対フリード戦Ⅵ
実を言うと、俺は昨日から徹夜で事にあたっている。
まず誘き寄せる為の焚き火を何ヵ所もおこした。
次にしたのが、全く引っ掛かる事なく終わってしまった、落とし穴の作成だ。
モンスター達にも手伝ってもらい、直径約5m、深さ3mもある大穴(底には凶悪なトゲトケ杭付)を4つも作った。
それ以外にも映画や漫画にあるような、横から丸太が飛んできたり、茂みの中から矢が飛んできたり、といったブービートラップを作ってみようとしたが…
―ありゃ~、プロな人でなけりゃ無理だわ。
よく主人公が、ひとりでいろいろな罠を仕掛けて、敵を翻弄するシーンがあるが、あんなのシロウトでは絶対無理な事が判った。
これに試行錯誤していて、随分時間をくってしまった。
―だって、一度やってみたかったんだヨッ!
さて、最後に仕掛けたのがこの洞窟だ。
最初からこの入口は埋めるつもりでいた。
フリードが逃げ出した場合、この洞窟にはいられると追跡が難しいと思ったからだ。
また万が一、増援が来たらエライ事になるのも考えられた。
この洞窟は緩い傾斜をとりながら、奥へと通っている。
だったら、洞窟の上の地面を崩落させる事が出来れば、一気に埋める事が出来るんじゃね?
ということから、
どうせ崩すのなら、それにヤツら巻き込ませられねぇかな?
というふうに考えたのだ。
そこからがタイヘンだった!
洞窟の中に入り、20m程行った所でその天井部分を削り落としていく。
一気に亀裂が入るよう、モンスター達とあーだこーだと言いあいながら作業を進めた。
途中で、ヤツらがこの洞窟に入らなかったら全く無意味になるなーとか考えて、ちょっと心が折れそうになったが、何とかやり終えた。
最後に地表から、大人の太もも位はある太さの杭を打ち込んでいった。
落とし穴の方もそうたが、これらの作業は俺のべらんめぇなパワーと、疲れ知らずのモンスター達がいたから出来た事だ。
とにかく全てが終わった時は、既に夜が明け始めていた。
さすがの俺も、暫くへたりこんでいた。
だが落とし穴と違って、この作戦は努力が報われた。
崩壊した地面を見てみると、さっきまで"スケルトン"と盗賊三人のカーソルがあったが、今は殆ど消えている。
「殆ど」としたのは、入口跡近くの崩壊した地面に、三体の"スケルトン"のカーソルが消えずにもぞもぞ動いている。
入口近くだったので比較的土砂が少なく、落下の衝撃に耐えれたが、土の中からは抜け出せないようだ。
「おのれっ!よくもやってくれたなっ!」
そう言ってフリードは数歩下がると、呪文を唱え始めた!




