攻撃命令Ⅰ
「おお!勇ましそうなドラゴンですね~!」
そうでしょう!自慢の相棒です。
「では、このドラゴンに攻撃の命令をしてみましょう~。
あっ、何か目標が要りますね~。」
そういうと彼は、何処からともなく取り出したノートパソコン(やっぱりそのものにしか見えない)のキーボードをたたいた。
…パソコンに、見馴れたリンゴのマークがあるのは、ツッこめということか?
すると500m程前方におそらく、3m位なマトが突然現れた。
ご丁寧に白黒の丸まで書かれている。
「命令ってどうするんですか?」
「ただ心の中で、命じたらいいだけですよ~、アナタとこのドラゴンとは魂のレベルで繋がっていますからね~。」
「魂のレベルですか…。」
その時、少し振り向いた【天輝竜】と目が合った。
その瞬間、全てが理解出来た気がした。
こいつは間違いなく、俺がゲームで一年近くずっと一緒に戦った相棒だ。
理由は判らない。
ただそれは絶対に間違いの無いのは、自信がある。
相棒から、今までの戦いの記憶が、流れてきたような気がした。
―マスター、ご下命を。
うなじのところが、ぞわっときた。
こいつから、言葉にならない意思のようなものが、俺の中に伝わってきた。
…ああそうだな相棒、一発すげえのカマしてやろうぜ!
俺の心の言葉に、【天輝竜】プラチナドラゴンは応えた。
―応っ!