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アーザンズスポーンメディカ戦Ⅱ

お待たせ致しました!

…えーと、『この施設攻略だけで、一月以上かかってね?』とのご指摘を頂きました。


…はい!長々とすんません!


どうやら私は油断しとると、話が延びてしまうようでして(←いまさら気付いたんかいっ!)。

もう少しテンポよく、行きたいとおもいます!


ご指摘、ありがとうございました!


あ、このアーザンズスポーンメディカ戦は、次回で終ります。

でしましたら、飽きずにいて頂けるとうれしいです!

最初、マッドサイエンティストでもおマヌケな奴って思って、少し油断していましたが、メーベランってヤツはけっこう非道なヤツでした。

考えてみたら例のアーザン一派(そういや、奴らの名前も判ってないんだよな)のひとりみたいなんだし、マトモではないのは当たり前か。


―でヤツが何をしたかというと、仲間であるはすのパデルボルンのデブちょ3人を"アーザンズスポーンメディカ"の生贄(いけにえ)に使ったのだ!

『…ダークエルフ共が使えないなら、仕方ありませんねぇ。魔樹よ、この者達を喰らいなさいぃ。』って言って、"アーザンズスポーンメディカ"の方へ蹴り飛ばした。


その瞬間、"アーザンズスポーンメディカ"の枝が素早く動きだして3人を貫き、悲鳴をあげる間も無く幹の頂点部分へ持ち上げてしまった。

幹の頂点部分にヤツの"口"があったみたいで、…うん、まあバリバリボリボリとね。

それ以上の表現は止しておこう。

あまり想像はしない方が良い、グロい意味でR指定してください。


―くそっ!油断しすぎだろ、俺!


「皆、突撃ですっ!

ヤツが何かをする前に倒しますッ!」


「「「―っ!おおっ!!」」」


俺も含めた皆さんがメーベランのキャラに油断していて、奴への対応が遅れてしまった。

それにいち早く立ち直ったのがイシスさんだった。


(みずか)ら先頭におどり出て、"アーザンズスポーンメディカ"に斬りつけていく。

それにダークエルフさん達も、立ち直って各々の攻撃を始める。


―ガキィィン!


「くそっ!なんて堅さだっ!」


「剣が弾かれるだとっ?」


だがダークエルフさんの持つ、剣や斧が"アーザンズスポーンメディカ"の幹に刃を打ち付けるが、まるで金属の塊に斬りつけた様な音をたてて殆ど傷がつかない。

矢による攻撃も、ことごとく弾かれてしまっている。


「ならば精霊による攻撃だっ!

ゆけっ!ファイアリザード!」


業を煮やしたひとりのダークエルフさんが、剣がダメなら魔法攻撃でと火精霊の"ファイアリザード"を召喚し火炎を吐かせようとする。


―ギギギ…ザザッ、ドシュッ!


しかし、"ファイアリザード"が現れた途端、今までダークエルフ達に攻撃されてもピクリとも動かなかった"アーザンズスポーンメディカ"が急に動きだした!

幹から新たな枝を次々に伸ばしだし、それを槍の如く"ファイアリザード"に突き立てる!


「なっ?!私のファイアリザードがっ?」


「こいつ!精霊まで喰らうというのかっ!」


なんと"ファイアリザード"まで補食してしまった!


「クフフフゥー!

さあ、魔樹よぉ!お前の(ちから)を見せつけてやるのだぁー!」


いつの間にか、"アーザンズスポーンメディカ"の向う側に逃げていたメーベランが、どこぞの悪の幹部みたいにぶぁさぁー!と白衣を(ひるがえ)しながら吠える。

すると魔樹に()っていた"実"が急激に膨らんでいく。


「シギャッー!」


1m以上に成長した実の中から(おのれ)のカギ爪で実を引き裂いて、小型のドラゴンと鳥のあいの子みたいな真っ黒なヤツが飛び出してきた!

…つか、俺はアレが何だか知ってますよ!


ケイオストルーパー R Lv 23

(精霊族/闇属性/cost 31)

AT:14,220/14,220

DT:12,020/12,020

【カオスクローⅠ】【強打/天使族】


「ンギッー!」「ギィーギッ!」


「な、なんだコイツはっ?!」


「うわっ?!素早いぞっ!」


恐らく初めてみるモンスターに、慌てるダークエルフさん達。

ソイツらが次々に"アーザンズスポーンメディカ"の実から飛び出して、ダークエルフさん達に襲いかかってきた。


「コイツは混沌神の尖兵(せんぺい)の一種です!

爪に注意してください!

抵抗に失敗すると、様々な状態異常になります!」


―このモンスターは、ゲームで混沌神絡みのイベントでちょくちょく出てきたので見知っているのだ。

特に回避力と爪攻撃のスキル、【カオスクローⅠ】は様々な状態異常を引き起こす厄介(やっかい)な敵だ。

しかも今回は、レベルも23とかなり高い。


ただ、今回の"ケイオストルーパー"は、三段階にアップする【カオスクロー】がまだ初段階の『Ⅰ』なようだ。

『Ⅰ』段階では沈黙、毒に盲目、それに最悪でも麻痺で済むはずだ。


「あのボス…じゃない、魔樹は俺が相手します!

皆さんはコイツらの相手を!」


「わ、わかりました!

皆、円陣を組み、死角を無くせ!」


「「「はっ!」」」


俺の指示に素早く立ち直って、数人で互いの背後を守る陣形を組んでいくダークエルフさん達。

かなり精鋭の人達のようで、さすがですよ。


―では、改めてボス戦にいくぜっ!


しっかり"アーザンズスポーンメディカ"の頭上に、残りDT値を示すバーが現れている。


「るー、きゅー、みー子!それに"アントクィーン"!」


対混沌カードモンスター達3体に続き、いつものチミっ娘3人組と"アントクィーン"を呼び出す!


「"アーザンズスポーンメディカ"の枝攻撃は意外と素早そうだ。

捕まらないように、各自気をつけろ!

"アントクィーン"は【蟻兵召喚】を!」


「るるー!」「みっみっー!」「きゅっー!」


()ずは素早さに秀でたきゅー子、"フェンサースプライト"の 【ダブルスラスト】だっ!


「ききゅぅっー!」


―ヂィィンッ!


げっ?!堅てぇっ!

AT値が万越えのHR(ハイレア)カードモンスターの、しかもMaxレベルまで上げたスキル攻撃で、バーの目盛がチビッとしか減っていない。

こりゃ1%も削れてなくね?


「みみみっー!」「るうぅー!」


―ゴッ!ドウゥッ!


みー子の【フラッシュボール】、るー子の【ブリザードⅡ】でやっと数%か。

やや魔法系攻撃の方がダメージ高いけど、大して変わらんな。


だがっ…!


大型ネコ科の様なモンスターが2体、"アーザンズスポーンメディカ"に左右からおどりかかる。

そして翼のように肩から生えた鎌状のもので、"アーザンズスポーンメディカ"の幹に斬りつけた!


―ブシャー!


斬りつけられると幹から…うっわ、なぜだか血液みたいな真っ赤な体液が、まるで噴水のように噴き出した。

見た目もそうだが、ダメージを受けた時の反応までグロいというか、悪趣味やわー。


お、ダメージ量は…、よし!今度は1割近く削れた!


言うまでもなく、この2体は"ニュートラルビースト"君です。

対混沌勢要員として、育ててきて正解だったな。

見た目は綺麗な灰銀色の毛皮をした猛獣たが、耳の先だけクルクルと螺旋(らせん)を巻いているのがプリティーだし。


アーンドもう1体!


半透明で薄く輝く馬が、その(ひたい)に持つ水晶に(ちから)を貯めている。

そして力が満ちると、やにわに高く(いなな)く!


「ヒヒィーン!」


―ヴオゥッ!


角から半円を描いて波動が拡がる。

それを受けた"アーザンズスポーンメディカ"が軋み、枝がボキボキと折れて表皮がボロボロと崩れる。

おまけにその余波を受けた"ケイオストルーパー"が数体、一瞬で灰になった。


「「「おおっ!!」」」


"ケイオスルーパー"の素早さに、苦戦していたダークエルフさん達から歓声があがる。


"クリスタルホース"の対混沌スキル、【ノーマリゼーションⅡ】である!

効果範囲にある不自然な存在、つまり混沌なるものを滅するスキルだ。


この波動を受け抵抗に失敗した混沌系のモンスターは、一撃でDT値がゼロになるのだ。

また抵抗に成功しても大ダメージを受ける。

"ケイオストルーパー"が灰になったのは、抵抗に失敗したからである。


で、肝心の"アーザンズスポーンメディカ"は、…よっしゃっ!この一撃だけで20%はイケたじゃない!

やはり特攻モンスターは違うね!


これなら、こいつをバシバシ当てれば、わりと簡単に倒せ…え?

一発のスキルポイント使用量がデカイ?それにスキルレベルもまだ低くて、あと一発しか撃てない―ですか…。

くそー、もっとレベル上げときゃよかったー!


「ク、クフフゥー!

な、なかなかヤルではないですかぁ。

しかし師匠が生み出したコヤツは、こんなモノではないのだぁー!

さあ魔樹よぉ、奴らに絶望をぉー!」


「なっ?!」


メーベランが吠えると、"アーザンズスポーンメディカ"が少し身震いしたように見えた。

それから"ニュートラルビースト"に傷付けられた箇所から、ブクブクと泡が吹き出て瞬時に固まり、傷を(ふさ)いでしまった。

しかも固まった所は、さらに分厚い表皮になってしまっている。


「さらにぃー!」


「あっ!

ま、また実がっ!」


そう、"ケイオストルーパー"を産み出したあの"実"が、また枝に次々と()り始めだしやがった!


「まずいっ!

あの実を集中して狙えっ!」


「るっー!」


「クフフゥークフー!

無駄無駄ムダァッー!」


くそっ!カードモンスターやダークエルフさん達が落とすのより、実が生っていく方が多いっ?!

しかも落とした先から、またそこから実がつき始めだしている!


「シギッー!」「ギャッギャッ!」「シギャッー!」


「ああ…な、なんて数だ…。」


ダークエルフさんのひとりが、絶望的な声をあげたのが聞こえた。

実際、"アーザンズスポーンメディカ"の周囲を、まるでウンカの(ごと)く"ケイオストルーパー"が飛び()っている。


アレがいっせいにこちらに来たら、俺たちはともかく、ダークエルフさん達にはかなりの人死が出てしまうな…。


―なら、ここは切り札を出すべきだな!


『切り札1号』のアレ…いや、もうこんな言い方でなくていいか、―"クリスタルドラゴン"はこんなザコを一掃するには相性が悪いかなー。


ならやはりここは『切り札2号』ですね!


都合のいいことに、"アントクィーン"の【蟻兵召喚】で出した"アントソルジャー"が倒された。

でわ、これを召喚キーにして呼び出しましょう!

おいでませ!


「キャラクターカード召喚!

【バトルダークエルフメイド・イシス】ッ!!」

ご指摘つながりで、もう1件。

『ゴラルのじーさんは、伯爵?侯爵?』とのご指摘を頂きました!

答:伯爵

です!


これまたすんません!所々間違えてます!


この世界では、王家→侯爵→公爵→伯爵→子爵→男爵→士爵

となっております。


ゴラルのじーさんは、公爵のひとつ下でパーミル公爵からだと一応目下の伯爵ですが、公爵自身は(領地の規模からみても)ほぼ同格、同士の様に接しています。



いつも読んで頂いてありがとうございます!


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