周辺探索Ⅰ
呼び出した"グレイウルフ"達を見て、俺を襲ってきたヤツらと、別種のものかと思ってしまった。
それくらい、違和感があった。
いま目の前にいるのを、一言で表現するなら、「でっかいワンコ」である。
三匹行儀よく並んで、俺の命令を待っている。(しかも、「おすわり」状態でだ!)
何気に尻尾もフリフリしている。
よくよく見れば、さっきの"グレイウルフ"と同じだ。
だが、襲ってきたヤツらは、毛並みも悪く、痩せ細って、獣臭もすごくした。
何よりあの目である。
俺を獲物としか見ていない、殺気ばしった「狩る者の目」が、恐ろしい程の存在感をもっていた。
もしかしたら、カードのモンスターたちは、外見は同じかもしれないが、中身はまったく別のものなんじゃないだろうか?
―魂で繋がっている
キツネのにーちゃんは、そう言っていた。
カードたちは、もしかしたら俺の一部みたいなモノかもしれないな…。
そう思って、目の前の"グレイウルフ"達をみると、
―マスター、コレカラナニスル?
そう言って、小首をかしげた。
…なにそれ、カワイすぎるっ!
思わず、抱きしめてしまった。
抱きしめた時、彼らからは獣臭などまったくせず、ただお日様の香りがいっぱいした。




