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村からパーミルへⅡ

どうやら同じ事が、一人目の転生者の時におこったらしい。

一人目の時は、まさかこの様な事がおこるとは考えず、今回のような情報規制をしていなかったのだ。


まあそれで二人目の時から一部の神々でしか、詳細(いつ転生したかも含めて)を知らせないようになったのだ。

だが今回、三人目(俺の事ね)から新たに実装された、【フレンド会話】が裏目にでてしまったのだ。


「まあなってしもぉたんは仕方おへんしな、今までそれの対応策を、有志で体制化しとったんどすわ。」

その対応策とは…俺の居場所を24時間トレース、ウルティナ様を含む上級神が交代で、俺の周りに降臨出来ないよう目を光らす、というものだ。

―これは一人目のかみかみパニック(俺命名)の時にとられた対策で、今回もその時の対応策を元に体制が組織されたらしい。


「あと今回は地上の一部の神殿なんかに、うちらと連絡をとれるような体制をいま作っておる所どすゎ。」

これはウルティナ様の神殿だけでなく、幾つかの神様の神殿で出来るようにしているのだそうだ。


「まあその辺りはアルキエラに教えてますさかいに、あのコから訊いておくれやすぅ。

あ、あのコには、…せやなぁ、あと二日程連絡とれへんよってに、それ以降にお願いしますゎ。」

「あの…、今回の事で、アルキエラさん達に何かお咎めがあったんでしょうか?

…俺から言うのもおかしいかもしれませんが、彼女達には…」

だが俺の言葉を遮るように、女神様が言葉を被せてくる。

「ふふふ、その辺りの事もアルキエラから訊いておくれやす。

あのコも色々と謝りたいてぇ、言うてましたさかいにねぇ。」

「はあ、そうすか。」

まあウルティナ様がそんなにキツい罰をあたえるとは思えないが…。


にしても、スゲーおおごとになってきたな!

神様、しかもかなり位の高い神様が、何柱も俺の為にかかってくれるとは…

もっとお気軽ライフを想像してたんだがなー!


「さて…お伝え出来るんは、こんなモンでっしゃろぉか。

あと何かお話しする事、ありますやろかぁ?」

おお!忘れるトコだった!


早速俺は問題のカーソルについて、ウルティナ様に訊ねてみた。

「はぇ?

あんさん、転生する時に担当者から説明を受けとらへんかったんどすか?」

「へ?」

「その"かあそる"の問題は、一人目はんの時に解決済のはずどすぇ。」

「へぇー?」


「ちょっと待っておくれやすぅ。」と言って、ゴソゴソ、パカッという何かを開けた音、そのあと数秒後にチャラ~ン♪という起動音、最後にカチカチというマウスクリック音の後に(もうツッコまない)、女神様からたどたどしい指示がきた。


「えーと、あんさん、まず"ほおむ画面"の【めにゅう】から【へるぷ】きぃを選択しておくれやすぅ。」

ホーム画面の【メニュー】から【ヘルプ】キーを押す。


この【ヘルプ】キーはゲーム『アルカナバースト!』を遊ぶにあたって、ごく初歩的な操作やゲームで使われる用語・世界背景の説明を、Q&A形式で解説したものだ。

基本、最初にオープニングからチュートリアルを終えると解ってしまう事なので、この【ヘルプ】キーをじっくり読んだ事は無かった。

実際、これはチュートリアルをスキップしたり見ていなかった者の為の、補足用に用意された意味合いが強い。

俺もチョロっと、時代背景の所を読んだくらいしか記憶がない。


「そこの一番下ん所、…えーと、にゅう!いう印がついてはるのを、選択してもらえますやろかぁ?」

にゅう!?…って、ああ!このnew!のマークか。

―つーか、使い馴れてない言葉を、たどたどしく喋る女神様ったら可愛いわー!

もっかい、にゅう!って言って!


おっと、また可愛さのあまり、脱線する所だった!

えーと、なになに?

はぁっ?

【転生後の追加機能】だってぇ?

「そこを選択してもろぉたら、転生してから追加したモンの説明が書かれておるはずどすゎ。」

「本当だ!

【戦闘画面の変更点】や【スキルの変更点】、【カードモンスターの実体化】といった今まで俺が自分で調べた事が、ズラーと並んでいる!」

「確か、転生前にむこうの担当者が一通り説明するはずやっとんどすが…?」


…うおぉぉぉいっ!

キツネ目にーちゃんっ!!

あの野郎、めっちゃ、はしょりやがったな!

一言、この所を読めって言やーいいだけなのに!

あ!あのヒト、説明する時にずいぶん不馴れな感じだった!

もしかして、あのにーちゃん自身、よく解ってなかった?

だからやってる内に解ってくるとか言ったのかっ?!


「えー、大丈夫どすかぁ?」

ウルティナ様が心配して、声をかけてくれる。

うわー、今まで苦労して調べた事が、全部書いてあるわー。

たぶん今の俺は、死んだ魚のような目をしてるんだろうなあ。


精神はメチャクチャ疲れた状態だったが、とにかく追加された部分を次々に読んでいく。

読むたびに、「そこぉっ!もう知ってるよぉ!」と心の中でツッコみをいれる。


そして半ばまで読んだ所で、【カーソル表示】のキーを見つけた。

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