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アジトで後始末Ⅰ

この三日間、何も大したことは無かったと言ったが、それはフリードとの間の事で、実は俺個人としては嬉しい事が二、三あったのだ。


一つ目は、アジトに来て三日間の朝にあった。

昨日と同じように、アジトの中央辺りで焚き火を前に寝ていた。

朝になって、いきなり俺の腹にズドンと何かが乗っかってきた。

咳き込みつつ、慌てて目を覚まして見てみれば、それは"シルバーウルフ"の巨大な前足だった。

何すんだよっ?と問いかけると、不思議そうに"シルバーウルフ"は答えた。

―マスターガ朝ニナッタラ、起コセッテ言ッタヨ?


俺は"シルバーウルフ"に、目覚ましを頼んだ覚えは無かった。

目覚まし担当は、【合成】【進化】する前の"グレイウルフ"に頼んでいただけだ。


そこで俺はふと気付いて、"シルバーウルフ"に訊ねた。

―もしかして、"グレイウルフ"だった時の記憶があるのか?

それに対する答えは、あっさりとしたものだった。

―?、モチロンアルヨ。


その答えを聞いて、暫く固まってしまった。

―マスター、大丈夫カ?

"シルバーウルフ"に心配されて、やっと我にかえった。

それから"シルバーウルフ"に色々問うてみたところ、コイツの【合成】から【進化】にかけて使用した"グレイウルフ"達の、全ての記憶を持っていることが判明した。

そしてそれは他のカードモンスター達も同じだった。


彼らは【合成】したカードモンスターの、ベースとなった方も素材となった方も両方の記憶をおぼえていた。

それは【合成】を何回繰り返しても、一番最初のカードモンスターの時から覚えていたのだ。


これが解ったときの俺の気持ちは、かなり複雑だった。

なにしろ昨日までカードモンスター達との『別れ』をウジウジ考えていたのが、全く無意味になってしまったのだ。

それと同時に、"ライオットタイガー"の時のような苦い思いや、【合成】の度に別れの苦しみを味わなくて済む喜びが、ごちゃ混ぜになってかなり混乱していた。


たぶん、(゜ロ゜)←こんな表情になっていたに違いない。


まあ最終的には、嬉しさの方が勝った。

「…これからも、よろしくなっ!」

そう言って、俺は"シルバーウルフ"に抱きついた。


―さて二つ目の事はこの数日間、フリードにどつきまわされた報酬とも言うべきものだ。(結局最後までヤツには、いいようにあしらわれて終った)


メニュー画面にある、【カード一覧】を開けてみる。

そこにあるのは大量の"スケルトン"達だ。


晶貨:16.360

スケルトン N Lv 1 × 149

【魔法の骨】× 109

【魔法の骨(良質)】× 35

【呪われた盾-1】× 2


これがフリードとの『ゲーム』で得た全てだ。

最後の【呪われた盾-1】はレアドロップの品だ。

呪われた品っぽい(というかそのまんま)ので、売るしかないだろう。


それよりもこの"スケルトン"の数を見てもらいたい。

ええ、頑張りましたよ。

『自分の戦闘経験を積む』なんてカッコいい事言っちゃいましたが、実のところ一番の目的はこの"スケルトン"を集めまくる事だったノダッ!

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