スターリングシルバー城
お待たせしてすいませんでした!
先日の台風でもうね、大変でした…。
いや、私なんかより、もっともっと大変な人がおられるだろうし…。
被害に遭われた方、ダイヘンかと思います!
お身体に気を付けてください。
バタバタしており、しばらく定期的に投稿出来ないかもしれませんが、できる限り最短で投稿いたします。
どうかよろしくお願いいたします。
みんながんばろー!
「でっかっ?!
お城、でっかっ!」
たっぷり数時間をかけ、なおかつ俺の精神をゴリゴリ削ってパレードを通り終えたあと。
ヤットコサ、央都エルトリアの中心たる、スターリングシルバー城に到着いたしましたよ。
―で、着いて一番最初の感想がコレでございます。
もうね、首が痛くなるほど見上げないと、テッペンの塔が見えません。
広さもどんだけあんだよ、東京ドーム何個ぶんあんだよ、これ。
スターリングシルバー城は、所謂地球でもお馴染みの西洋風な形状をしておりました。
先が尖った尖塔が、何本も建ち並んでおります。
しかしその規模が桁違いというか…。
千葉県にあるのに、なぜか東京が名前の冠に付いている、某、巨大アミューズメントパーク(著作権的表現)にあるシンボル城なんかメじゃないです。
パレード中も、はるか向こうにあったはずなのに、最初からヒジョーによく見えてましたよ。
いったい高さと広さ、どんだけあんだコレ?
これ、最上階まで階段で登んの?
ちょっとした登山レベルですよ?
え?
最新の魔力で動く階段がある?
…魔力エスカレーターかよ。
しかも姫路城もハダシで逃げていく、全て鏡のようにツルツルで真っ白な壁で出来ているんですよ(注:姫路城は白鷺城と呼ばれるくらい、真っ白で綺麗な城なのだ!)。
たしか『スターリングシルバー』って、『キラキラのピッカピカ』みたいな意味だったよね?
このお城は近年に建て替えられたんだそうで、俺のゲーム知識にはもちろん無いのだが…。
これ、わずか1年で建て替えたそうです。
はああー、いやーこの世界の技術力を中世レベルと認識してんだけど、転移ゲートといい、時々、現代地球にも及ばない技術があるよね。
魔法ってスゴすぎです。
―さてそんなこんなで、そのスターリングシルバー城の中にパーミル公爵の案内で入ってきた訳ですが、…もちろんコレだけの規模のお城です、中身もスゴすぎです!
天井たけーし!
柱はぶっといし!
装飾がなんだかよく判らんが、めっさ綺麗だし!
廊下、むっちゃ広ーし長ーし!向こうの果てが見えねーし!
つか廊下に小型の馬車みたいなの走っとるし!
…いや、すんまへん。
自分の語彙力の無さが情けねーすわ。
兎に角、スターリングシルバー城は、俺が地球で見た(映像で観たのも含めて)どんなお城よりトンデモレベルで規模が違ってました。
ミールと二人して口をぽけーと開け、周囲をキョロキョロしながら案内してもらってましたわ。
カンペキにおのぼりさんです。
あ、因みにセレアルとエトワ、それにキエラはそれほど驚いてません。
セレアルとエトワは何度か参城した事があるそうで、キエラに至ってはもっと(天界で)トンデモな建物に行った事があるそうです…。
うん、この城を見ちゃったら、浮かんだ岩を城にしているウチのパーミル城なんぞ大したことねーわ。
つかやはり、パーミルって田舎だったんだねー。
「あっはっはっ。
たしかにパーミルは辺境だが、公爵領としては抜群に栄えているんだよ?
…それにこれから、もっともっと繁栄していくはずだよ!」
―おおう。
パーミル公爵さん、なんだか若返って、ヤル気みなぎってらっしゃる?
「うむうむ。
という訳だから、セレアルに位を譲るのは、もう少し後にするつもりだ。
それ故、君はまだまだ自由にしていていいんだからねー?」
えっと、それどういう意味なんすかねー?
…あ、いや、なんだが墓穴を掘りそうなんで、答えなくていいデスヨ。
「おおっ!勇者殿、お待ちしておりましたぞ!」
ここで太った身体を揺らしながら、コムサ侯爵…とパーミル公爵の腹心2号こと、ジェファーソンのおっさんが俺達を見つけ、駆け寄って来た。
「勇者殿。
この度は我がコムサの窮地を救って頂き、なんとお礼を言ってよいやら。
事態が落ち着きましたら、是非、盛大にもてなさせて頂きますぞ!」
「い、いや、お構い無く!」
コムサ侯がおもいっきし頭を下げて礼を言ってきたあと、ツツツーと寄って"もてなす"のトコだけ俺に聞こえるように言ってきた。
いやソレ、ぜってーあの肉食系お姫様らによる『おもてなし』やろ。
そんなん、怖すぎて遠慮させてもらいます!
そしてコムサ侯の後ろからジェファーソンのおっさんがやって来た。
…えーと、なんだかお疲れ?
「お前ーのせいだろがっ!
ハアー…お前さあ、おれ、言ったよな?
『おれが居ない間に、変なこと起こすなよ』って!」
変なことって、魔薬施設攻略の事っすか?
いやいや、毎度ですけど、俺が原因じゃないよねっ?!
それに、コトを放っておいたら、もっとややこしい事になってたよねっ?
「くっ…、確かにそうなんだけどな…。
なんかお前がらみだと、納得できねーんだよ!」
―ソレ、完全ないいがかりですうっ?!
つか、おっさんこそ別れ際に、『何も問題起こすなよ』なんてリアルフラグ、おっ立ててるやんけっ!
「まあまあ。その辺りにして。
実際、君の活躍でずいぶんと助かったんだよ。」
「そうですぞ!
まさかパデルボルンめ、あの様な卑劣な罠を隠していたとは。
どうりで追い詰められているには、余裕を見せていたはずでしたわい。
流石の我が諜報部隊も、あんな所で魔薬を作っておったとは掴みきれていませんでした!」
―あれ?
コムサ侯爵の言い方だと、パデルボルンが魔薬製造をしていたと、事前に知っていたみたいに聞こえるけど…?
「おお、よく気付かれましたな!
ええ、実は私やパーミル公はパデルボルンが魔薬に大きく関与していると、ある程度は掴んではおったのです。」
「まあ、まさかパデルボルンが製造の大元で、さらに例の混沌神の一団まで関わっていたとは、当初は思ってもいなかったんだがねー。」
パーミル公爵、肩をすくめて、どこかの米国人みたいなポーズをとってられてます。
若返ってそのポーズが、みょーにサマになっとるし。
―これは後で聞いた話なのだが、パデルボルンを擁護する者が、公爵らの予想を越えてかなりいたらしい。
表立っては口にしない、潜在的な者も含めるとケッコウな数だったんだそうだ。
そこへきて、『信頼できる筋からの情報で、コムサ侯爵が例の魔薬の大元らしい』ってな噂が、どこからともなく人々の口にのぼりだした。
それから『コムサ侯爵子飼いの男爵領に製造施設があるらしい。』、『パデルボルン侯は、濡れ衣を着せられている。』、『逆にパデルボルン侯爵が確たる証拠を掴んだ!』と次々に噂が飛び交いだした。
ここにきて、当初はパデルボルンを糾弾する貴族会議が、いつの間にかパデルボルンがコムサ侯爵を問い詰める事態がおこり始めた。
コムサ侯爵とパーミル公爵、最大のぴーんち!
……と、この辺までが、俺が央都に来る直前までの話。
それが、俺達が持ってきたパデルボルンの数々の悪事を記したテンコモリの品&部下であったダークエルフ達(←イシスさん達のことね)の証言、それに"調剤師"メーベランの捕縛といった、言い逃れできないレベルの証拠によって、パデルボルンの立場は完全に逆転してしまった訳ですよ。
あ、あと若返りの【レインボータートルの肉】の件も、じみーに効いております。
―という訳で、パデルボルン侯爵は現在、完全に詰み状態なんだそうです。
パーミル公爵いわく、パデルボルン擁護派に王族がいたらしい。
どうやらその人、魔薬によって操られている可能性があるそうでして…。
でなけりゃ、タヌキ公爵とまで呼ばれたパーミル公が、ここまで追い詰められる事も無かったそうです。
「まあこれで、あ奴もおしまいですな。
あとは五王家が、どの様な沙汰を下さられるか待つばかりだ!」
―あ、コムサ侯、その台詞はアカン流れの様な…。
「侯爵様っ!」
「ん?どうした?」
「じ、実は…。」
俺がいやーな予感を感じている時、申し合わせたように、焦った顔をしたコムサ侯の臣下らしき人がやってきた。
そして侯爵に、何やらゴショゴショ耳打ちされている。
「…なっ?!
パデルボルンが出奔しただとうっ?!」
【出奔】しゅっぽん
《名・ス自》逃げ出してあとをくらますこと。
―ほらあああああっ!
いつも読んで頂いてありがとうございます!
"最強のおっさん"さん、今回もチェックありがとうございました!
今回の投稿と一緒に修正しておきます。
また見付けて下さったら、教えて下さい!
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