ゴブリン解放
洞窟を抜け出し、最初に待機していた所まで戻った。
捕虜ゴブリンは縛ってあったままだ。
"ミール"さんは少し位置を変え、洞窟の入り口近くの木の上にいた。
あの場所なら洞窟内の戦いが、おおよそ見えただろう。
ホント何がしたいのだろうか?
捕虜ゴブリンの縄を解いてやろうとして、気づいた。
―コイツ寝てやがる…
立って縛られて、おまけに猿轡までされて、よく寝てられるなコイツっ!
意外と大物になるやもしれん。
とにかく頭を小突いて起こし、縄と猿轡を解いてやる。
通訳用にこちらの"ゴブリン"君を呼び出し、戦いが終わってお前のボスを倒した事を伝えた。
「フン、お頭を倒した実力は認めてやるゴブよ。」
あれ?あんまり恨んでないのか?
「強いものが弱いものから全てを奪うのが、ゴブリンの常ゴブよっ!
お頭もそれまでの力しかなかったということゴブ!」
はあ、さいですか。
「しかしワシは、そうはいかないゴブ!
いづれ今日のクツジョクを晴らしてやるゴブよっ!」
そう言いながら、ジリジリと俺達から距離をとろうとする。
「いいゴブか、ワシの名前を覚えておくゴブ!
"ゴッチ"がお前を倒す者の名前ゴブ!」
ゴブリンにライバル認定されてしまった(笑)。
ではライバルの"ゴッチ"君にひとついい事をご教授してやろう。
"ゴブリン"共の残党は、洞窟の奥へ逃げて行った。
ヤツラはレベルが2や3の、ど下ッパばかりだ。
リーダーとなるやつなんかいない。
そんな所に、自分達より強いヤツが来たらどーなるかなー?
確かゴブリンは、強いものが全てなんだろ?
"ゴッチ"君のレベルは6だ。
それを聞くと"ゴッチ"君は、とたんに洞窟の方を見てソワソワしだした(笑)。
約束通り、アンタは解放する。
どこへなりと行きなよ。
「フン、いづれ会う時まで、首を洗って待っていろゴブ!」
そう言うと"ゴッチ"君は、一目散に洞窟に走って行く。
「おいっ、ゴッチ!」
そう言うと俺は、【ハチミツ】をひとつ投げて渡した。
ヤツは乱杭歯をむきだして、【ハチミツ】を受けとると、洞窟の中に入って行った。




