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パーミル帰還Ⅱ

「も、もう!

いきなり何するニャーの?

ビックリしたニャッ!」

ミールは恥ずかしさを紛らわすように、頬を染めながらプリプリしておられます。

「ゴメンナサイ…。」

そして俺達二人のそんな姿を、生暖かい目で見るパーミル公爵達。


現在、公爵達にも部屋に入ってもらい、俺の体調についてダイト大神官さん達に診てもらっている所だ。

俺を診てもらっているのは、ダイトさんの他にクラス(職業)が"ヒーラー(薬師)"となっているLv 27のビースト族のおばさんと、先の家臣団の中にもいたLv 23のヒューマン族の"ソーサラー"のおっさんだ。

ちなみにそれ以外にジョシュアさん、ジェファーソンのオッサン、ネスフさんにセレアル姫さんが一緒に入って来ている。


体調的には全く問題ないと思うのだが、『万が一の事がある故、ぜひ調べさせてくれ』と公爵から迫られて、仕方なく診てもらっている。

…つーか、魔法使いの"ソーサラー"さんがなぜいるのか解らんが、ダイトさんやこの"ヒーラー"さんとかって、ここの最高位の医療関係者なんじゃね?

そんな人達に診てもらうとか、スッゲー心苦しいんすけど!


…まあお陰で、大事なことがひとつ判明した。


「あの戦いの時、君が続け様に服用していたのは、マジックポーションかね?」

パーミル公爵が俺に訊ねてきた。

"マジックポーション"とは、魔法使い達が魔力を補充する為のポーションで、俺が使う【スキルポーション】と同じような物だ。

つかその違いがよく解らん。

見た目もよく似ているし、一度"マジックポーション"を飲んでスキルポイントが回復できないかと考えていたところだ。

そのへんの所を彼らに伝えた。


―ダイトさん達が、俺を診たあと公爵となにか話し合ってから、俺に話しかけてきた。

「もしかして君は、マジックポーションの過剰摂取について知らないのかね?」


ダイトさんが言うには、"マジックポーション"を続け様に飲むと頭痛や吐き気などをおぼえ、最悪気を失ってしまうらしい。

というのも、こういったポーション類は服用者の魔力を触媒に、その魔力を増幅させる事によって回復をはたすものなんだそうで、つまりは残りの魔力を薄く伸ばしているようなもので、根本的な魔力回復をしているわけではないのだ。

当然、残り少ない状態を何回も『伸ばせ』ば、身体に大きな負担がかかるという訳だ。


この事には少なからず、ショックを受けた。

なにせゲームの時ですら『倒せないなら、スキルポーションを飲めばいいじゃない』を合言葉に湯水の如く使いまくるのが、俺らの様な課金廃人一歩手前の人間が考える攻略方だったのだ。


こちらの世界ではゲームの様にプレイヤー同士の援護攻撃が見込めないせいで、よけいにポーション類の回復が必須だと思っていた。

それが回数制限があるとなると、特に先の"アーザンズスポーン"のような強力なボス戦では苦戦は必定だ。


こうなると"フレンド登録"した神様達の援護がますます重要になってくるんだが、援護要請をしたら彼らはそれこそ"降臨"してやって来るのだろうか?

それはそれで、エライ騒ぎになりそうなんだが…。

流石にそんな事まで【ヘルプ】コーナーには書いて無いしなー。

まあまたアルキエラさんあたりにでも、後で訊いてみよう。


一緒に診てもらった"ソーサラー"のおっさんが言うには、二回連続で飲めば大抵の魔法使いはぶっ倒れるそうだ。

確かに俺も連続して飲んだが、そのちょっと前にも続け様に飲んでいたはずだ。

その時は全く大丈夫だったから、その時分からと考えて俺の限界は4~5本というところか。

そう言うふうに公爵達に伝えると、『いや、5本も飲めば、普通死ぬわい…。』と"ソーサラー"のおっさんに呆れられた。

「言った通りでしょう?

彼は色々と規格外なんですよ。」

そうドヤ顔で話すネスフさん。

…それ誉めてくれてんですよね?


ただ体力回復の方の【ポーション】類はそういった反動は少ないそうで、こちらについてはほっとした。


とにかく、今の俺のようになると少なくとも1~2日は【スキルポーション】(または"マジックポーション")の再服用は絶対不可(『本当にポックリ逝くぞ?』と"ソーサラー"のおっさんに脅かされた)なので、しばらくまたこの部屋で安静にしておくよう言われた。


「ところで…」

俺の体調について診察が一通り終わったのを見計らって、セレアル姫が俺に話しかけてきた。

「先程はこの娘に、何を謝っていらしたの?」


…ええー、それこんなに人がいる前で、言わなきゃならないんすか?

「あ…、それウチも訊こうとしてたニャ。」

あらー?ミールまで?

…うう、しかたない。


俺は先程、ミールが元気が無かった事について、俺が彼女をほっぽっていたのが原因だと思い、謝るべくDOGEZAをしたと説明した。

もちろん公爵以下の人々に、生暖かい目で見られている中での説明で、コレどんな羞恥プレイやねん!と心の中で叫んでしまった。


「ええっ!そんな事考えてたニャ?

ウチ、ちっともそんな事、気にしてニャかったニャーよ?!」

「うぇ?でも、ずいぶん元気無かったじゃん。

じゃ、何か他に原因があるの?」

「っ!…そっ、それは…。」

そう言ったきり、少し頬を染めてミールは俯いてしまった。


「あー、たぶんソレ、俺が言ったことが原因だわ。」

いきなりジェファーソンのオッサンが話に入ってきた。

「ニャッ!?」

なぜかそれに、更に狼狽えるミール。

「え?オッサン、ミールになに言ったの?」

「いーやいや、別に事実を言っただけだぜ。」

そう言うオッサンの顔は、めちゃくちゃ笑顔だ。

…こうゆう表情をする時は、大抵ロクな事にならないんだが…。


「いや、おめーさんが、結婚しているって、お嬢ちゃんに教えてやっただけだぜ?」

「え…「ええええぇぇっ!」」

なぜかセレアル姫が、俺の驚きに被ってきたっ?!

俺が驚いてあげた声を、かき消すような大声だ。


「アアア、アナタ!どどどどういう事なんですのっ?!

はやくっ!はやく説明しなさいっ!!」

セレアル姫は俺に食って掛かって、ガックンガックン俺を揺さぶる。

何気に掴んだ襟首が締まって、息すら出来ないっ!死ぬっ!


姫さんのあまりにビックリな行動に、公爵もあっけにとられてしばらく呆然とみていたようだ。

慌て姫を止めに来てくれた。

…あとも少し遅かったら、もう一度失神してたかもしれん。


ーじゃなくてっ!

「俺が結婚してるってどういう事っ?!」

俺も初めて知りましたけどっ?!

「なに他人の事みたいに言ってやがる。

あの色っぺーネーチャンを嫁にしておいて、まだしらを切るつもりかよ!」

そう言うオッサンは笑っているが、額に青筋をたてている。

羨ましがってんのか、このオッサンッ?!

「い、言っとくが、別にう、羨ましくなんかねえんだぞっ!」

羨ましいんかいっ!


「いや私らも聞いたんだが…。」

パーミル公爵までっ!

って、聞いたって…。

「お前がぶっ倒れたあと、当然あのネーチャンが何者か問い質したワケよ。

で、あのネーチャンが言うには、『私はこの方の正妻ですっ!』って仰るワケだ。」

「事の真意を問い質そうとしたのだがな、その後間もなく我々の前から忽然と消えてしまったのだ…。」


うおおおおっっっ!!

ミールさん(大人)っ!アンタなに言ってんだぁぁっ!!

からかってんのっ?!からかってるんですよねぇぇっ?


い、いやっ!まてまてまてっ!

彼女が未来のミールである可能性は、彼女の言動などから非常に高いと思われるっ!

するとナニかっ?!

ミールがいずれ、あの超色っぽいおねーさまになり、俺の奥様になると言うのかっ?!

俺が旦那さまと言うことになっちゃうのっ?

…そういえば、彼女が俺を呼ぶとき『アナタ』って言っていたけど、アレって旦那さまって意味だったのっ?!

うわー!うわー!どーしよー!ミールの顔をまともに見れねーわ!


だが浮わついてたぶん思いっきり鼻の下を伸ばしまくっている俺に、冷水をぶっかけるように冷ややかに話かけてきた人がいる。

―セレアル姫だ。

「ふぅーん、で、その女性の言う事は本当のことですの?」


姫様がなぜ、こんなに凍りつくような冷やかな態度になってしまったのかワケが解らんが、お陰で頭を冷やす事が出来た。


よくよく考えてみれば、ミールみたいな美少女が俺の嫁さんとか、なんの妄想かっつーの!

確かにキャラクターカードのように、ミールが成長する可能性は十分にあり得る。

そして今フラグが立っているグランドイベントを進めていけば、カードにあった"ウルティナシフト"というクラスに成れるだろう。


だが俺の嫁さんになる可能性についていえば、もうコレあり得ないでしょう!


いまふと思い付いたのだが、あのキャラクターカードは、未来のひとつの可能性を現しているだけではないだろうか?

SF小説なんかにある、平行世界のひとつってやつだ。


そのなかには万が一、俺とミールが結婚出来る世界もあるかもしれない。

だがあくまで『かもしれない』のだ!


―うおー!危なかった!

ちょーしにのってミールに、『実はアレは、未来のキミの姿なんだ!ボクとキミは未来で結ばれるんダヨ!』なんて言ってみろっ!

『はぁっ?ナニ言ってんのコイツ?

頭、沸いてんじゃね?(笑)』って、思われても仕方ねーぞ?!


危なかった!まじで危なかった!

一歩間違えていれば、ドン引きされていた所だったわ!

今回は新入りなどは無しです。

でも次回は、イベント報酬がゲット予定です!


現在の所有カードリスト

順不同です。

N(ノーマル)

グリーディーウィードLv 5

ブレードフイッシュLv 1

ゴブリンLv 5

ジャイアントバットLv 20

コボルトLv 5

クレイゴーレムLv 1


HN(ハイノーマル)

レッサーデーモンLv 10【水魔法/初級】(Lv 6/10)

キラーマンティスLv 18【スラッシュⅠ】(Lv 7/10)

ビーファイターLv 8【チャージ】(Lv 7/10)

シルバーウルフLv 13【ファング】(Lv 4/10)

スケルトンウォリアーLv 9【リジェネートⅠ】(Lv 5/10)

スケルトンウォリアーLv 9【リジェネートⅠ】(Lv 5/10)

アサシンシャドウLv 1【クリティカルⅠ】(Lv 2/10)

ゴブリンシャーマンLv 18【闇魔法/初級】(Lv 5/10)

ブラッディソーンLv 11【バインドⅠ】(Lv 3/10)

キラースパイダーLv 1【バインドⅠ】(Lv 1/10)


R(レア)

ヒルジャイアントLv 1【スタンプ】(Lv 4/10)【ガードⅠ】(Lv 2/10)

ブラックナイトLv 1【ダークスラッシュⅠ】(Lv 1/10)【火魔法/中級】(Lv 1/15)


HR(ハイレア)

アルラウネLv 1【パニックボイス】(Lv 5/15)【ヒールⅠ】(Lv 8/10)

フェンサースプライトLv 1【ダブルスラスト】(Lv 7/15)【サイドステップⅡ】(Lv 4/15)【風魔法/中級】(Lv 4/15)


SR(スーパーレア)


UR(ウルトラレア)


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