ゴブリン夜襲Ⅲ
「ゴァゴァァーッ!」「グォゥーッ!」
雄叫びを挙げて、真っ直ぐこちらに向かってくる。
速いっ!
"ゴブリン"共の名称とカーソルの真下には、それぞれ"グレイウルフ"のカーソルがある。
"グレイウルフ"に騎乗しているということか!
それって…っ!
考えている暇さえない。
《BATTLE START? YES / NO 》
の表示があっという間に現れる。
「くっ!」
素早くキーをタッチして、【パワー&ガードⅢ】も皆にかける!
幸い先の戦いでは全員、ノーダメージだ。
それに今回も【パニックボイス】を食らわせてやる!
「るー、るー!」
えっ?まだ使えないっ?
慌ている内に、明かりで見える所まで突っ込んで来た!
"グレイウルフ"の背に"ゴブリン"が乗り、手には木製の槍を構えている。
やはり"ゴブリンライダー"だっ!
"ゴブリンライダー"はゲームでは、HN (ハイノーマル)のカードだったが、なぜか今は別々の表示をしている。
数はおそらく7~8騎か?もう正確に数える間も無い。
チラッと見て"ゴブリン"がLv 5~6、"グレイウルフ"が低くLv 1~2に思える。
ってか、俺にも一騎突っ込んで来た!
「ふぉあーっ!」
情けない声がでてしまったが、ちょっとかすった程度だ。
痛みに至っては、殆ど無い。
「るっう~!」
俺に突っ込んで来たヤツは、すかさず"アルラウネ"がぺちっとパンチをくらわす。
「ギャワンッ!」
その"ゴブリンライダー"は数mもぶっ飛び、光と消えた。
…やっぱ、見た目とのギャップがスゴいわー。
回りの方では、全員がかなりダメージを受けている。
"キラーマンティス"が反撃して、もう一騎倒したが、他は反撃を失敗している。
そこでヤツラは一旦俺達から離れ、ひとまとまりになる。
そこで残りの数も判った。残り七騎だ。
もう一度このまま攻撃をくらえば、間違いなくロストするものがでてしまう。
俺はスキル【ヒールオール】を使う。
これは【ヒールⅠ】のような単発の回復ではなく、一度に全員を完全回復出来るスキルだ。
たがこれは、スキルポイントを大量に消費する。
これを使えば、もうカード使いのスキルは打ち止めだ。
だが迷ってる場合じゃない!
一気に全員の防御値がMAXまで戻る。
その間にヤツラは密集形態をとり、突撃体勢整えこちらに突っ込んで来た!




