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アーミーアント攻略Ⅳ

朝、早めに起きて食事を済ませたあと、俺達は"アーミーアント"の巣穴に辿り着いた。

巣穴への入り口は、直径5m程度、深さも5m位の縦穴になっていた。

どうやらその底から、横穴が拡がっているらしい。


アリンコ共は昨晩、ドワーっと夜襲をかけてきてくれるかと期待していたのだが、結局出てきたのは真夜中に"アントサージャント"が3匹出てきただけだった。


這い出てきた"アントサージャント"は、まさしくモグラ叩きのごとく入り口で待ち構えていた"ヒルジャイアント"達に一瞬で潰された。


敵のカーソルが見える俺や、その能力を共有できるカードモンスター達によって、"アーミーアント"共が奇襲をかける事は不可能だ。

そればかりか既に敵の残り匹数や"アントクィーン"の位置情報まで、バッチリ把握済みである。

なんせ巣穴近くで地面を見下ろせば、モジャモジャと動くカーソルが丸見えだしな!


この情報によってアリンコ共の数は、残り20匹をきっているのが判った。

"アーミーアント"はもう居らず、"アントサージャント"等の上位種ばかりだが、この数なら問題は無い。


まずは俺とカードモンスター達から降りよう。

飛行モンスターの"フェンサースプライト""サンダーバード""レッサーデーモン"による先行偵察をしながら、俺は【丈夫なロープ】を垂らして降りていく。

両肩には"アルラウネ""アークフェルパー"のチミッ娘を乗せている。


そして俺の両脇の壁面を、垂直にも拘わらずガシガシと降りているのは、昨晩から新入りの"アントサージャント"二体である。


さすがにこいつらを呼び出した時は、バウリンが『ぬう、敵がっ!』と襲いかかろうとしたが、間一髪で止める事ができた。

昨日の戦果からの新入りだと説明したのだが…。

『ギリークの言っておった事は本当じゃったのか…。』

と、どうやら一部俺の事を認めてくれ始めたようである。

…まあ真っ向から否定していたので、未だ面と向かっては言ってこないんだけどねー(苦笑)。


巣穴の底に降り立つ。

ここはちょっとしたフロアになっており、ここから3つの方向へ通路が続いている。

壁はザラザラで触ってみて判ったが、かなり堅い造りだ。

まるで土色のコンクリートの様である。


因みに"アントサージャント"に訊いてみると、唾液で固めているそうだ。

『カナリ堅イデアリマス!』

…うん、崩落とかの心配はすくなそうだ。


続けてミール、キエラさん、バウリンと降りてくる。


実際の所、これほど警戒しなくともカーソルで敵の位置は判るので、待ち伏せや急襲の心配は無いのだが、この力を100%信用するのは危険だ。

どのような形でカーソル隠蔽の力を持つ敵が出てくるか判らない。

今からでもその為に、カーソルに頼らない索敵スキルを研いておかなければな。


全員降り立って、…さて、この3つの通路のどこから行こうか?

あ、あとやはりマッピングはしっかりしておかないと、迷うかもしれないよな。


"ジャイアントビー"の巣攻略時は、ほぼ一直線で脇に部屋が幾つかあった程度だったから必要無かったけど…。

ミールかキエラさんに、マッピングを頼んでみよう。


―ここでまたキエラさんの驚くべき事実が発覚しました!

「私たちのこのアバターには、デフォルトでオートマッピング機能が付いているんですよ~!

しかも3D表記だから、複雑なダンジョンもバッチリなんです~。」

…ナニソレ、俺には無いんですケド?


ファンタジー世界で、『3D』やら『オートマッピング』やらといった言葉を聞くこの違和感!

もちろんミールやバウリン達は、キエラさんが何を言っているのか半分も解ってねーだろなー。

ちゅーか改めて思ったが、ここの神様連中、かなり地球(というより日本のゲーム業界)に毒されてね?


まあ、これでマッピングに関してはキエラさんにお願いして大丈夫だろう。

ではカーソルで"アントサージャント"が数匹見えている方向の通路に、まずは行ってみよう。


「…ちょっと待たんか。」

通路に入ろうとした俺達を、バウリンが引き留める。

「"蟻の装甲"でも、質のいいモンを数枚出してくれ。」

バウリンが俺に向かって、そう言ってきた。


―大量に手に入れたアリンコ共のドロップアイテムだが、『ワシの"魔法の鞄"なんぞにはいるか!おまえが持っておけ。』と言われ、結局俺の【アイテム】欄の中に戻す事になったのだ。

数を確かめなくていいのかと訊いたら、『どのみちそんな大量なモン、ちょっとばかりネコババしても変わらんわい!』と半ばヤケクソ気味に言われてしまった。


「何に使うんだ?」

「いいから、早く出さんかっ!」

…まあ最終的にギルドに渡す物だから文句は無い。

でも説明ぐらいしろよなっ!

そう思いつつ、【蟻の装甲(上質)】を3枚実体化させる。


「嬢ちゃん、アンタの盾をちょっと貸してくれんか。」

「はい?私のですか~?」

バウリンはキエラさんの装備している小型のラウンドシールドを受け取ると、【蟻の装甲(上質)】と合わせて何やらし始めた。


「…これでいいじゃろ。」

しばらくして出来上がったのは、キエラさんの盾に被せるように取り付けられた【蟻の装甲(上質)】だった。

「アントサージャントの吐き出す蟻酸は、鎧や盾をも溶かすんじゃ。

しかしこの"蟻の装甲"は、その酸や腐食に非常に強くてな。

即席じゃが、あやつらの酸から守れるじゃろうて…。」

そう言いながら、自分の盾にも同じような作業を始める。


作業をしながらミールの方をチラリと見て、話を続ける。

「お嬢ちゃんは弓を使うから、盾は無理じゃろう。

じゃからそっちのお嬢ちゃん(キエラさん)の陰から射るようにするんじゃ。」

「は、はいニャ!」


「じーさん、いきなり親切になったじゃん!

どーした心境の変化があったのよ?」

「う、うるさいわいっ!

別にワシは不親切にしとったわけではないわっ!」

―なんだかツンデレ気味に言われてしまった。

ドワーフじーさんのツンデレって(笑)。


「あと何でワシがジジイなんじゃっ!

ワシはまだ98歳じゃぞっ!」

「ええー?

つか98歳ってヒトからしたら、十分ジジイじゃん!」

「ヒューマンと一緒にするんじゃないわい!」


この世界のドワーフの平均寿命は、200歳前後なんだそうだ。

つまりバウリンはまだ壮年位の歳というわけだ。


…元地球人の俺に、ヒゲドワーフのそんなナリと、そんなしゃべり方してたら見分けがつかんわっ!

現在の所有カードリスト

順不同です。

昨晩の"アントサージャント"3匹が加わっています。


N(ノーマル)

グリーディーウィードLv 5

ブレードフイッシュLv 1

ゴブリンLv 5

ジャイアントバットLv 20

ジャイアントバットLv 1×4

コボルトLv 5

クレイゴーレムLv 1

マッドエレメントLv 1

ヒュージキャタピラー Lv 1

ラッシュボアLv 1

キラーパイソンLv 1

ヒュージセンチピードLv 1×5

ヒュージスパイダーLv 1×2

アングルアイビーLv 1

ファンガスLv 1

ジャイアントクラブLv 1


HN(ハイノーマル)

レッサーデーモンLv 10【水魔法/初級】(Lv 8/10)

キラーマンティスLv 18【スラッシュⅠ】(Lv 7/10)

ビーファイターLv 8【チャージ】(Lv 9/10)

シルバーウルフLv 13【ファング】(Lv 4/10)

スケルトンウォリアーLv 9【リジェネートⅠ】(Lv 6/10)

スケルトンウォリアーLv 9【リジェネートⅠ】(Lv 5/10)

アサシンシャドウLv 7【クリティカルⅠ】(Lv 2/10)

ゴブリンシャーマンLv 18【闇魔法/初級】(Lv 5/10)

ブラッディソーンLv 11【バインドⅠ】(Lv 3/10)

キラースパイダーLv 1【バインドⅠ】(Lv 1/10)

ハウスモンスターLv 1【スリープミスト】(Lv 1/15)

ファイアリザートLv 25【火精霊魔法/初級】(Lv 4/15)

ブラックドック Lv 1【フレイム】(Lv 1/10)

リオンエッグLv 1

アントサージャントLv 19【アシッドショット】(Lv 1/15) × 2

アントサージャントLv 1【アシッドショット】(Lv 1/15) × 3


R(レア)

ヒルジャイアントLv 1【スタンプ】(Lv 4/10)【ガードⅠ】(Lv 3/10)

ブラックナイトLv 10【ダークスラッシュⅠ】(Lv 1/10)【火魔法/中級】(Lv 1/15)

ブラックナイトLv 10【ダークスラッシュⅠ】(Lv 1/10)【火魔法/中級】(Lv 1/15)

リッパーシャークLv 1【スラッシュⅡ】(Lv 1/15)【クリティカル上昇Ⅱ】(Lv 1/15)

サンダーバードLv 1【サンダーⅡ】(Lv 2/15)【無効/風属性攻撃】(Lv 4/15)


HR(ハイレア)

アルラウネLv 1【パニックボイス】(Lv 7/15)【ヒールⅠ】(Lv 9/10)

フェンサースプライトLv 1【ダブルスラスト】(Lv 7/15)【サイドステップⅡ】(Lv 5/15)【風魔法/中級】(Lv 5/15)

デスナイトLv 7【ダークスラッシュⅡ】(Lv 1/15)【火魔法/中級】(Lv 1/15)【リジェネートⅡ】(Lv 1/15)

アークフェルパーLv 1【キュア】(Lv 1/10)【フラッシュボール】(Lv 2/20)【抵抗/状態異常】(Lv 2/10)


SR(スーパーレア)


UR(ウルトラレア)


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