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救出イベントⅣ

「…娘はどうなっている?」

「安心するゴブよ。今朝森で寝てたままの、まだ『つまみ食い』もしてないゴブ。」

そう言って、ゴブリンシャーマンは嫌らしく笑う。


「成る程、それで『商談』か。わかった、褒美に追加の食糧をやろう。

今すぐ娘を連れて来い。」

「何を言ってるゴブか?

あんな旨そうなメスを前に、硬いパンと交換など部下が納得すると思うゴブか?」


フリードは一瞬苛立たしそうな顔をするが、すぐに冷静さを取り戻した。

「良いだろう、望みを言え。」

「ゴホホッ!話が早いゴブ!ではガキを3匹と交換ゴブ。

ガキは筋ばっていないから、旨いゴブね!」


それを聞いて、フリードは怒りを露にする。

「バカが!たかが小娘ひとりに子供を渡す訳がないだろう!

無垢なる魂こそ、アーザン様が最も好まれるものだぞっ!」


ゴブリンシャーマンは小さく舌打ちすると、

「仕方ないゴブね。ではオスを全部よこすゴブっ!オスは必要ないゴブよ?」


「何を言ってる!男もゾンビやフレッシュゴーレムの材料などに必要なのだ!

最初に仕事が終わったら、3人渡す約束だろうっ!あと追加で3人だ!」

「8人ゴブっ!」

「5人だっ!」

「…仕方ないゴブ。それで手をうつゴブ。

ただし!その5人はこの前捕まえたという、冒険者をよこすゴブっ!

あとソイツらの装備も全部よこすゴブ!

これ以上はジョーホ出来ないゴブ!駄目なら、娘はワシらの晩飯にするゴブよ!」


「…チィ、ごうつく共め!わかった。では娘と

同時交換だ。」

「いいゴブよ。メスのいる所まで案内するゴブから、5人と装備品を持ってくるゴブ。」


「…娘は洞窟にいるのではないのか?」

「グシシッ!誰かサンから横取りされないように、別の場所にいるゴブよ!」

「チッ!ゴブリンのくせに、変な所で頭がまわりやがる!」

「グシシッ!」


―とまあ、おわかりかと思うがこの"ゴブリンシャーマン"達は、俺が先程の戦いで得たモンスター達だ。


監督・演出・演技指導は勿論、俺だ!


フリードのヤツもまた、随分気前のいい事だ。

余計な情報まで、向こうからベラベラ喋ってくれた。

またヤツらの優先順位も、子供>女性>男性というのも判った。

ヤツらの本拠地なども知りたいが、なんとか生かして捕らえれば、尋問出来るだろう。


さて、それまでになんとかヤツらの戦力を、削っていくとしよう。



…それにしても"ゴブリンシャーマン"、お前演技上手いなっ!(笑)

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