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アジトから出発Ⅰ

そのあと、まだ皆起きているのを利用して、ウフィールという名前の人物に、覚えがないか訊いてまわった。

案の定、皆知らなかったが、ジョシュアさんから一つ情報を得られた。


「"ウフィール"という名前は、ビースト族、それも犬や狼系の女性に多い名前です。」

―ほほうっ!またまた獣っ娘ですかっ?

目を輝かせた俺に、ジョシュアさんは苦笑する。

「女性の名前ですが、年齢までは判りませんよ?」

相棒になったばっかりのミ、ミール(まだ馴れない)の視線が、なんだか冷たく感じるのは気のせいだろうか?


と、とにかくこのウフィールさん(美少女又は美女希望)を見つけないと、このグランドイベントは始められない。

試しにフラグの選択肢にある"YES "をおそるおそる押してみたが、《条件が揃っていません》の表示がでて受付なかった。

イベントをスタート出来ないのにフラグが立ったのは、発生条件の①を満たしたせいだと思われる。



この広いアレスの世界から、たった一人を見つけ出すなんて不可能な様にも思うが、俺はあまり悲観していない。

イベントで名前が出た以上、これから俺に何らかの形で関係してくる可能性が高いと思われるからだ。


ゲーム的な思考方だが、この世界自体がそのゲームの基となっているのだから、あながち間違った考え方ではない気がするね。


まあ違っていたとしても、じっくり探していくだけだ。

ビースト族の女性、しかもおそらく犬系か狼系という所まで絞られれば、幾分かは探し易いだろう。


どちらにせよ、戦力拡充が必要だ。

街に着いて一息いれたら、マジで"ジャイアントビー"の《巣》(ネスト)攻略を考えよう。

レア以上のモンスターが、確実に居るのが判っているからだ。

一階層のボスがHN だったので、二階層がR 、最上階がHR のはずだ。


ふと気が付くと、やっと横になって眠ろうとする人々が、で始めてきた。

横のミールさ…、ミールも少しうつらうつらし始めている。

俺も少しは眠るとしよう。


ただ今回は、彼女と焚き火を挟んだ反対側で眠るとしよう。

先程のようにまた抱きつかれたら、次は理性を保っていれるか自信はない。

というか、かなりヤバい。


彼女にお休みなさいと言って、俺は横になった。

ミールはすでに寝息をたてていた。

この娘、本当に寝つきいいな!

寝相の悪さから、焚き火の方へ転がったりしないか少し心配したが、まあ火に近づいてまで寝てる事はないだろう。


そんな事を考えているうちに、俺も眠ってしまった。




翌朝、ミールに起こされて、目を覚ました。

どうやら俺が一番の寝坊だったようだ。

すでに朝食の準備や、出発のための点検を皆始めている。

俺は大きくのびをして、眠気を振り払った。


転生してからこの数日、カードモンスター達に助けられてきていたとはいえ、やはりどこかで緊張していたのだろう。

今晩ほど良く寝れた日はなかった。

お陰で頭もスッキリだ。


ミールさん、じゃないミールと、おはようと挨拶を交わしたあと、俺達は朝食をもらいに行く。

そこでバルストさんとジョシュアさん、スネフさんの三人に出会ったので、挨拶と併せてこれからの予定を訊いてみた。

(ちなみに俺が一番の寝坊だと思っていたが、ジェファーソンのオッサンはまだ寝ているそうだ。)


「何しろ捕まえた者達を連れての徒歩だからな、来たときより日数がかかるだろう。」

「それに今回は、私の転移魔法を使えませんからね。」

スネフさんの【フォレストリープ】は、全対象者が転移を望まないと発動出来ないのだそうだ。

フリード達が、それを望むとは思えないしな。


「まあ食糧も充分あるから、日数がかかっても問題はありません。ただちょっと貴方がたに、お願いしたい事があるのです。」とジョシュアさん。


その頼み事とは、まず俺達が殿(しんがり)を務めるという事だ。

カードモンスター達とのいさかいは、もう問題ない。

しかし、わだかまりが全く無くなったという訳でもない。


特に戦闘になったとき、敵のモンスターと区別がつかず、味方モンスターを攻撃するおそれがある。

そこで俺達は後方からの敵だけに集中して、前方からの敵には俺達以外で対応する、という区分けをしてみるのだ。


もちろん両方とも、手が足らなくなれば応援にはいるし、側面から攻撃される事もあるだろう。

そこでそういった判断を、一番戦闘経験のあるスネフさんに一任する事で決まったようだ。


スネフさんはバリバリの魔法攻撃職だ。

基本は後方から強力な攻撃魔法を飛ばすのが仕事なので、この采配にはピッタリだと思う。


もちろん俺達の配置にも、異論はない。


あともうひとつ、俺達に食糧を一括して持ってもらいたいとのこと。

バルストさん達が持って来た食糧とこのアジトにあったものを、テントの幕を袋代わりにして包み、"ヒルジャイアント"に担がせようというのだ。


こうすれば皆の持つ荷物が減り、行軍が速まる。

また一つにした食糧はデカイが、"ヒルジャイアント"にしてみれば、リュック程度の大きさしかない。

また戦闘になれば、手放せば邪魔にならない。


これも問題ない。

すぐ"ヒルジャイアント"を呼び出して、食糧の『袋詰め』の準備に取りかかってもらおう。


同時に、他のカードモンスター達も呼び出す。

朝飯を食ったら、すぐ出発だ。


「るーるー!」

おお、呼び出したばかりの"アルラウネ"が、【一日一回無料召喚】を教えてくれた。

朝飯を食べながら、早速召喚してしまおう。


【メニュー】→【召喚】→【一日一回無料召喚】と、流れるようにキーを操作する。


フェンサースプライト HR Lv 1

(精霊族/風属性/cost 45)

AT:7.300/7.300

DT:5.100/5.100

【ダブルスラスト】

【サイドステップⅡ】

【風魔法/中級】


―うおええぇっ!

無料召喚でハイレアのモンスターが出たっ!

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