対フリード戦Ⅴ
俺の落下する先には、地中に深々と刺さっている五本の木の杭がある。
その一本に向かって俺は落ちていく。
狙いはドンピシャだ!
そしてその杭のアタマに向かって、落下のスピードを加えたパンチを穿つ!
ビシィ!
杭は地面の中まで全て埋まってしまう。
それと同時に残りの四本の杭に向かって、地面に亀裂が走る!
よっし!これはイケるぜっ!
「なんだお前はっ!」
突然現れた俺にフリードは慌てている。
ハイハイ、アンタも忘れていませんよっ!
"グレイウルフ"×2、"ゴブリンシャーマン"、"キラーマンティス"を一気に呼び出し、先に出していた"アルラウネ""ビーファイター""レッサーデーモン"達とあわせて攻撃を開始する。
「っ!きさまが黒幕かっ!」
「テメーに言われたくねーわ!」
フリードの言葉にツッコミながら、【パワー&ガードⅢ】を選択する。
それとみんな、スキル解禁だ!
ガンガンいったれっ!
俺の号令に答えるようにまず、"アルラウネ"が【パニックボイス】を、"ゴブリンシャーマン"が【ダークネス】を放つ!
「ああっ?」「ひあっ!」
盗賊達は全員バッドステータスにかかり、大混乱に陥った。
その盗賊達に"グレイウルフ"達と"ビーファイター"が襲いかかる。
"キラーマンティス"と"レッサーデーモン"はLv 10の戦士に向かう。
「くそっ!何なんだきさまはっ!
スケルトン、戻ってこい!」
フリードの命令に俺の足下にある、"スケルトン"のカーソルが洞窟の入口へと動き始めた!
―そうはさせるかぁ!
俺は次々に残りの杭を、全力パンチで地面に打ち込んでいく。
そのたびに地面の亀裂が広がっていく。
―四本目ぇ!
ヤベェ、"スケルトン"が入口近くまで戻ってきた!
―最後の五本目ぇ!これでどうだっ!
…くそっ!亀裂はかなり広がったが、まだ足りねぇっ!
だったら、こうだっ!
「おおおっ!!」
俺は雄叫びをあげながら、亀裂の一番大きな地面に拳を打ち込んだ!
ピシィ!
ゴオォォ!
俺のハンマーパンチを受けた地面は、一瞬の間をあけたあと、一斉に陥没し始めた。
ゴオォ! ドガァ!
崩れていく地面の真下には"スケルトン"がいる。そして次々と"スケルトン"のカーソルが消えていく。
「うおっとぉ!」あっぶなかったー!
俺まで崩落に巻き込まれるトコだった!
「なっ!?」
フリードのヤツ、口をアングリあけたまま、固まってしまっている。
よっし!作戦C は成功だ!




