表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
461/495

魔薬施設攻略Ⅲ

投稿、遅れてしましました。

お待たせ致しました!

「貴様ぁっ!

我らが主人、パデルボルン様を(おとし)め、あまつさえ我ら一族の者まで怪しげな手管(てくだ)でたぶらかすかっ!」


「あー…、えーと無駄だと思うけど、一応、聞いてみますが、自分達が魔薬で操られてるとか考えたりは…」


「なにをバカな事をっ!」


「ですよねー…。」


俺たちの前方、約50mむこうにある丸太で作られた防柵に、イシスさんのお父さん、イスマイールさんが仁王立ちしてらっしゃいます。

でもってムッチャ怒ってらっしゃいます。


まあ無理もないよね。


イスマイールさんからみれば、配下のダークエルフさん達の約半数、80名程のダークエルフさん達が、急に敵対しちゃったんだもんねー。


「ジャハダハール、お前ほどの者が情けないっ!

我が一族を束ねる、副長たるお前が容易(たやす)くたぶらかされるとはっ!」


「…族長……。」


「我らは一族を導く者として、常に気を引き締めておらねばならんのだ!

それをお前という奴は、怪しげな魔法に簡単に魅了されおって…つくづく情けないっ!

私ならその様な(いや)しい魔法、パデルボルンへの忠義の想いで、決して掛かることは無いぞっ!」


「ぞ、ぞくちょおー、そ、そこまでにして下さいぃー!」


イスマイールさん、それ以上言わない方が…。

正気に戻ったとき、それ全部自分に返ってきちゃいますから(笑)!


横にいる当のジャハダハールさんも、なんともいえない顔をなさってらっしゃいます。

具体的にはこんな感じ。→(´д`|||)


いやイスマイールさんは、真面目に檄オコなんだが。

でも魔薬の洗脳が解けた後の彼の結果が予想できる俺としては、喜劇にしか見えんのよ。


ジャハダハールさんも、頑張ってくれたのにねー。

まあその頑張りのせいで、今の状況になっているのだが。

ジャハダハールさんは、『敵の増援が現れ、仲間がピンチ!』というウソ情報をもってイスマイールさんに報告。

そのピンチっぷりを、ジャハダハールさん、頑張って迫真の演技で伝えてくれたようです。


その結果、50人に近い人数を俺たちの所へ誘い出してくれたのだ。

その彼らを【ヒールオール】で正気に戻し、全員で魔薬施設にやって来たってのが現状でございます。


「皆の者!

元は仲間であったとしても、情けをかけるな!

ここで我らが倒れれば、パデルボルン様が窮地(きゅうち)に立たされるぞっ!」


「「「おおっ!」」」


イスマイールさんの(げき)が飛んだあと、魔薬施設にいたダークエルフさん達が次々に精霊を召喚し始める。

同時に弓が射られ、矢が雨あられと飛んできた。


「反撃は不要だ!

全員、回避ーっ!」


それに対してこちらのダークエルフさん達に、かねてからの打合せ通り、ジャハダハールさんは専守防衛の指示をだす。

魔薬施設から一定離れれば、周りは森なので木々を盾にできる。

こちら側のダークエルフさん達も精霊を召喚するが、守りの精霊魔法などを中心にして攻撃はしないでおく。


「魔物使いの似非(えせ)勇者よ!

どうせ貴様の魔物による魅了(チャーム)か何かであろう。

なら貴様を倒せば、魅了は()けるはず!

―精霊使いはあの男を集中せよ!

あとは他の者を牽制(けんせい)するのだ!」


イスマイールさんは、どうやら俺がモンスターの(ちから)で魅了させていると考えたようだ。

イスマイールさんの命令通り、ダークエルフさん達が召喚した精霊モンスターは俺を狙って向かいだしてくる。


そしてイスマイールさん自身も、召喚の呪文らしき言葉を唱え始めた。


「『我は喚ぶ。

我が親しき隣人、我が頼もしき守護者よ。

顕現(けんげん)せよ!【ストームエレメント】ッ!』」


さすがダークエルフ一族の(おさ)であるイスマイールさんだ。

風精霊のなかでも、高位の"ストームエレメント"を召喚できるのか!


イスマイールさんが立つ防柵の丸太の前に、数mの高さになる大きな竜巻が出現する。

竜巻は一際(ひときわ)風力を強めたあと、弾けるように強風を周囲に撒き散らして消えた。


そして竜巻が消えた場所には、半透明のツルッパゲな人の姿があった。

その者の下半身は、先程の竜巻を小さくした様な風が渦巻いていた。


ストームエレメント HR Lv 21

(精霊族/風属性/cost 40)

AT:16,500/16,500

DT:16,500/16,500

【風精霊魔法/中級】【無効/風属性攻撃】【吸収/風精霊魔法】


しかもレベルが21か。

なかなか強力じゃないですか。

これは倒しがいがありますね!


「ジャハダハールさん達は俺たちから離れて!

ダークエルフさん達の指揮はお任せします!」

「は!承知いたしました!」


"ストームエレメント"の風精霊魔法は、範囲攻撃があるからね。

イスマイールが言う通りなら、俺を狙ってくるはずだから、近くにいると魔法に巻き込まれる可能性がある。


―さて、俺も()ずは敵対する精霊の数を減らさせてもらおうか!


(いで)よっ!

"デスロード"、"スケルトンオーバーナイト"、"ハイワイト"、"スクリームスペクター"、"スケルトンナイト"」


「むははー!

今回はワイ押しっつーことやな!

ほな特にスペクターは頑張らなあかんでー!」


「一応訊くけど、なんで"スクリームスペクター"?」


「"リスペクト(ター)"ちゅうことで…。」


「ツッコミづれーわ…。」


"デスロード"のEX(エクストラ)スキル【死の王】は、同デッキにいる不死族のステータスを常時アップさせるスキルだ。

―なので、今回は不死族でデッキを固めてみたんだが、幸先(さいさき)はいい気がしない。


()(かく)、"ストームエレメント"を先ずは集中攻撃だ!


"ハイワイト"の水魔法、【アイスジャベリン】

"スケルトンナイト"の【ダークスラッシュⅠ】

"スケルトンオーバーナイト"の【ダークスラッシュⅡ】

"デスロード"の【ダークスラッシュⅢ】


これらの攻撃で、"ストームエレメント"は一撃で倒れ…


―ゴゴウゥッ!


「なっ?!うおおっ?」


"ストームエレメント"の方が早かった!

ヤツの放った風精霊魔法/中級の【暴風の舞】が俺たちを囲い、鎌鼬(かまいたち)状の風が範囲内の全てを切り刻む!

…ちゅーか痛いっ!


「よおも、やってクサらしたな!

こいつを食らわんかいっ!」


―ズバァッ! ドシュゥッ!ザンッ!

―ウオオオォォォ……


(ぱく)遅れてこっちのカードモンスター達が、集中攻撃で今度こそ"ストームエレメント"を倒しきった。


「くっ…、流石は(うわさ)の魔物使いだ。

情報より、強力な魔物を使役(しえき)する…。

だがっ!まだまだ終わらんよ!

―来たれっ【ストームエレメント】ッ!」


うおおっ?

このおっさん、まだ召喚できんのかよ!


こ、これは思ってたより、キビしい戦いになるか…。

いつも読んで頂いてありがとうございます!


もし面白いと思って頂けたら、下の『勝手にランキング』をポチっとお願い致します!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ