなんて、普通できないぞ 遅刻の事は免除してやるから、保健室にいってこい」

「先生! 私付き添います!」


クラスの中でも飛びぬけて可愛い子が挙手してそんなことを言い出した。釣られて何人か手を挙げる。その子たちも可愛い子ばかりで、なんかすげぇ嬉しい。


「(まじで!? じゃあ全員一緒に行こう 体支えてくれると最高!) 気持ちは嬉しいけど、皆の授業の邪魔になるし、一人で大丈夫だから でも、気を使ってくれてありがとうね?」


俺は心中とは全く逆な言葉を放ってしまう。なぜだ、なぜなんだ! ニッコリと微笑みながら教室を後にすると、後から黄色い悲鳴が飛んでくる。今からでも遅くないから引き返して、誰か一緒に来てと言うんだ俺よ!

俺は一人で保健室に着いた。もうやだ。


俺のスペックは、それはもう優秀だ。顔はイケメンで間違いない、何度も街で逆ナンされたことがある。成績も優秀で、そこそこ勉強すれば学年5位には入れる。運動神経も良く、よく部活のスケットを頼まれる。そのことからどこかの部活に所属しにくいので、帰宅部である。

そしてこれが一番大事。おそらく俺は生来のヒーロー体質を持ち合わせているのだ。今朝みたいに普通に学校に行こうとすれば、どこかで何かが起きようとしていて、それが悪事なら身体が勝手に、俺の意思を無視して動く。そしてさながらヒーローのような言葉で人を助け出す予定なのだが……なぜか俺には、ヒーローにとって大切な戦う能力が全くなかったのだ。運動神経はいいのに、スポーツはできるのに、ボクシングとか柔道とかできてそこそこ強いのに、なぜかケンカになると死ぬほど弱い。

ここまで完璧なのに、完璧なのに……


あの弟さえいなければ……!

読んでくれてありがとうございます


更新はいつになるか、全く分かりませんが、ほんとにわかりませんが、出来るだけ頑張ります

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