対フリード戦Ⅶ
戦場では盗賊が全滅、最後の戦士も"キラーマンティス"の【スラッシュⅠ】を受けて、倒れていった。
だが同時に複数の魔方陣が現れ、数歩下がったフリードの周りを取り囲むように光を放ち始めた。
その魔方陣の中から"スケルトン"が浮かび上がってくる!
その数、…ひとつ、ふたつ、みっつ…ん?全部で八体しかいない?
最初に見たときの数は、11体だったはずだ。
戦闘中の急な召喚は、そこまでの数の召喚が出来ないのか?
そう考えていた視界の端に、土砂にうもれている三体の"スケルトン"が見えた。
―なるほど、8+3=11ということか。
やはり一度に操れるのは、11体で最大なのは間違いないようだ。
フリードも8体しか召喚出来ない事に驚く顔をしたが、崩落した所を見て、俺のようにカーソルは見えずとも、俺と同じ答えに気づいたようだ。
「ええい!しまった!」
そう言うと、素早く何か印を結ぶような仕草をする。
すると土砂に埋もれていた"スケルトン"のカーソルが消えた。
そのあと追加の召喚をするのかと思ったが、その様子もない。
―つまり召喚は"スケルトン"の数ではなく、召喚の回数に制限があるとみた!
しかも出し惜しみしている所から、召喚の残り回数は少ないはずだ!
よし!勝てるぞ!
俺は一気にモンスター達を"スケルトン"に向かわせ、同時に【スキル】カーソルを押す。
ずらっと表示されたスキル一覧から、今回にうってつけのスキル【エレメントアディション】を選択する!
これはデッキのモンスター達の属性を任意に変更出来るスキルだ。
この『属性』だが、この世界には火・土・風・水の四大属性と光・闇、それと無属性の7つの属性があり、全てのものはどれかひとつの属性に属している。
そしてこれらの属性の中でも四大と呼ばれる火土風水は、水属性は火属性に強く風属性に弱いといった、得手・不得手を有している。
ゲームのデータ的には同レベル・同レアリティであれば、弱点属性には1.2倍のダメージを受け、その反対ならば0.8倍のダメージですむ。
あわせてレベルやレアリティに差があると、更にこの倍率が増減する。
故にレベル・レアリティに差のある今回は、圧倒的に有利になるのだ!
これだけ便利なスキルなのに、何故今まで使わなかったかには理由がある。
それは使用するスキルポイントがデカイのだ。
【パワー&ガードⅢ】を使った、残りのポイントを全部使わなければならないのだ。
また属性の変更もデッキ全体で変わるため、もし途中で別の属性の敵が現れたとき、逆に不利になる可能性がある。
つまりこのスキルは、使いでが難しいところがあるのだ。




