ダークエルフ救出!Ⅰ
いつも稚拙な文章を読んで頂きまして、ありがとうございます。
少し前に『侯爵家の子供なのに"王子"扱い?貴族のボンボンでいいんじゃね?』という、ご意見を頂きました。
実はこれには設定がありまして。
五央国という国は、伯爵家以上はひとつの国家として(又は自治領として)扱い、五央国というのはそういった国の連合体という仕組みになっております。
転移ゲートの存在やモンスターが跋扈する事がその原因なのですが…。
どっかで説明を入れたいなあーと考えていたですけどね…。
はい!行き当たりばったりな構成で後廻しになって、ここまで来てしまいました…。
申し訳ありません!
後々、改めてこの国の連合体の仕組みを説明したいと思っています。
とりあえずギモンになっておられる方へご報告させて頂きました。
これからも気になったことがありましたら、ビシバシご意見お願い致します。
ありがとうございました!
―とまあ、複数の美少女達にまみれて眠るという、こんなラノベみたいなシチュエーションの奴なんか転生前の俺なら『バルス!』とか叫んでいただろう。
でも実際にそんな事態に遭遇しちゃうとねー?
いや、いきなりオオカミになって皆に襲いかかるとか、無理、無理ぃっすよ!
4人の内、誰かひとりとモニュモニュしている間に、残りの3人はどうすんの?…とかね。
いやもう想像すらできまへんわ。
…でもじゃあ例えば、ミールだけと同じベッドて寝るようなシチュに陥ったら。
…うん、そん時はヤバい。
自分を抑えられるか自信ないなー。
やはり同室で寝るとかという事態は、なるべく回避する方向でいこう。
ただ今回の事で、コムサ侯爵領のお姫様達からの過度のアピールは無くなりました。
朝、俺が目の下にクマをつくり、逆にセレアル達女性陣がニコニコ、ツヤツヤの顔で朝食に出てきたもんですからね、コムサ侯爵がナニか勘違いをしたようですわ。
『いやあ、昨日は不粋なことをしてしまったようですな。
変な気を回してしまいましたが、考えてみれば4人も美しい未来の奥方がおられるのですから、"そちら"の方は充分でしょう。
いやはや羨ましいかぎりです。
さすがは"英雄、色を好む"ですな!』
朝食後に俺とコムサ侯と二人だけになった時、このおっさん、"昨夜はお楽しみだったようですな、ぐへへー"とばかりのエロオヤジ顔をしながらイロイロと言ってきやがりました。
『…(コソっと)まあ、今の奥方達に飽きてきましたら、いつでもお声をかけて下さいよ。
うちには床上手な美姫がたんとおりますゆえ!』
コムサ侯って、侯爵という貴族としては王族に次ぐ地位にあるし、しかも俺よりはるかに年上のくせに妙に腰が低いんだよね。
おそらく、貴族というより根っからの商人なんだろう。
少なくとも俺との間に利があるうちは、このスタンスでいるんじゃないかな。
逆に言えば、このおっさんが距離を置いたり、他の方を優遇するようになったら要注意だろう。
その点ではいいバロメーターになるよな。
…まあこのおっさんの言う、ヨメ関係の話は聞かなかったことにしておこう。
兎にも角にも、コムサ侯が勘違いしてくれたお陰か、今朝からはお姫様連中の猛アピールがパタリとやみました。
やはり侯爵がお姫様連中をけしかけてたんだろうね、これ。
おそらくだが、今はつけ入るスキは無いと判断したのか…。
まあミール達でイッパイイッパイなんで、他の女性なんかまで目がいく余裕なんてあるワケないでしょ。
今ですら婚約者が4人とか、ワケわからん状況なんだし。
―さて、これで何も気兼ね無く動ける様になった。
だもんで、キエラやミールが言うようなお土産屋さん巡りをするかは別にして、このコムナムの街をゆっくり探索するのもアリかなって思ってる。
流石に商都と呼ばれるだけあって、大きい街だしね。
パーミルの二、三倍の規模はあるんじゃなかろうか。
とは言え、雨も降ってはいるので、どんな格好で出れば良いのか、雨具をどうしよっか、…などと女性陣とわいわい相談していたら、控えていた侍女さんが気を利かせてくれたのか、執事さんのひとりを呼び出してくれた。
そんでもって『ちょっと街を散策してきます』って伝えたら、執事さん、慌てて『馬車と案内人、それに護衛を準備しますので、今しばらくお待ち下さい!』と言われてしまいました。
別に馬車より徒歩の方が、ゆっくり色々見て回れるんだけどねー。
それに護衛なんぞいらんし。
街の案内には、グリフォンライダーでゴラル伯爵の家臣、そしてエトワの親戚でもあるゲイト夫人(お姉さんと呼ばないと怒る)がこの街の近郊出身らしいので、彼女に頼もうと思ってたんだけどねー…。
執事さんから、『馬車と護衛だけは是非、付けさせて下さいぃ!』と平身低頭、懇願されてしまいました。
侯爵家の人達からしても、主人であるコムサ侯爵が不在時に、客人が勝手気儘に外に出歩かれて、何かあったら…ということなんでしょう。
まあ執事さんに迷惑をかけて心証を悪くすんのもなんなので、皆して準備を待つことにした。
それにその間に、ゲイトさんを呼んでもらうことも頼んだ。
……その時だった。
―ズウゥゥゥン…。
「ニャア?なんニャッ?」
何か、爆発した様な音と共に、足下に微細な震動が伝わってくる。
―ズン、ズズン…。
続けて数度、連続した揺れを感じる。
俺達が居るのは、コムサ侯爵の居城、その三階辺りにある来客者用の部屋なのだが、震動と爆発音はずっと下から感じるように思える。
「どうしたっ?!
今すぐ何があったか、ダットン様に聞いてきなさい!
あと衛士をこの部屋にも呼ぶようにメイスンに連絡を!」
「は、はいっ!」
さすがは侯爵家の執事さんだ。
さっきの慌てっぷりとはガラリと変わり、侍女さん達に次々に命令を下している。
…あれ?俺達が勝手に街へ繰り出す事って、こんなデキた執事さんでも慌てることだったんだろうか…?
え?
セレアルとエトワさん、なんで『今さら何言ってますの?』みたいな目で俺を見るのかな?
今の俺の立場で、徒歩で護衛も付けずに出歩くとかアリエナイ?
コイツ何言ってんのと、いつツッコもうか迷ってたんすか?
…えーと、もうちょっと早くツッコんで欲しかったかな?
「…申し訳ありません。
ただいま、当家の家令、ダットンに問い合わせております。
皆様におかれましては、今しばし、この部屋から出られないようお願い致します。」
…うーむ、爆発音は聞こえなくなったが、今度はワーワーと人の騒ぐ声が、バルコニーを通じてここにも微かに聞こえてくるようになってきた。
バルコニーに出て、階下の中庭の様な所を見下ろして見ると、完全武装した騎士、衛士さん、それに魔術師らしきローブと杖を持った人までが一方向に向かって走って行くのが見える。
あ、危ないから出ないで下さいですか?はいはい。
だが気になったので、表示をオフにしていたカーソルをオンに切り替えて、城の人達が向かって行く方向を見てみる。
―っ?!
おいおいっ!
俺がカーソル表示からだいたいの事情を把握したのと、部屋に衛士さんか現れ、執事さんに耳打ちしたのがほぼ同時くらいだった。
「それで、なにがありましたの?」
「…はい、それが…。」
セレアルが執事さんに問い質すが、執事さんはどう答えようか迷っている素振りだ。
―それに対しては俺が答えてあげよう。
「パデルボルンのダークエルフさん達が、脱走したんですね?」
「―っ?
な、なぜ、それをっ?!」
俺が見たカーソル表示には、例のダークエルフお姉さん達のリーダー、イシスさん以下、数人のダークエルフさん達が、城の兵士さん達と明らかに戦闘をしているのが見えたのだ。
―ピコーン!
そんでもって、きました!イベントフラグです!
イベント名:
【2章 魔薬の束縛を破れ!】
イベント発生条件:
イシス達、ダークエルフ部隊とコムナム城の兵士との戦闘を目にする。
またはその報告を耳にする。
イベント内容:
魔薬によって操られている、ダークエルフ達の暴走を止めろ!
スキル【ヒールオール】を使い、彼女達に掛けられた魔薬の束縛を打ち破れ!
また制限時間内にイベントを開始しないとダークエルフ達に死亡者が発生、自動的にイベント失敗となるぞ!
制限時間【00:16:52】
成功条件:
ダークエルフ達と城の兵士との戦闘状態を解除させる。
またその際に、ダークエルフから一人も死亡者を出さない。
イベントが成功すれば、イシス以下、セクシーダークエルフ達から、絶対の忠誠を得ることが出来るぞ(笑)!
※今回はイベント成功と同時に次章イベント【3章 魔薬の施設を破壊せよ!】がスタートします。
充分な準備をしてイベントを開始してください。
イベントボス:
イベントボス戦はありません。
達成報酬:
経験値:+500
晶貨:+1,400G
【ハイポーション】× 2
【スキルポーション】× 1
上位者報酬:
【進化カード(HN)】× 2
キャラクターカード【バトルダークエルフメイド・イシス】
※上位者報酬は、コムナム城の兵士も一人も死亡者を出さなければ支払われます。
―グランドイベントの続きか!
いつも読んで頂いてありがとうございます!
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